害虫
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害虫(がいちゅう)とは、人間(ヒト)や家畜・ペット・農産物・財産などにとって有害な作用をもたらす虫。主に無脊椎動物でもある小動物、特に昆虫類などの節足動物類をいう。日本語では「おじゃま虫[1][2]」(おじゃまむし)とも呼ぶ。駆除には殺虫剤が使われる。
- ^ 「都市におけるおじゃま虫たちとの共存」『環動昆』10巻3号、日本環境動物昆虫学会、1999年、120-126頁。doi:10.11257/jjeez.10.120
- ^ 害虫学研究室、鹿児島大学 - 2023年7月13日閲覧。
- ^ “ミツバチのいる農園より”. 香取市 (2016年4月21日). 2017年7月11日閲覧。
- ^ “書籍の有害生物管理 -IPM(総合的有害生物管理)を中心に-” (PDF). 木川りか(東京文化財研究所保存科学部主任研究官). 2016年6月7日閲覧。
- ^ 街路樹の虫に恐々 苦情10年で倍増 仙台・泉区役所(リンク切れ)
害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 04:11 UTC 版)
日本全国、世界各国のどこにいても極めて一般的に見られる昆虫ではあるが、衛生害虫、農業害虫の双方の側面で害虫とみなされることが多い。 イエバエ科、クロバエ科、ニクバエ科などの一部の種は人の居住環境に棲むことで、衛生害虫化している。衛生害虫としてのハエの害は、大きく3つに大別される。 (1)汚物の散布, (2)病原体の間接的な媒介 ハエの成虫の多くはエネルギー源として花の蜜や果物、アブラムシの排泄物(甘露)などから糖分を摂取するが、卵巣や精巣の成熟のための蛋白源として種によって様々な食物を摂取する。蛋白源となる食物はヒトや家畜の体液(涙、唾液、傷口からの浸出液など)、死肉や動物の糞、腐敗植物質といった動植物の死骸、花粉などである。 衛生害虫としてのハエの害の1つ目と2つ目はこのハエの摂食習性に起因する。まず、動植物の死骸から好んで蛋白質を摂取するハエの場合、人間の糞便などの汚物または死骸と、肉や魚など食物の双方で摂食を行う場合があり、このときに病原性のある細菌、ウイルス、寄生虫卵などを体の表面を通じて、または食品上で消化管内容物を吐出したり糞便を排泄したりすることによって媒介することとなる。ヒトの居住空間に進出しているハエの一部には、イエバエのように積極的に人家に侵入する性質を持ったものがあり、こうしたハエは特に食物の病原体による汚染を引き起こす可能性が高い。 古くから、ポリオウイルス、赤痢菌、サルモネラ、赤痢アメーバ、回虫卵、鞭虫卵などがハエによって媒介されることが知られ、警戒されていたが、公衆衛生の向上によってこれらの病原体が少なくなった日本ではあまり危険視されなくなっていた。しかし、1990年代後半以降、病原性大腸菌(O157など)やトリインフルエンザウイルスといった感染症病原体がハエによって媒介されていることを強く示唆する研究結果が公表され、再びハエによる病原体媒介が着目されつつある。 (3)直接的な病原体の媒介 上記の病原体媒介は食物を通じた間接的なものであるが、ハエの食性によっては動物やヒトの個体の間で、病原体を直接媒介することが知られている。例えば、ヒトを含めた動物の涙から蛋白質を摂取する小型のハエをメマトイと呼ぶが、こうした食性のハエは目から目に直接寄生虫などの病原体を運ぶことも知られている。日本では線虫の一種、東洋眼虫が、雄がこの性質を示すショウジョウバエ科のマダラメマトイによって媒介されることが知られている。また、ハエの中には吸血性を持ち、健全な皮膚から血液を直接摂取して蛋白源とするものがあり、これも寄生虫などを媒介することがある。日本にもいるイエバエ科のサシバエ類による病原体媒介は、日本では知られていないが、アフリカのツェツェバエ類によって媒介されるトリパノソーマは、アフリカ諸国では深刻な問題となっている。 (4)寄生 こうした2通りの病原体の媒介以外に衛生学上、医学上重要なハエによる害として、蠅蛆症(ようそしょう)あるいはハエ症と呼ぶものがある。これはクロバエ科やニクバエ科といった肉食性のハエの幼虫が人体寄生を引き起こす疾患である。これは、死肉や糞便でも発生する種類のハエによる偶発性蠅蛆症と、脊椎動物専門寄生性のハエによる真性蠅蛆症の二つに分けられる。 偶発性蠅蛆症には、幼虫が傷口や皮膚潰瘍部に寄生する皮膚ハエ症、耳道に寄生する耳ハエ症、幼虫を食物とともに誤飲、あるいは肛門から幼虫が入り込むことによって消化管粘膜が刺激されて腹痛を起こす消化器ハエ症に分けられる。 ヒトに真性蠅蛆症を起こすハエは、どれも皮膚に寄生する種である。