へ
1 五十音図ハ行の第4音。咽頭の無声摩擦子音[h]と母音[e]とから成る音節。[he]
2 平仮名「へ」、片仮名「ヘ」は、ともに「部」の旁(つくり)「阝」の草体から。
[補説] (1) 「へ」は、古くは両唇の無声摩擦子音[Φ]と母音[e]とから成る音節[Φe]であり、さらに奈良時代以前には[pe]であったかともいわれる。室町時代末までは[Φe]であったが、江戸時代に入り、[he]となった。(2) 「へ」は、平安時代半ば以後、語中語尾では一般に[we][je]と混同し、室町時代末には[je]と発音されたが、のちさらに[e]と発音されるようになった。これらは歴史的仮名遣いでは「へ」と書くが、現代仮名遣いでは、助詞「へ」以外はすべて「え」と書く。
へ
へ
1 動作・作用の移動・進行する目標地点・方向を表す。…の方向に向かって。…の方へ。「西—向かう」
2 動作・作用の行われる場所・帰着点を表す。…に。「庭—物を捨てるな」「父も母も留守のところ—訪ねてきた」
3 動作・作用の向けられる相手・対象を表す。…に対して。…に。「父—送った手紙」「お母さん—よろしくお伝えください」
「われらが主の太政入道殿—、いかで参らであるべき」〈平家・二〉
[補説] 「あたり」の意を表す名詞「辺(へ)」から転じたもの。本来は「に」が場所や動作・作用の帰着点を静止的に指示するのに対し、「へ」は、動作・作用の向かう目標を移動的に指示する傾向が強い。しかし、平安時代末ごろから、2・3の用法が生まれ、「に」との境界がしだいにあいまいになる。
へ【ヘ】
へ【▽上】
へ【▽家】
へ【×屁】
へ【▽戸】
へ【×瓮】
へ【×竈】
へ【×舳】
へ【▽辺/▽方】
経、綜
綜へ
(へ)
大阪弁 | 訳語 | 解説 |
---|---|---|
(へ) | へ、に for |
動作や働きかけが向けられる方向や場所、相手などを表す。「経る」に由来。もちろん、「へ」と書いて「エ」と発音するが、「イ」とも。そこの辻で左へ曲がってや、学校へ行く、読み終わったらこっちゃの棚へ置いといて、生き別れの息子へ手紙を書く、など。近畿、山陽、四国、豊前、肥前、北陸、東山、東海、関東などでの言い方だが、さらに省略されることが多い。東九州や南関東などでは「に」、北関東、奥羽では「さ」、八丈島で「しゃん」、九州で「さん」「さい」「さね」など、江戸では上方色の強い「へ」を使っていたが、東京では九州色の強い「に」を使うようになった。琉球では「んかい」「かち」などと言う。 |
へ?
へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/08 13:27 UTC 版)
平仮名 | |
---|---|
文字 |
へ
|
字源 | 部の草書体 |
JIS X 0213 | 1-4-56 |
Unicode | U+3078 |
片仮名 | |
文字 |
ヘ
|
字源 | 部の旁 |
JIS X 0213 | 1-5-56 |
Unicode | U+30D8 |
言語 | |
言語 | ja, ain |
ローマ字 | |
ヘボン式 | HE |
訓令式 | HE |
JIS X 4063 | he |
アイヌ語 | HE |
発音 | |
IPA | he̞ |
種別 | |
音 | 清音 |
かな | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
仮名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
濁点つき
半濁点つき
|
へ(ひらがな)、ヘ(カタカナ)は、日本語の音節の一つであり、仮名の一つである。1モーラを形成する。五十音図において第6行第4段(は行え段)に位置する。清音の他、濁音(べ、ベ)と半濁音(ぺ、ペ)を持つ。
概要


- 現代標準語の音韻: 1子音と1母音「え」からなる音。子音は、次の通り。
- 五十音順: 第29音目。
- いろは順: 第6位。「ほ」の次。「と」の前。
- 平仮名「へ」の字形: 「部」の旁の草体
