バイオマスエタノール
英語:Biomass Ethanol、Bioethanol
バイオマス(生物資源)から得られるバイオマス燃料のうち、特にエタノールとして生成される燃料のこと。
バイオマスエタノールは燃焼によって二酸化炭素と水に分離される。ガソリンなどの液体化石燃料をバイオマスエタノールで代替できれば、二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーの実現が可能になるとされており、バイオマス燃料の中でも特に研究が進んでいる。
バイオマスエタノールの原料としてはサトウキビやトウモロコシ、イモ類などが主に利用されている。これらを発酵・蒸留させることでエタノールを生成させる。炭水化物を含む資源であればバイオマスエタノールの精製は可能であり、廃材木や残飯などからも精製できる。
バイオマスエタノールを含むバイオ燃料は、太陽光発電などと共に次世代エネルギーとして研究・開発が進められている。
関連サイト:
バイオマスエタノールの製造等(PDFファイル) - 沖縄県
独立行政法人産業技術総合研究所 バイオマス研究センター
バイオマスエタノール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/12 06:07 UTC 版)
バイオマスエタノール (Biomass Ethanol)、またはバイオエタノール (Bioethanol) は、産業資源としてのバイオマスから生成されるエタノールを指す。一般には内燃機関の燃料としての利用を意識した用語である。微細藻類の炭化水素生合成[1]は本稿では扱わない。
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バイオマスエタノール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 09:13 UTC 版)
近年では[いつ?]、砂糖製造の際に残る廃糖蜜を発酵させ、バイオマスエタノールといわれるアルコール類を製造するのに利用している[誰が?]。これによって得られたアルコールが、アルコール内燃機関や燃料電池の燃料として利用できることから、未来のエネルギー源としても期待が寄せられている。なお、最近では[いつ?]廃糖蜜のみならず、植物に豊富に含まれるセルロースを分解して糖を抽出、さらにその糖を発酵させてアルコール生産する研究も進められている[誰によって?]。
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バイオマスエタノール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 08:55 UTC 版)
詳細は「バイオマスエタノール」および「アルコール燃料」を参照 ガソリンの代わりに、トウモロコシやサトウキビと言った安い穀物を発酵・濾過してアルコール(エタノール)を作り出し、乗用車・小型商用車用のガソリンを代替するバイオマスアルコール燃料として利用する。 穀物・廃糖蜜をアルコール発酵させて醸造する在来法と、食料にならない廃材/乾燥地生育植物であるサボテン・牧草・藁・トウモロコシ茎・間伐材のセルロースを熱や真菌で分解してからコリノ菌・酵母で醸造する第二世代セルロースエタノールがある。従来法は既にトウモロコシ価格が120ドル/tから150ドル/tに大幅上昇するなど食料との競合問題がでているために、食料と競合しないセルロースエタノールの経済的生産法の開発が急がれている。最近RITEとHONDAが、セルロース法の大幅なコストダウンを可能とするRITE-HONDA法を開発し、出光興産と三菱商事が合弁で大型プラントを立ち上げる計画がある。 バイオマスアルコール燃料は、化石燃料であるガソリンより出力は劣るものの、向き不向きこそあれど、大抵の穀物は原料に出来るために原料を選ばないこと、安い穀物や、穀物の搾りかす(従来から産業廃棄物のことが多い)を使うことで、コストが抑えられること、硫黄酸化物や窒素酸化物の排出が極めて少ないこと、植物原料の燃料なので新たなCO2を作り出さないこと(カーボンニュートラル)などの長所がある。 アルコール燃料は、自動車の初期の時代から使われていた。第二次世界大戦末期、日本ではビール工場の全てを軍事用(飛行機・自動車用)として、アルコール燃料生産用に改造することに着手していたといわれる。石油が低価格で安定供給されるようになってからは注目されない燃料となっていた。しかし、1970年(昭和45年)のオイルショック以降、再びメタノールやエタノールといったアルコール燃料(バイオマス燃料)に注目が集まった。ブラジルでの実用化が有名だが、アメリカ合衆国でも、自動車燃料に10 %のアルコール燃料を含んでいるもの(E10 gas)が標準となっており、Gasohol (ガソホール/ガソール)と呼ばれることもある。 日本でも経済産業省が取り組みを始めた。2007年時点では、廃却処理に苦労しているサトウキビやサトウダイコンの搾りかす(バガス)を使ったプラントでの試験を行なう予定。そのほかでは、材木の廃材や雑草を原料とする方法など、できるだけ食料を使わない方向で研究が進められている。
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