アフリカのヒトクイバエやローダインコブバエ、中南米のヒトヒフバエ、ラセンウジバエといった熱帯性のものが知名度が高いが、寒冷な温帯にもユーラシア大陸内陸部に広く分布するヒフヤドリニクバエ類の Wohlfahrtia magnifica、東アジアや南アジアの亜熱帯、熱帯域にはトウヨウラセンウジバエなどがおり、注意を要する。ただし、ヒツジの鼻腔に寄生し、吸血して育つ真性寄生種のヒツジバエが、偶発的にヒトに産卵して一時寄生することが知られている。 (5)不快感 また、こうした深刻な健康被害をもたらさなくとも、ヒト親和性の高いハエは人体や食物に大きな羽音で付きまとい、不快害虫としても大きな地位を占める。日本でもごみ処理場で大発生するイエバエや、鶏舎に群れを成すヒメイエバエは社会問題になることもあり、熱帯や亜熱帯地域では、ヒトの糞便を主な発生源とし、性成熟に必要な蛋白質を主としてヒトの涙や唾液から摂取するフタスジイエバエが、人体の目や口に大挙して群がり、慣れない者には非常な不快感を催させる。 (6)農業被害 農業害虫としてはハナバエ科のタマネギバエやタネバエ、ミバエ科のウリミバエやチチュウカイミバエなどが栽培植物の果実、種子、球根などに寄生し、腐敗させつつ食害するため、農業に深刻な被害を及ぼす。
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害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 17:43 UTC 版)
アゲハチョウ科のチョウの幼虫の食草でもある。サンショウの幼木なら、1匹で葉を食べ尽くし、丸裸にされてしまう場合もある。
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害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/26 17:52 UTC 版)
1990年代後半に、アメリカ西海岸からイタリアに輸入された木材にまぎれてマツヘリカメムシが侵入し、瞬く間にヨーロッパ全土に被害が拡大した。マツヘリカメムシによって球果の発育が阻害され、形成不全が起こる。これによってイタリア国内の多くのイタリアカサマツが枯れ、原生林が失われた地区もある。
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害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/26 20:16 UTC 版)
害虫となっている種は、大きく食品害虫、建材害虫、書籍害虫に分かれる。ただし、相互に重複もある。
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害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 16:00 UTC 版)
一般的にはシロザ(アカザ)の葉を食べるが、同じくアカザ科のテンサイの葉も食べるため、農業害虫でもある。防除には有機リン剤や合成ピレスロイド剤が用いられる。
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害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 05:36 UTC 版)
アオムシ:葉を食害する。4-6月と9-11月に発生しやすい。 コナガ:葉を食害する。4-7月と9-11月に発生しやすい。 カブラヤガ:昼間は地中に潜み、夜間に細部を食害する。4-6月と8-11月に発生しやすい。 ヨトウムシ:ハスモンヨトウ。葉を食害する。5-6月と9-11月に発生しやすい。 これらすべての害虫に、オルトラン水和剤が有効。
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害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 05:31 UTC 版)
幼虫はイモムシであり草食なので、食草が栽培植物であれば害虫扱いされる。日本ではモンシロチョウがキャベツなどアブラナ科の野菜、アゲハチョウ類がミカン類、キアゲハがニンジンなどのセリ科の害虫とされている。
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害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 04:33 UTC 版)
上記のような益虫のほか、人類に害を与える害虫も数多く存在する。一部の昆虫は媒介者として伝染病の感染源となっている。こうした媒介者の中で最も有害な昆虫はカであり、マラリアやデング熱などさまざまな伝染病を媒介して、2016年のデータでは1年間で死者は83万人にも上り、「地球上でもっとも人類を殺害する生物」となっている。人間だけでなく、農作物や家畜に害を与える昆虫も多く存在する。なかでもイナゴやバッタなどは相変異を起こした大集団が周囲のすべての草本類を食らいつくす蝗害を発生させることがあり、この場合周囲の生態系は大打撃を受け飢饉が発生することもある。
