広辞苑
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『広辞苑』(こうじえん)は、岩波書店が発行する中型の日本語国語辞典[注 1]。編者は新村出であり、第一版は1955年に刊行された。最新の第七版は2018年に刊行され、約25万語を収録する。百科事典の役割を兼ね備え、図版は3000点を超える。中型国語辞典として三省堂の『大辞林』と双璧をなし、情報機器に電子辞書の形で提供されることも多い。
注釈
- ^ 「大型の国語辞典である」とされることが多々あるが、日本で該当する大型国語辞典は、小学館が発行する『日本国語大辞典』のみである[1][2]。
- ^ 同様の事例で、以前から存在する語句でありながら、法律の成立・施行により語彙を改められた「少子」などがある。
- ^ ただし、1954年(昭和29年)初公開の「ゴジラ」は第五版で既に追加されている。第六版では1983年(昭和58年)放送の「おしん」なども追加された[16]。
- ^ 「上高森遺跡」の捏造が発覚したため削除された例など。
- ^ 学研「新世紀ビジュアル百科辞典」は辞典と名乗るが、存命の人名も掲載している。
- ^ 【ん坊】[接尾](多くの動詞の連用形に付く)そういう性質・特色をもつ人や事物。「んぼ」とも。「暴れ−」「食いし−」「赤−」「さくら−」
- ^ このことを渡部昇一は「非常に慎重に書いているように見えるのだが、最も重要な事実を書いていない」と指摘する[26]。
- ^ 水野によると、「韓人」(初版)が「韓国人安重根」(第二版)となり、第三版では「独立運動家」という肩書が付いて、第四版で「安重根」という独立項目となったという[27]。一方で、伊藤博文は「維新の功臣」が第五版から削除されている[27]。井上寶護はこれを受けて、この他にも数項目を引用した上で、『広辞苑』を「要するに一事が萬事、祖国の来歴になるべく冷たい視線を向け、先人同胞の行為を悪意の偏見をもつて断罪し、己のみ道徳的高みに立ちたい変態心理に支配された人々によつて作り上げられた「欠陥辞書」なのである」と切言する[28]。
- ^ この手段については「恥知らず[50]」や「政府の見解より劣悪な説明表記をしている[51]」などの意見がある一方で、「他の出版社でも似た記述はあるので、岩波書店が特に悪質なわけではないが、やはり権威ある辞書の性質上、きちんと反映した内容の記述をしていただきたい[52]」や「台湾の独立を承認すべきかどうかという議論とは全くの別問題[44]」といったものもある。
- ^ ただし「電子広辞苑 誕生物語 (吉田安孝/坪倉 孝) 」によれば、富士通のワープロ「オアシス 100GX」専用であった。
出典
- ^ “第1回 はじめに | 『日本国語大辞典』をよむ(今野 真二) | 三省堂 ことばのコラム”. 三省堂WORD-WISE WEB -Dictionaries & Beyond-. 三省堂 (2017年2月12日). 2022年8月2日閲覧。
- ^ 今野真二 2018, pp. 22–23.
- ^ 岡茂雄 1974.
- ^ “逆引き広辞苑 第五版対応”. 岩波書店. 2010年12月22日閲覧。
- ^ 岩波書店、『広辞苑第7版』来年1月12日に発売へ、文化通信、2017年10月25日。
- ^ a b c 広辞苑10年ぶり改訂 【LGBT】【ブラック企業】【がっつり】…など1万項目、『東京新聞』朝刊、2017年10月25日。
- ^ a b c d 「広辞苑 販促の妙 駅に全長14メートルポスター ユニクロとコラボ」『日経産業新聞』2009年6月18日付、7頁。
- ^ 「広辞苑」全23万語がポスターに-渋谷駅にユニーク広告、シブヤ経済新聞、2007年12月28日。
- ^ ユニクロが、『広辞苑』の面白さをTシャツに表現した『広辞苑』Tシャツをデザインしました、ユニクロ、2007年10月23日。
- ^ 『広辞苑 第七版』 - 岩波書店
- ^ 『広辞苑 第七版』特設サイトオープン - 岩波書店
- ^ 『広辞苑第七版』2018年1月12日発売(@Kojien7)さん (@Kojien7) - Twitter
- ^ 井上ひさし 1995, pp. 129–141(初出は井上ひさし 1988)
- ^ “国語辞典に載ることば”. ことばおじさんの気になることば. NHK (2010年11月24日). 2010年12月22日閲覧。
- ^ “第30回 [前編]『広辞苑』とデジタル辞書 〜第六版刊行の舞台裏” (日本語), 連載Front Edge (KDDI), (2008-05-28), オリジナルの2008年10月14日時点におけるアーカイブ。 2011年10月27日閲覧。
- ^ “あの『広辞苑 第六版』はこうして作られた! 後編”. - Just MyShop -. ジャストシステム (2008年). 2011年11月4日閲覧。
- ^ “2020年代に入っても、古文から現代文に至るまでの出典を明示している。”. kojien.iwanami.co.jp. 岩波書店. 2023年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月26日閲覧。
- ^ 「広辞苑」第7版を引いてみた」
- ^ 広辞苑、こんなとこも変わってた 校閲記者の視点でチェックしました
- ^ 谷沢永一 & 渡部昇一 2001, p. 16.
- ^ 水野靖夫 2013, pp. 306–308.
- ^ 水野靖夫 2014, pp. 315–316.
- ^ 水野靖夫 2018, p. 307.
- ^ 新井佐和子 1998, pp. 48–49.
- ^ 谷沢永一 & 渡部昇一 2001, p. 210.
