衛生害虫として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 03:41 UTC 版)
カメムシ類は全般に悪臭を放つので嫌われるが、一部に家屋内に侵入してくるものがあり、そうすると人間との接点が大きくなるので問題が大きくなる。この種は越冬時に遮蔽された狭い隙間を探し、その過程で人家に侵入する。これは特に北日本で顕著で、東北地方で九月下旬から十月上旬に時に大集団で入り込んでくるとのこと。 古い方では、緒方(1957)に富山県の宇奈月温泉と新潟県東蒲原郡三川村の事例が挙げられている。後者では学校にも入り込み、悪臭のために授業が中断されることがあったという。それ以降は毎年のようにこのような事例が発生している。室内の隅に入り込んでくるだけでなく、衣類や布団の隙間にも潜り込む。また室内が暖かいために冬眠からさめて室内を歩き回り、刺激を受けると臭いを発するため、室内に悪臭が充満し、頭痛や嘔吐を引き起こす場合もある。 また、1990年代に、近畿地方を中心としたアオカメムシ類の大発生があったが、その構成種としてもこの種が多く含まれていた。その詳細についてはアオカメムシの項を参照されたい。この大発生の原因として、スギと檜の人工林の大幅な増加と、その生長で毬花をつけるものが増えて、これがアオカメムシ類の繁殖の場となったことが挙げられているが、これはこの種にも共通している。この際には果樹園の被害と、夜間に燈火に集まった虫による悪臭被害があった。 カメムシ類は悪臭を放つため一般に不快害虫とされているが、クサギカメムシのように屋内に侵入する種では分泌物が皮膚炎を引き起こす例もある。
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