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害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 19:59 UTC 版)
ハマキムシ(ハマキガの幼虫)、ツゲノメイガ Cydalima perspectalis (メイガ科)の食害を受ける。
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害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 05:09 UTC 版)
ナメクジ、カタツムリ ナメクジやカタツムリの嫌う尖った砂や樹皮を砕いたマルチで植物の周りを囲い、餌となる落ち葉や異物を取り除いて食害を予防する。ナメクジやカタツムリはビールに誘因される習性があるため、ビールを小さな容器に入れて植物の根元に埋めると効果的な罠となる。 アブラムシ アブラムシは植物の病気を媒介するため、早期の退治が望ましい。希釈した石鹸水(1ガロンにつき2オンス)をスプレーする。 チョウ ツマグロヒョウモンは野生のスミレ類を食草とするが、近年寄せ植えのパンジーにつくようになった。黒い体に赤い縦縞、棘状の突起を密生するのでよく目立つ。蛹は灰褐色に金属光沢の棘を備える。
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害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 03:23 UTC 版)
害を与える例としては、まず、噛みついたり刺したりすることがあげられる。個体は小さいが、集団で活動するため、攻撃を受けると大変にうるさい。単にそれだけでなく、特に強い毒を持つものや攻撃性の強いものもあり、危険でさえある。 農業面では、アブラムシを保護する行動をとるものは間接的に農業害虫である。南アメリカでは、ハキリアリの被害が大きい。 また、人間の生活環境に住み込むものは、人間の食物やその他を食うことがあり、嫌われる。家の中、周辺に出現するアリは主にクロオオアリ、クロヤマアリ等である。 このように、全体ではアリは害をなす場合が多く、駆除のために専用の薬品も用意される。
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害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 15:49 UTC 版)
サンショウ属を含むミカン科の木にはアゲハチョウの幼虫が付くことがある。アゲハチョウの幼虫は大食であり、小さな株なら1匹で葉を食べ尽されて丸裸にされてしまうこともあるので注意が必要である。
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害虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 07:07 UTC 版)
キオビエダシャクの幼虫が葉の食害を起こす。生育域の拡大は温暖化と関係あるとされているが、1950年代に南九州地域で大発生した記録もある。イヌマキ由来のイヌマキラクトンやナギラクトンなどの物質を体内に蓄積することで、鳥などの捕食から逃れている。
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害虫
「害虫」の例文・使い方・用例・文例
- 害虫
- 菜園の害虫
- ブユはマメ科の植物の害虫である。
- アザミウマ類はごく小さい害虫である。
- イヤーワームはトウモロコシの害虫だ。
- 残飯の屑は害虫の住処になる。
- 不潔は病気と害虫を生む.
- 害虫.
- 庭樹についた害虫の除去は大変手間のかかる作業です.
- 害虫を駆除する
- 害虫を除去する活動
- 彼は、病害虫を取り除くために庭にスプレーした
- 多くの病害虫が一般的な殺虫剤への抵抗力をつけた
- 様々な小型害獣動物や害虫
- ネズミと他の害虫から穀類を保護しなければならない
- 彼は害虫がないかどうか子供の頭を調べた
- 村の正念はおそらく害虫を撃っている
- 一般的な食用カタツムリといくつかの害虫を含む陸貝
- 青白いジグザグの模様のある茶色の貝殻を持つ深刻な庭の害虫
害虫と同じ種類の言葉
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