発酵とは? わかりやすく解説

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はっ‐こう〔‐カウ〕【発酵/×醗酵】


発酵


発酵 [Fermentation]

 発酵は一般にはおもにアルコール飲料味噌醤油味醂(みりん)、乳製品などの食品酢酸酪酸乳酸などの薬品製造利用されているのでよく知られているが、その基本的な原理L.パスツール(フランス)によって明らかにされた。生化学的に酸素がない条件(嫌気条件)下で、微生物あるいは動物筋肉などで行われるエネルギーを得る手段で、グルコースなどの糖類分解して最終的には炭酸ガスアルコールをはじめ種々の有機化合物(ケトン有機酸など)を生成する過程を発酵とよんでいる。その過程得られるエネルギーATP(アデノシン・三リン酸)へ蓄積するしたがって、発酵の過程生化学では解糖(glycolysis)とよばれ、呼吸作用光合成作用並んで特定の生物にとってはその生命を維持するための最も基本的重要な過程であるといえる
発酵を行って生育する微生物酵母麹かびをはじめ種々の真菌乳酸菌枯草菌など多くの従属栄養性細菌である。細菌の中で自然界優勢に生息している通性嫌気性菌通常酸素ほとんどない腸内土壌水底土などに生息しており、酸素がない状態では発酵を行って増殖するが、酸素供給する好気呼吸行って、発酵の場合より盛んに増殖することができる。また、偏性嫌気性菌の中でボツリヌス菌破傷風菌ウェルシュ菌などのクロストリジウム属細菌もっぱら発酵を行って生育する人間古くからこのような発酵という自然の現象経験的に利用して種々の食品作ってきたのである。なお、高等動物筋肉内では運動によって発酵が進んで乳酸蓄積される

発酵(はっこう)

呼吸と同様に、微生物エネルギー獲得一手段である。呼吸のように基質炭酸ガスにまで完全に酸化せず、最終産物として、アルコール有機酸など有用な物質をつくる。

発酵(はっこう)

酵母ブドウ糖アルコールにかえるように、微生物がある物質他の有用物質にかえることを発酵という。ここで生成した物質人間にとって好ましくない場合には腐敗という。たとえば酢酸菌が酒に生え、酒が酢っぱくなるときにはこれを酢酸敗といい、一方、同じ現象食酢製造立場からいえば酢酸発酵という。酵母酸素充分供給されるブドウ糖炭酸ガスにまで分解してしまうが、酸素制限されるアルコールをつくるようになるので、アルコール発酵酵母にとって酸素のない状態で呼吸であるともいわれる酒類醸造は、酵母生理作用巧みにアルコール発酵として利用したものであり、発酵法によって次の三つ大別される(一)並行複発酵穀類イモ類のようなデンプン質原料から酒類をつくる場合は、まず原料中のデンプンを麹(こうじ)や麦芽糖化酵素作用糖分にかえ、ついでその糖分酵母の発酵酵素作用アルコールにかえる新つの工程必要である本格焼酎清酒などはこの二工程を一つ容器内で並行して行う。(二)単行複発酵-穀類原料とした焼酎甲類ビールなどは前記二つ行程を別々の容器内で行う。(三)単発酵-果実糖蜜とうみつのような糖質原料からつくられるものは酵母による発酵工程のみでよく、この種の酒にはワインラムなどがある。

発酵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 08:50 UTC 版)

発酵(はっこう、醱酵とも表記[1]: fermentation


  1. ^ 戦前から「發酵」表記は併存していた。福澤諭吉「福澤全集 巻四」時事新報社 (1898) p.159 福澤諭吉著作一覧 - 全集・選集、『大辭典 第二十巻』平凡社 (1936) p.593
  2. ^ それゆえ有益でないものを生成する過程である腐敗とは区別される
  3. ^ お茶の種類・成分・表示について。公益社団法人静岡県茶業会議所
  4. ^ ただしプーアル茶などの後発酵茶を作る際の「発酵」はカビやバクテリアに2.の意味の発酵を行わせる過程である
  5. ^ 河野一世「日本食からみる発酵食品の多様性と日本人の健康 : 肥満を中心に」『日本調理科学会誌』第43巻、日本調理科学会、2010年、 75-79頁、 doi:10.11402/cookeryscience.43.131ISSN 1341-1535
  6. ^ Fermented Fruits and Vegetables - A Global SO Perspective”. United Nations FAO (1998年). 2007年6月10日閲覧。
  7. ^ Ohio State University (1998年4月3日). “Glycolysis and Fermentation”. 2010年1月12日閲覧。
  8. ^ Campbell, Neil; Reece, Jane (2005). Biology, 7th Edition. Benjamin Cummings. ISBN 0-8053-7146-X 
  9. ^ 醸造の知識あれこれ”. 醸造学講座. 秋田県立大学. 2018年3月23日閲覧。


