いでんし‐くみかえ〔ヰデンシくみかへ〕【遺伝子組(み)換え】
遺伝子組み換え(いでんしくみかえ)
生物の形質を定める遺伝子は、DNA(デオキシリボ核酸)の配列によって決まる。遺伝子組み換えは、DNA の一部を他の DNA に置き換えることである。この技術により、これまで自然界には存在しなかった新たな形質をもつ生物をつくることがでくようになった。
遺伝子工学の基本的な技術である遺伝子組み換えは、1973年にスタンフォード大学のコーエンが初めて成功したことにさかのぼる。
有用な遺伝子を農作物に組み入れると、除草剤耐性や害虫・ウイルス耐性を向上させることが可能である。大豆やトウモロコシをはじめ、より日保ちするトマトなど、多くの農作物に遺伝子組み換え技術が実用化されている。
農林水産省は、遺伝子組み換え作物だけでなく、原料として遺伝子組み換え作物が含まれている製品にも、その旨を表示する義務を業者に求めている。豆腐やきな粉、コーンスナック菓子などの加工品が対象である。
遺伝子組み換えのように、人が自然界に手を加えることについて、生態系への影響や経口摂取した場合の人体への影響を心配する声もある。
(2000.06.14更新)
遺伝子組換え
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遺伝子組み換え
遺伝子組み換え
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 10:43 UTC 版)
1990年頃からキャベンディッシュに感染するフザリウム菌病(パナマ病)が世界中で流行し始め、この栽培バナナが絶滅しないかどうか危ぶまれている。そこで遺伝子組み換えによってバナナの新しい品種を作成する試みも行われている。栽培バナナは不稔で花粉や種子ができないため、導入された遺伝子が外界に広がって遺伝子汚染を引き起こす可能性は低く、遺伝子組み換え作物に適していると言われる。また、皮をむけば衛生的であり乳幼児でも摂食できるので、バナナ果肉中に抗原を生産させ、経口ワクチンとして利用するための開発が進められている。衛生環境が悪く、電力が不安定でワクチン保存環境も悪い所でも、現地において衛生的で再生産可能な経口ワクチンになるのではないかと期待されている。
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「遺伝子組み換え」の例文・使い方・用例・文例
- 遺伝子組み換えトウモロコシ
- 遺伝子組み換え綿は自ら殺虫成分を持つ。
- 遺伝子組み換え植物は遺伝子の中に導入遺伝子を持つ。
- あなたは遺伝子組み換えをどう思いますか。
- 遺伝子組み換え技術は食糧問題を解決する1つの方法。
- 遺伝子組み換えでより短いイネを開発
- 東京大学,理研(理化学研究所),その他機関の研究者のグループが,遺伝子組み換えによって,穂の数などの植物の他の性質を変えることなく,より短いイネを作ることに成功した。
- 農業生物資源研究所などの研究所がアレルギー症状を緩和することができる遺伝子組み換え米を共同開発している。
- 鹿(か)島(じま)建設はトマト工場や遺伝子組み換え植物工場など4つの植物工場を建設した。
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