- 片仮名「ヘ」の字形: 「部」の旁の草体の変形
- 変体仮名「𛂶」(遍) 他にも「弊」( 𛂴、𛂵)「邊」( 𛂷、𛂸)「変」「幣」などからなるものがある。また、「部」の偏にあたる「咅」からなるものもある。
- ローマ字
- 点字:
- 通話表: 「平和のヘ」
- モールス信号: ・
- 手旗信号:4
へ に関わる諸事項
- 50音で唯一、平仮名・片仮名の字形が同形となっている。平仮名・片仮名とも、「部」の旁の「阝」(おおざと)を変形させた物である。曲がり方の角度を若干変えてあるか、曲がった後少し曲げるかで平仮名・片仮名の違いを付けているが、それでも字形の変化はほとんど見られない。
- また、平仮名では「へ」は唯一、元となった漢字の一部から造られている。他の字体は元となった漢字全体の草書体から造られている。
- 音楽の音名で、「ファ」の音 (F) を表す。→ヘ (音名)
- 音が「屁」に通じるので、以下のように使用されない場合がある。
- 現代の日本語では「へ」で終わる単語はごくわずかであり、広辞苑第5版対応の「逆引き広辞苑」によると、「脚辺」(あとへ)のみである。もっとも、一戸、二戸など、岩手県・青森県に存在するn戸(nは一〜九の漢数字。ただし、四は現行地名に無い)という地名は、すべて「へ」で終わる。
- 女性層を中心に、手紙の宛名書きなどで「へ」に「〃」を書き足す言葉遊びがある[1]。「〃」は本数を変えたり、ハートマークに置き換えたりすることもある[1]。私信で行われるものであり正確な起源は不明だが、1960年頃には既に地方(新潟)の女学校でも流行していたとの証言がある[2]。成立には複合的な要因が考えられるが、その一つに「補空」や「捨て点」などと呼ばれる書道の習慣が挙げられる[2]。同種の言葉遊びとして、「様」に「〃」を書き足すものや、台湾において「收」(日本語の「へ」と同様、宛名書きに使用される漢字)に「〃」を書き足すものがある[3]。
- 日本のお笑いタレント・春日俊彰(オードリー)の持ちギャグの一つに、少しうつむき加減になって、上目遣いで不敵な笑みを浮かべながら客に向かって「ヘッ!」と言うものがある[4]。
脚注
- ^ a b 笹原宏之 (2009年12月24日). “第54回 「サンタさんへ」:「へ」に点々?|漢字の現在”. 三省堂WORD-WISE WEB. 三省堂. 2022年6月13日閲覧。
- ^ a b 笹原宏之 (2010年1月21日). “第56回 「点々」のもつ意味|漢字の現在”. 三省堂WORD-WISE WEB. 三省堂. 2022年6月13日閲覧。
- ^ 笹原宏之 (2010年1月7日). “第55回 年賀状の「様」にも点々?|漢字の現在”. 三省堂WORD-WISE WEB. 三省堂. 2022年6月13日閲覧。
- ^ “【どっちが勝ち組でショー】オードリーVSはんにゃ。危険なキャラ対決!”. Techinsight. (2009年3月8日). オリジナルの2009年4月20日時点におけるアーカイブ。 2022年2月14日閲覧。
関連項目
へ
屁
「へ」の例文・使い方・用例・文例
- 岸へ
- あばら屋へようこそ
- この橋から上流へ3キロのところに村がある
- 外国へ行く
- ゲームへの熱中
- 落石で村へ通じる唯一の道が通れなくなった
- 彼はしきりに外国へ行きたがっている
- 居間の方へ移りましょう
- 当学校への入学は男子にのみ許可されます
- クラブへの入会を許可される
- 今年あの学校へ入学した生徒は何人ですか
- …への入場を許可する
- 兵士は町へ向かって前進した
- 敵地へ進攻する
- あまり遠くへ行かないでね
- 7月20日の午後にニューヨークへ立ちます
- 「今晩泊まる場所がない」「わかったよ,僕の家へ来いよ」
- 彼女のことばは要するに私への非難なのであった
- それからわれわれは別の議題へと移った
- 私たちは町から町へと旅をした
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