「発酵」の続きの解説一覧

発酵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/17 19:20 UTC 版)

土壌呼吸」の記事における「発酵」の解説

発酵において、その出発物質最終産物さまざまであり、二酸化炭素のほかは最終産物様々である一般に発酵過程酸素分子使用されないよく知られているのは、エタノール乳酸いずれか産物とするアルコール発酵である。アルコール発酵嫌気呼吸である。泥炭沼や湿地といった水没環境において、土壌呼吸多く占めると考えられている。ただし、最も大きな割合占めるのは植物の根による細胞呼吸である。

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発酵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:05 UTC 版)

代謝」の記事における「発酵」の解説

発酵は、基質レベルのリン酸化によるATP生成を行うが、電子伝達系通らずエネルギー効率としてはきわめて低い。しかしながら機構単純さ酸素要らないなどの理由から多くの微生物にてよく見られる。なお無酸素運動における筋肉でも解糖系乳酸発酵へと転じている(筋肉痛)。 電子供与体および電子受容体はともに有機物であり、電子供与体となる還元物質には通常、糖が使用されるしかしながら微生物ある種有機酸酢酸乳酸など)、アミノ酸ヌクレオチドなどを基質発酵する能力有する基質レベルのリン酸化によるATP生成の式は以下の通りである。 グルコース + ADP + Pi + NAD+ピルビン酸 + ATP + NADH しかしながら生じた還元ピリジンヌクレオチド (NADH) は生物にとっては有害なピルビン酸異化反応使用される(以下乳酸発酵の例)。 ピルビン酸 + NADH乳酸 + NAD+ 微生物の行う発酵の電子受容体産物)としては、乳酸エタノールをはじめブタノール酪酸イソプロパノール酢酸プロピオン酸ギ酸アセトンなどがある。 詳しくは発酵を参照

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発酵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 01:01 UTC 版)

ビール」の記事における「発酵」の解説

空気通され発酵槽中の麦汁には酵母添加される酵母出芽開始すると発酵が始まる。発酵熱の発生により液温が上昇するので、冷却により発温度コントロールする必要がある。発酵に必要な時間は酵母種類ビール濃さによって変わる。発酵前の麦汁pH 5.2 〜5.8だが、発酵後に4.0 〜4.6に低下する。発酵が終了した液を若ビールと呼ぶアルコール発酵に加え麦汁内の微粒子沈降するため一度発酵の終了したビール清澄する。 発酵は一次発酵主発酵)と二次発酵熟成)の二段階で行われることがあるアルコール類はほとんど一次発酵生成される。その発酵液は新し容器移され熟成される。熟成パッケージングまでに時間を置く必要がある場合さらなる清澄化必要な場合に行う。若ビールにはジアセチル前駆体アセトアルデヒド硫化水素などの未熟成物質が含まれる熟成過程では残存物質のさらなる発酵が進みこれらの物質分解され、発酵によって発生する炭酸ガスによって液外に運び出される混濁原因となるタンパク質は、温度+1〜-1 程度下げることにより析出し一部酵母とともに沈降する熟成終了したビール濾過され、またシリカゲルによってタンパク質吸着させて製品工程送られる熟成後に酵母活動抑えるため、60前後加熱する低温殺菌が行われる。この熱処理行わず特殊な濾過装置酵母取り除くビールいわゆる生ビールである。ただしこの呼称日本の基準よるものであり、国によって基準異なる。また酵母完全に取り除かないビールもある。

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発酵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 06:55 UTC 版)

