じょうよう‐かんじ〔ジヤウヨウ‐〕【常用漢字】
読み方:じょうようかんじ
1 大正12年(1923)文部省臨時国語調査会が発表した日常語一般に使用される1962字の漢字とその略字154字。
2 内閣告示の「常用漢字表」にあげられた漢字。一般の社会生活で漢字を使用する際の目安として示されている。方針や採用字種の検討などは文化審議会が行う。昭和56年(1981)、それまでの「当用漢字表」に新たに95字が追加され、1945字として告示。さらに平成22年(2010)11月30日に196字を追加、5字を削除した2136字の「改定常用漢字表」が告示された。→当用漢字
[補説] 平成22年のおもな変更点
字種の追加(196字)
挨、曖、宛、嵐、畏、萎、椅、彙、茨、咽、淫、唄、鬱、怨、媛、艶(艷)、旺、岡、臆、俺、苛、牙、瓦、楷、潰、諧、崖、蓋、骸、柿、顎、葛、釜、鎌、韓、玩、伎、亀(龜)、毀、畿、臼、嗅、巾、僅、錦、惧、串、窟、熊、詣、憬、稽、隙、桁、拳、鍵、舷、股、虎、錮、勾、梗、喉、乞、傲、駒、頃、痕、沙、挫、采、塞、埼、柵、刹、拶、斬、恣、摯、餌、鹿、𠮟、嫉、腫、呪、袖、羞、蹴、憧、拭、尻、芯、腎、須、裾、凄、醒、脊、戚、煎、羨、腺、詮、箋、膳、狙、遡、曽(曾)、爽、痩、踪、捉、遜、汰、唾、堆、戴、誰、旦、綻、緻、酎、貼、嘲、捗、椎、爪、鶴、諦、溺、塡、妬、賭、藤、瞳、栃、頓、貪、丼、那、奈、梨、謎、鍋、匂、虹、捻、罵、剝、箸、氾、汎、阪、斑、眉、膝、肘、阜、訃、蔽、餅(餠)、璧、蔑、哺、蜂、貌、頰、睦、勃、昧、枕、蜜、冥、麺、冶、弥(彌)、闇、喩、湧、妖、瘍、沃、拉、辣、藍、璃、慄、侶、瞭、瑠、呂、賂、弄、籠、麓、脇
字種の削除(5字)
勺、錘、銑、脹、匁
音訓の追加
委(ゆだねる)、育(はぐくむ)、応(こたえる)、滑(コツ)、関(かかわる)、館(やかた)、鑑(かんがみる)、混(こむ)、私(わたし)、臭(におう)、旬(シュン)、伸(のべる)、振(ふれる)、粋(いき)、逝(いく)、拙(つたない)、全(すべて)、創(つくる)、速(はやまる)、他(ほか)、中(ジュウ)、描(かく)、放(ほうる)、務(つとまる)、癒(いえる・いやす)、要(かなめ)、絡(からめる)、類(たぐい)
音訓の削除
畝(せ)、疲(つからす)、浦(ホ)
音訓の変更
側(かわ→がわ)
付表の追加
海士(あま)、鍛冶(かじ)、固唾(かたず)、尻尾(しっぽ)、老舗(しにせ)、真面目(まじめ)、弥生(やよい)
常用漢字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/08 15:05 UTC 版)
注釈
- ^ さらに漢字を適切に使うことに関しては、義務教育では学年別漢字配当表に示されている漢字にとどまる。
- ^ 「崎」の異体字だが改定常用漢字の「埼」は訓読みの「さき」ではなく「さい」である。
- ^ a b c 改定常用漢字表では「曽・痩・麺」について「頻度数に優先して、生活漢字としての側面を重視し」て、印刷標準字体「曾・瘦・麵」ではなく簡易慣用字体「曽・痩・麺」を採用した。
- ^ 「坂」の異体字。
- ^ 「側」には〈「かわ」とも。〉と注記された。
- ^ 追加された「隙」には〈「隙間」は、「透き間」とも書く。〉と注記された。
- ^ 「表の見方」に「字音を動詞として用いることのできるもの」として「力む」が「案じる」・「信じる」とともに例示されている。
- ^ 第20回漢字小委員会で配付された資料2 (PDF) P.4参照。
- ^ この2点のほか、P.2 6行目 候補漢字Aの「樋」は「桶」の誤りである。
- ^ 第2次字種候補案[7]と国語分科会提出資料[8]では表現が若干変わったが、実質的な内容に変わりはない。なお、国語分科会提出資料は第39回国語分科会で了承された。
- ^ 第32回漢字小委員会で配付された資料3 (PDF) による。ただし、「䑓(「臺(台)」の異体字)・ヶ・々」などの文字についても除外せずに記載されている。
- ^ 2010年(平成22年)4月7日、最高裁で敗訴確定。
- ^ 「常用漢字表」(国語審議会答申)前文には「新しく加わった漢字については、同表に掲げたものに準じて整理を加えた」とある。(注)「同表」は「当用漢字字体表」のこと。
- ^ 人名用漢字として「昭和26年以降平成9年までに示された字体」のこと。
- ^ ただし上諭に用いられている「詢」は当用漢字・常用漢字ではない。
- ^ 『法令における漢字使用等について(平成22年11月30日内閣法制局長官決定)』「1 漢字使用について(4)」。なお本決定以前は『法令用語改正要領』「第五 常用漢字表にあっても、かなで書くもの」において同旨が定められていた。
- ^ a b 平成18年度「国語に関する世論調査」の結果についてによると「あまり使われていないと思う」と「全く使われていないと思う」の合計で「逓」は60.5%、「遵」は60.1%となる。このほかには「謄」「弐」「厘」も調査されたが、「あまり使われていないと思う」と「全く使われていないと思う」の合計は約3割程度である。
出典
- ^ 常用漢字表(2010年)まえがき
- ^ 標準漢字表、1942年(文化庁ホームページ) (PDF)
- ^ 文化審議会国語分科会報告 国語分科会で今後取り組むべき課題について (PDF)
- ^ 第39回文化審議会総会 情報化時代に対応する漢字政策の在り方について
- ^ 第6回漢字小委員会で配付された資料3 (PDF) P.3参照。
- ^ 第1次字種候補素案 (PDF)
- ^ a b 第2次字種候補案 (PDF)
- ^ 国語分科会提出資料 (PDF)
- ^ a b c d 改定常用漢字表試案への意見(H21.12.11) 三鷹市、2009年12月11日公開、2010年11月25日更新。
- ^ 要望の多かった「玻・碍・鷹」の扱いについて (PDF) 参照。
- ^ 「改定常用漢字表(答申)」 (PDF) P.(12)参照。
- ^ 新聞用語集, p. 24.
- ^ 法令における漢字使用等について (PDF)
- ^ 公用文における漢字使用等について
- ^ 新聞用語集, p. 4.
- ^ NHK漢字表記辞典, p. 14.
- ^ 記者ハンドブック, p. 415.
- ^ 最新用字用語ブック, p. 415.
- ^ 読売新聞用字用語の手引, p. 323.
- ^ NHK漢字表記辞典, p. 493.
- ^ 文化庁:「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」の代表音訓索引
常用漢字
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