- ^ 渡部昇一 2008, pp. 90–91.
- ^ a b 水野靖夫 2013, pp. 45–46.
- ^ 井上寶護 2014, p. 37.
- ^ 水野靖夫 2013, pp. 85–86.
- ^ 広辞苑 誤記60年 那智黒石三重産を「和歌山産」に 『東京新聞』2013年8月27日
- ^ 『『広辞苑』「那智黒」の項目に関する一連の報道について――』(プレスリリース)岩波書店、2013年8月30日 。2022年1月22日閲覧。
- ^ 岩波書店 「『広辞苑第六版』お詫びと訂正」
- ^ 「広辞苑の「横隔膜ヘルニア」の項目に記述ミス―長井の男性が指摘、第2刷から訂正へ」『山形新聞』2008年1月31日
- ^ 広辞苑に書かれた「フェミニズム」を変えてほしい。 彼女たちが立ち上がった理由
- ^ 岩波・広辞苑の「フェミニズム」「フェミニスト」の説明文が変わります
- ^ 新広辞苑、誤り相次ぎ指摘=修正、ネットに追い付かず:時事ドットコム[リンク切れ]
- ^ a b “「広辞苑」新版またもや誤りが指摘 ネットでは「ちゃんとウィキペディアで確認した?」”. J-CAST ニュース (2018年1月19日). 2020年5月6日閲覧。
- ^ “「LGBT」の説明、修正検討 岩波書店の広辞苑第7版”. 『産経新聞』. (2018年1月15日) 2019年3月7日閲覧。
- ^ 遠藤まめた 2018, p. 243.
- ^ “広辞苑、「しまなみ海道」説明に誤り 経由地の島名を取り違え 改訂の追加項目”. 『産経新聞』. (2018年1月18日) 2019年3月7日閲覧。
- ^ 古川順弘 2018, pp. 110–111.
- ^ 「【坊守】「夫も務めます」/北方の男性 広辞苑に訂正要求」『中日新聞』朝刊、2018年1月20日、32面
- ^ “「広辞苑」に相次ぐミス指摘 “国民的辞書”揺らぐ信頼”. 『産経新聞』. (2018年1月26日) 2019年3月7日閲覧。
- ^ a b 飯間浩明 2018, p. 229.
- ^ 『岩波書店「広辞苑」の台湾に関わる誤記に関して』(プレスリリース)台北駐日経済文化代表処、2017年12月13日 。2022年1月22日閲覧。
- ^ “台湾側、「広辞苑」の修正要求 「中華人民共和国の省」との記載「誤り」”. 『産経新聞』. (2017年12月16日) 2019年3月4日閲覧。
- ^ “「台湾省」記載で対立 台湾「修正を」/中国「領土の一部だ」 最新版でも現状のまま”. 『毎日新聞』東京夕刊. (2017年12月21日) 2019年3月4日閲覧。
- ^ 『読者の皆様へ――『広辞苑 第六版』「台湾」に関連する項目の記述について』(プレスリリース)岩波書店、2017年12月22日 。2022年1月22日閲覧。
- ^ “岩波書店、広辞苑の台湾表記「誤りではない」 台湾側は「遺憾」表明”. 『産経新聞』. (2017年12月23日) 2019年3月4日閲覧。
- ^ 大澤正道 2018, p. 79.
- ^ 石平 2018, p. 190.
- ^ 柚原正敬 2018, p. 197.
- ^ “国語辞典の差、韓日の知力差”. 朝鮮日報 (2018年4月8日). 2018年4月7日閲覧。
- ^ “「広辞苑」売り上げ好調 東大・京大でもベスト10入り”. J-cast News (2009年3月31日). 2018年4月7日閲覧。
広辞苑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 10:13 UTC 版)
岩波書店の広辞苑には、4版(1991年)から「朝鮮人強制連行」として登場する。6版(2008年)からは「強制連行」の言葉が、「強制的に連れて行くこと」という解説と共に追加された。例として「朝鮮人強制連行」が挙げられている。 【朝鮮人強制連行】(4版1991年1月)日中戦争・太平洋戦争期に百万人を超える朝鮮人を内地・樺太(サハリン)・沖縄などに強制的に連行し労務者や軍夫などとして強制就労させたこと。女性の一部は日本軍の従軍慰安婦とされた。 (5版1998年11月)日中戦争・太平洋戦争期に百万人を超える朝鮮人を内地・樺太(サハリン)・沖縄・東南アジアなどに強制的に連行し、労務者や軍夫などとして強制就労させたこと。女性の一部は日本軍の従軍慰安婦とされた。 (6版2008年1月)日中戦争・太平洋戦争期に100万人を超える朝鮮人を内地・樺太(サハリン)・沖縄・東南アジアなどに強制的に連行し、労務者や軍夫などとして強制就労させたこと。女性の一部は日本軍の慰安婦とされた。 (7版2018年1月)日中戦争・太平洋戦争期に多数の朝鮮人を日本内地・樺太(サハリン)・沖縄・東南アジアなどに連行し、工場・鉱山の労務者や戦地の軍夫・慰安婦などとして強制就労・服務させたこと。労務者だけで約七〇万人に達した。
※この「広辞苑」の解説は、「強制連行」の解説の一部です。
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2005年6月には、『広辞苑』第五版の「別府」の項目に旧名の別府十湯の名が掲載されていたため、別府観光協会が事実誤認であるとして広辞苑側に抗議を行った。2008年1月に発行された『広辞苑』第六版では、「別府」の項目から別府十湯という記載が削除されている。ただし、別府八湯についての記載は加えられていない。
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