馬乳酒」の記事における「発酵」の解説

1日6~7回に分けて採取した馬乳酒母スターター)を加えひたすら攪拌する数千回、時には1万回もかきまぜ一晩置くと出来上がるとも言われるが、「原料乳の量」「スターター添加量」「気温」などで異なる。2日から3日この作業繰り返すとより美味しいものが出来る。この時容器木桶陶製の瓶、牛の皮や胃で出来たフフルという袋が良いとされるが、昨今ではポリ容器などで作る家庭も多い。フフルを容器にする作り方は袋を力強く押し潰撹拌させる。ポリ容器ではこの方法が取れないため、激しくシェイクさせる作り方を行う。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}この調理容器世代交代は発酵に与る菌種交代を招く可能性指摘されている[要出典]。

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発酵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 05:07 UTC 版)

食料保存」の記事における「発酵」の解説

腐敗させる微生物より、食べて大丈夫な微生物優勢な環境におくことで旨味増やし長期保存を可能とした。例:チーズ味噌甘酒など

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発酵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 03:30 UTC 版)

紅茶」の記事における「発酵」の解説

茶葉中に含まれる酸化酵素作用利用してカテキン類酸化発酵させる。実際には気温25湿度95%の部屋2時間程度静置するこの際茶葉褐色変化する

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発酵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 04:38 UTC 版)

スコッチ・ウイスキー」の記事における「発酵」の解説

前述のように、1、2回目仕込み得られ麦汁は発酵(ファーメンテーション)の工程かけられる。発酵とは麦汁酵母加え濃度7%前後エタノールを含む発酵もろみ(ウォッシュ)を作り出すことをいう。ウイスキー製造適した酵母数百種あるといわれ、一度に200kg近い量が使用される。発酵の工程要する時間48時間ないし70時間で、時間長いほど発酵もろみの酸味強くなる糖化工程得られ麦汁は、まず熱交換機(ヒートエクスチェンジャー、ワーツクーラー)を用いて20ほどに冷却される次にウォッシュバック(発酵槽)と呼ばれる容量9000リットルないし45000リットル容器移され酵母加えられる酵母活動するのは1日から2日ほどの間である。伝統的な酵母エールビール醸造使用されるエール酵母(ブリュワーズイースト)であるが、21世紀初頭においてはウイスキー醸造向けに開発され酵母ウイスキー酵母、ディスティラーズ・イースト)の使用盛んで、さらに乾燥イースト液状イースト使用増えつつある。酵母エタノール以外にも様々なアルコール酢酸エステルエチルエステルなどのエステルさらにはグリセロール生成するエステル香りに、グリセロールは味に影響を与える2種類酵母添加して発酵を行うことを混合発酵という。ウイスキー酵母エール酵母使って混合発酵を行った場合香味について相乗効果得られることが判明している。エール酵母単独で添加した場合には発酵終了直後に死滅するが、ウイスキー酵母混合して添加した場合生存期間長くなり、そのことによって香味良化する。 前述のように麦汁に加え酵母活動するのは1日から2日ほどの間であるが、酵母入れ替わるように活動を開始するのが乳酸菌である。つまり発酵の工程においては前期酵母が、後期乳酸菌活発に活動するのである古賀邦正は「ウイスキー造りにおける発酵とは、酵母乳酸菌という微生物コンビが、香味豊かな発酵もろみをつくりあげている世界なのだ」と評している。乳酸菌乳酸エステルフェノール生成する。発酵にかける時間長いほど発酵もろみの酸味が増すのは、酵母による発酵が不可能な非発酵性糖をもとに乳酸菌乳酸生成するめである。ウォッシュバックは木(具体的に南北アメリカ産、シベリア産のマツなど)製のものとステンレス製のものとに大別することができるが、木製のウォッシュバックでは乳酸菌活動しやすい傾向にある(ただし木製のウォッシュバックには温度管理清掃しにくいという欠点もある)。木製からステンレス製への転換図ったものの、風味違いが出ることから断念したケースもある。

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発酵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 14:18 UTC 版)

食肉」の記事における「発酵」の解説

主として乳酸発酵を行うことで、乳酸酸性として雑菌繁殖抑制するとともに独特の発酵香気付与して風味向上させる主として発酵ソーセージにおいて行われる

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