仮名 (文字)
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仮名(かな)とは、日本語の表音文字の一種。漢字を基にして日本で作られた文字を指す。古代の万葉仮名に起源を持つ。漢字の字義を捨て表音文字として用いる(借字・仮借)ことからこのように呼ぶ[1]。
注釈
- ^ 江戸時代以降国粋主義の高まりにより、漢字の伝来以前に「神代文字」という文字が日本にあったという主張が行われたが、現在では否定されている。
- ^ 文暦2年(1235年)、京都蓮華王院の宝蔵には紀貫之自筆の『土左日記』(その表紙には「土左日記」と記されていたという)が所蔵されていたが、定家はそれを閲覧する機会を得たので、その本文を書き写し写本を作った。画像はその巻末に、写本の本文とは別に書き写した部分である。この臨書の最後には、「為令知手跡之躰、如形写留之。謀詐之輩、以他手跡多称其筆。可謂奇怪」(貫之の手跡がこういうものだと知らしめるために、その通りにここに写しておく。いんちきなことをする連中が、他人の手跡を多く持ち出して貫之のものだと称しているからである。奇っ怪というべき事である)と記されており、当時貫之筆と称するものが多く出まわっていたようである。この臨書がどこまで貫之本人の書風に迫るものなのかは明らかではないが、「乎」(を)や「散」(さ)などの変体仮名は別として、おおむね現在のものに近い字体の仮名が連綿で記されているのが見て取れる。『原典をめざして―古典文学のための書誌―』(橋本不美男 笠間書院、1983年)第二章「古典作品の原典復原」参照。
- ^ なお「仮名」を「かな」と読むのは常用漢字表付表で認められた熟字訓である。「か」は「かり」の転訛であり、漢字音ではないので、重箱読みには該当しない。
- ^ 現在一般に読まれる『古今和歌集』の本文では、この和歌の第四句は「はるたつけふの」となっている。また見ての通り、本文は変体仮名をまじえて記されている。
- ^ 藤原宮や平城宮をはじめとする平安時代以前の各地の遺跡より「なにはづ」や「あさかやま」の歌を記した木簡が出土している。また法隆寺五重塔の部材からも「なにはづ」の歌の墨書が見つかっているが、これらは当然ながらいずれも借字で記されている。『紫香楽宮出土の歌木簡について』(『奈良女子大学21世紀COEプログラム 古代日本形成の特質解明の研究教育拠点』、2008年)参照。
- ^ ただし「こひ」(恋)については、以下の例外が存在する。 『後拾遺和歌集』(『新日本古典文学大系』8 岩波書店、1994年)より。「こゐ」というのは、鷹を飼うのに止まらせる止まり木のことをいう(「木居」という漢字がふつう当てられている)。飼われている鷹が飼い主のところから逃げ出して年を経ても、その羽を休めた止まり木は忘れることができず、最後には戻ってきてしまう。それと同じように、自分も以前共に暮らしたが別れた人を忘れられず、結局また恋しく思っている…という趣意である。このなかで「こゐ」(木居)を「こひ」(恋)の掛詞としているが、恋を「こゐ」とすることは当時慣習的に行われていた仮名遣いとも相違する。しかしこの和歌は恋の部に入れられており、詞書にも「経年恋」とあることから、「こゐ」が恋であるとする引き当てが可能であった。「こひ」という表記が圧倒的に優勢な当時の状況で、その文脈から取り出してなんの断りもなしに「こゐ」とだけ書かれたのでは、恋という意味には理解されなかったのであり、「こゐ」を恋とするのはごく特殊な例だったとみてよい。
- ^ 以上のことは平仮名における事情であって、当時の片仮名の場合には平仮名と比べて仮名遣いにかなりの変則が見られる。しかしこれは片仮名がその当初より、仏典に記された漢字の意味や読み方を備忘として記すために生れ、使われていたことによる。たとえば「恋」という漢字の読みが「コイ」などと書かれていたとしても、「恋」という漢字の意味をあらかじめ知っていれば、その「コイ」がどういう意味なのか理解できる。漢字の意味や読み方を示すためという目的から、その仮名遣いのありかたは平仮名と比べてゆるやかであった。
- ^ なお、同一の音素ではあってもその環境によってさまざまな異音を生じるのは当然のことであるが、文字論の範疇を外れるのでここではふれない。各行の項目(あ行、か行、さ行、た行、な行、は行、ま行、や行、ら行、わ行)などを随意参照されたい。
- ^ この名称は日本統治時代に客家が「広東人」と称されたことによるものであり、現代一般に広東語と称される粤語系の広州語および香港語とは無関係。
出典
仮名文字
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日本統治時代には台湾総督府によって台湾客家語の発音を片仮名(広東語仮名)で付記することが試みられた。しかしながら同様に片仮名を用いた台湾語の発音表記法である台湾語仮名と異なり、あまり広くは普及しなかった。
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仮名文字
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「文字体系別の言語の一覧」の記事における「仮名文字」の解説
日本語(漢字と併用)琉球語(琉球方言)(漢字と併用) アイヌ語(カタカナを基に作られたアイヌ語仮名を使用。ラテン文字による表記も存在する) 台湾語(日本統治時代に台湾語の発音をカタカナを基に作られた台湾語仮名で付記することが試みられた)
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仮名文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 19:39 UTC 版)
初期の活版印刷では、捨て仮名を丸囲み文字にすることで区別していた。 渡辺和博の『金魂巻』で、「丸金」(㊎、金持ち)と共に「丸ビ」(ビ⃝、貧乏)が使われた。 小説の『今日から㋮王(まおう)!』から始まる『㋮(まるマ)シリーズ』には、㋮(丸囲みマ)が使われる。 ニコラ誌のファッションモデルをニコ㋲(ニコモ)と呼び、㋲(丸囲みモ)が使われる。 国税局査察部を㋚(丸囲みサ)と書いていたことから「マルサ」と呼ばれるようになり、これが伊丹十三の『マルサの女』で用いられたことから有名になった。 サービス料の意味で囲みサ (🈂︎) が使われており、絵文字版 (🈂️) も存在する。 携帯電話では「囲みココ」 (🈁︎) が使われていた。絵文字版 (🈁️) も存在する。 四式肉薄攻撃艇 (マルニ、マルレ) 切符では、無人駅等で発行されたものに丸ムの印が付く。 2日以上に跨る列車運用でダイヤ上の日付が切り替わる際、時刻表に㋵と記載される。転じて夜間停泊を行う場合にも㋵と呼ぶ場合がある。
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「仮名 (文字)」の例文・使い方・用例・文例
- 月曜日から2 週間かけて、当社の練り歯磨きの新ブランド、仮名称Glow Whiteの製品テストを行います。
- 彼はいま平仮名に大変興味を持っているところです。
- 仮名文字はたくさんの種類がありました。
- この仮名遣いは間違っている.
- 漢字に仮名を振る
- 仮名を付ける
- 仮名違い
- 仮名で書く
- 仮名遣い
- 仮名交じり文
- 仮名を頼りに新聞を読む
- ある特殊の社会的役割を行う時に使用される仮名
- 俳優の仮名
- 異体仮名という,標準と異なった字体の仮名
- 平仮名という文字
- 平仮名で書かれた,いという文字
- 漢字の読み方を明らかにするため,漢字のあとにつける仮名
- 漢字を借りて書かれた仮名文字
仮名_(文字)と同じ種類の言葉
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