かん‐せつ【間接】
直接
直接(ちょくせつ)とは、ある二つ以上の物の中間に何も介在しておらず、直に接すること、間接(かんせつ)は中間に何らかのものが介在しておりそれを通して対象に接することである。この時介在している物が対象に接することを媒介という。この媒介するものの中には政治における代表者(議員)や犯罪の間接正犯、納税の間接税のような個人あるいは裁判の間接主義のような組織も含まれる。なお、間接においては負担や責任の一部が転嫁されるのが普通である。
哲学と直接・間接
哲学においても直接は第三者を介さずに対象と接することをいい、間接は第三者を介することによって関係すること、またあるものが他者によって条件付けられ、なおかつそれに依存することを言う。特に、認識においては認識主観と対象の間に推理などの間接的知識を介さずに得た知識を直接的知識という。スピノザやシェリングはこれを重要視したが、ヘーゲルはこの考え方を表象及び信念の段階にとどまっており、間接的なものであるとして否定、他者の媒介が全くないことこそが直接であると定義し直した。一方で、ヘーゲルは有限的でなおかつ直接的な存在は他の有限的な存在によって条件付けられて成立したものであると考え、後にこの考え方は全ての存在は直接性と媒介性の両方を含んでいるという考えに至った。これによると、直接とは感性的な対象の実在性を示し、主体が対象に接しているということであり、また、媒介性すなわち間接性は他の存在との関係のなかにある対象の実在性を指し、記憶や表象及び概念等によって捉えられるものであるとされる。
参考資料
- 哲学事典(平凡社、ISBN 978-4-582-10001-3)
間接
「間接」の例文・使い方・用例・文例
- 間接的影響
- 瞬間接着剤は、止血に大いに役に立つ。
- 間接唇
- 間接開示は、情報を入手したい者が特定の場所に出向くことによって入手できる開示方法だ。
- そのケースは間接差別として禁止されている。
- 製品1単位あたりの標準直接材料費、標準直接労務費、標準製造間接費の合計を原価標準と呼びます。
- 試供品を配る間接広告のお陰で、新商品の売り上げが好調だ。
- 製品の製造や販売に直接関係づけることのできない原価を間接費と呼びます。
- 物品税は間接消費税の1つで、1989年に廃止された。
- 私は5年間接客業をしていました。
- 税は直接税と間接税からなっている。
- 新たな間接税が強い酒類に対して課せられた。
- われわれは、生活に必要なものや生活を快適にするものをすべて他人の労働に間接的に依存している。
- そのクーデターの間接的な情報しか得ていない。
- ある研究の報告によれば、間接喫煙の結果53、000のアメリカ人が毎年死亡しているそうだ。
- 【法律, 法学】 状況証拠 《間接の推定的証拠》.
- 瞬間接着剤.
- 間接税.
- 間接照明.
- 間接目的語 《たとえば She gave him a watch. における him》.
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