食性とは? わかりやすく解説

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しょく‐せい【食性】

読み方:しょくせい

動物の、食物種類捕食方法などの習性狭義には食物種類をいい、肉食性草食性雑食性などに分け、またその種類範囲により広食性・狭食性、単食性・多食性分けることもある。


食性

作者小林泰三

収載図書家に棲むもの
出版社角川書店
刊行年月2003.3
シリーズ名角川ホラー文庫


食性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/28 16:53 UTC 版)

食性(しょくせい、feeding behaviours、food habit)とは、動物[注釈 1]食物に関する性質のことである。動物は個体維持のために食物を食べるが、その種類や様式(食べ方)は、動物の種類によって異なり、非常に多様である。

食性による動物の分類

食物の種類を区別する食性(food habit)と摂食の方法を区別する採食習性(feeding habit)があるが、これらはしばしば混同され「食性」としてひとくくりにされる[1]

食性(食餌性)の違いによる動物の分類と、それに対応する摂食食物を示す。

英語接尾辞 -vore はラテン語vorāre (ウォラーレ。「eat、食う、むさぼる」の意)を語源とし、動物の食性(食餌性)の種類(食性による分類)を示す名詞を形成する。同様の意義の形容詞を形成するのには、接尾辞 vorous を使用する。

左から順に、和名(不明なものあり)、英語名、対応する摂食食物、備考(※)である。

食性 英語 食物 補足
食べ物による分類(狭義の食性[1]
動物食動物(広義の肉食動物 carnivore 動物全般
  (狭義の)肉食動物 carnivore 四肢動物 鳥獣食動物[1]flesh eater[2]
魚食動物 piscivore 魚類
虫食動物 insectivore 昆虫など
molluscivore 軟体動物 貝食性[1]
血食動物 sanguinivore 血液
spongivore 海綿動物
ophiophagy ヘビ
lepidophagy 魚の(うろこ) 鱗食魚[3]
植物食動物(広義の草食動物 herbivore 植物全般
  (最も狭義の)草食動物 graminivore イネ目などの草本
葉食動物 folivore
xylophagy 木本 シロアリ等による木食い。材食性[1]
花粉食動物 palynivore 花粉
蜜食動物 nectarivore
樹液食動物 mucivore 樹液
果実食動物(果食動物) frugivore 果実
穀物食動物(穀食動物) granivore 種子穀物
藻食動物 algivore 藻類
雑食動物 omnivore 動物と植物
土食動物 limnivore
デトリタス食動物 detritivore デトリタス
菌食動物 mycovore 真菌
細菌食性生物 bacterivore 真正細菌
腐食動物 saprophagy 死体や排出物など 食糞など。
  腐肉食動物(屍肉食動物) scavenger 腐肉(自ら殺していない動物) 肉食の一部。
食べ方による分類(採食習性[1]
捕食動物 predator 自ら殺した動物 肉食の一部。
濾過摂食動物 filter feeder プランクトンデトリタス
非選択的採食型(粗飼料食型、グレーザー、グレイザー) grazer 低質の植物(牧草など) 草食の一部[4]
選択採食型英語版(濃厚食選択型、ブラウザー) browser 高質の植物(芽、若草、花など) 草食の一部。グレイザーとブラウザーの中間型もある[4]

研究

85%の節足動物、6%の軟体動物、5%の脊椎動物を含む比例的にサンプリングされた1087分類群では、63%が肉食、32%が草食、3%が雑食で肉食性の分類群が多い[6]。この研究の筆頭著者の研究者は、最初の動物は肉食性であったとし、肉食性から草食への進化は、腸内で草を発酵させる腸内細菌叢後腸発酵)、牛のように4つの胃をもつなどの特殊な内臓の進化、反芻・食糞などが必要であり、進化のハードルが高いことを示唆しているとしてる[7]

脚注

注釈

  1. ^ 食虫植物原生生物といった例外もある。

出典

  1. ^ a b c d e f 浦本昌紀食性」『改訂新版 世界大百科事典』https://kotobank.jp/word/%E9%A3%9F%E6%80%A7コトバンクより2024年1月3日閲覧 
  2. ^ 浦本昌紀「肉食動物」『改訂新版 世界大百科事典』https://kotobank.jp/word/%E8%82%89%E9%A3%9F%E5%8B%95%E7%89%A9コトバンクより2024年1月3日閲覧 
  3. ^ 落合明・尼岡邦夫「鱗食魚」『日本大百科全書(ニッポニカ)』https://kotobank.jp/word/%E9%B1%97%E9%A3%9F%E9%AD%9Aコトバンクより2024年1月3日閲覧 
  4. ^ a b 板橋久雄・石橋晃「飼料学(31)―V. 産業動物 VI. 反芻動物(1)」『畜産の研究』第60巻第10号、養賢堂、2006年、1100-1108頁。 
  5. ^ 大東, 肇 (1998). “チンパンジーの薬用植物利用に関する化学的・生態学的解析”. 質量分析(Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan) 46 (3): 173–177. doi:10.5702/massspec.46.173. ISSN 1340-8097. http://www.jstage.jst.go.jp/article/massspec/46/3/46_3_173/_article/-char/ja/. 
  6. ^ Román-Palacios, Cristian; Scholl, Joshua P.; Wiens, John J. (2019-08-01). “Evolution of diet across the animal tree of life” (英語). Evolution Letters 3 (4): 339–347. doi:10.1002/evl3.127. ISSN 2056-3744. PMC PMC6675143. PMID 31388444. https://academic.oup.com/evlett/article/3/4/339/6697498. 
  7. ^ The world's first animal was probably a carnivore サイト:サイエンス

関連事項

外部リンク


食性(しょくせい、英: food habit, diet)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 06:02 UTC 版)

魚類用語」の記事における「食性(しょくせい、英: food habit, diet)」の解説

何を食べるかということ胃内容物見れば食べているものがわかる。同じ種でも成長程度、餌の量、生息場所時間帯季節などによって変化する。食性によって口も変化する肉食性魚食性食性、雑食性などという。

※この「食性(しょくせい、英: food habit, diet)」の解説は、「魚類用語」の解説の一部です。
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