ぶゆ【×蚋/蟆=子】
ブユ
体長3~5mmで、背面が丸まり、翅が透明で体が黒っぽいものが多い。アシマダラブユは体長3~5mmで、黒褐色~黒色で黄白毛ががあり、脚は黒色で各節の基部に黄白紋がある。
キアシオオブユは体長4mmで、灰黒色で黄色毛を密生し、脚は黄褐色で、各節末端部のみ黒褐色である。
日没と日の出前後の時間帯に、群を成して激しく吸血し、髪の中に潜り込むことも多い。刺されるとカ(蚊)よりも腫れがひどく、痒みは1~2週間周期的に続く。刺された場所には1cmほどの腫れが生じ、その中心に赤い出血点が目立つ。人によっては水疱を生じる。多数の襲来を受けると重篤症状になる可能性もある。
日本では60種ほどが知られている。主に5~10月に発生し、日没と日の出前後の時間帯に、群を成して襲来し、髪の中に潜り込んで吸血することも多い。また曇りで高湿度の時には日中も吸血することがある。山村部や別荘地では建物周辺でも見られる。山地の渓流や平野部の小川・灌漑用水など比較的きれいな水が発生場所となる。
春に羽化した成虫は交尾後、水中もしくは水際に卵塊を産み付ける。約10日ほどで幼虫が孵化し、流れのある水中の水草や岩の上で生活する。幼虫は黒色で、流れが速くても生活でき、むしろ流れのない場所では死んでしまう。また、生育には極めてきれいな水質が要求される。
幼虫は3~4週間で成熟し、口から分泌した糸で繭を作り、その中で蛹化する。蛹は繭から呼吸糸と呼ばれる糸状のエラを出しながら1週間静止して過ごし、そのまま水中で羽化する。年に数回発生する。
ブユ
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特徴
ブユ(別名:ブヨ)はハエ目、長角亜目、ブユ科に属する昆虫の総称です。形はハエに似ていますが、微小で、多くは3~5mm程度のものです。日本には約60種が分布しています(早川、1994)。 吸血するのは、雌成虫だけです。アシマダラブユ、キアシオオブユなどは人をよく襲いますが、吸血しない種もあります。 年に数回、5~10月に発生するが、春~初夏に被害が多い傾向がある。日没前後と日の出前後の時間帯に盛んに活動し、群を成して襲来し、髪の中に潜り込んで吸血することも多くあります。また曇りで高湿度の時には日中も吸血することがあります。山地の渓流や平野部の小川・灌漑用水など比較的きれいな水が発生場所となります。 刺されるとカ(蚊)よりも腫れがひどく、痒みは1~2週間も続きます。刺された場所には1cmほどの腫れが生じ、その中心に赤い出血点が目立ちます。 |
ブユ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/22 08:12 UTC 版)
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ブユ科 Simuliidae | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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英名 | ||||||||||||||||||||||||
Black fly、Gnat | ||||||||||||||||||||||||
亜科 | ||||||||||||||||||||||||
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ブユ(蚋、蟆子、Black fly)は、ハエ目(双翅目)カ亜目ブユ科(Simuliidae)に属する昆虫の総称。ヒトなどの哺乳類や鳥類[1]から吸血する衛生害虫である。関東ではブヨ、関西ではブトとも呼ばれる[2]。
生態
成虫は、イエバエの4分の1ほどの小ささ(約3~5mm)で透明な羽を持ち、体は黒っぽく丸まったような形をしているものが多い。天敵はトンボなど。日本では約60種ほどが生息しており、主に見られるアシマダラブユは全国各地に、キアシオオブユは北海道、本州、九州に分布する。
春に羽化した成虫は交尾後、水中や水際に卵塊を産み付ける。卵は約10日で孵化し、幼虫は渓流の岩の表面や水草に吸着し、3~4週間で口から糸を吐き、そのまま水中で蛹になり、約1週間ほどで羽化する。成虫になると基本的に積雪時を除き一年中活動するが、特に春から夏(3月~9月)にかけて活発に活動する。夏場は気温の低い朝夕に発生し、昼間はあまり活動しない。ただし、曇りや雨など湿気が高く日射や気温が低い時は、時間に関係なく活動する。また、黒や紺などの暗い色の衣服や雨合羽には寄ってくるが、黄色やオレンジなどの明るい色の衣服や雨合羽には比較的寄ってこない。
上記のようにブユの幼虫は渓流で生活しているため、成虫は渓流の近くや山中、そうした自然環境に近いキャンプ場などで多く見られる。また、幼虫は清冽な水質の指標昆虫となるほど[3]水質汚染に弱いとされているが、近年では公園の水辺等の水質改善が進んだためか、郊外の住宅地などでも見られるようになった。
外見が似た昆虫として、顔の周りを飛び回り、目の中に飛び込んでくるハエ目ヒゲブトコバエ科のクロメマトイ等が挙げられるが、これらは吸血しない。
害
カやアブと同じくメスだけが吸血するが、それらと違い皮膚を噛み切って流れ出た血を舐めるため、中心に赤い出血点や流血、水ぶくれが現れる。吸血の際に唾液腺から毒素を注入するため、直後はそれ程かゆみは感じないことが多いものの、翌日以降に(アレルギー等の体質により差があるが)患部が通常の2~3倍ほどに赤く膨れ上がり、カよりも激しい痒みや疼痛、発熱の症状が1~2週間程現れる(ブユ刺咬症、ブユ刺症)。体質や咬まれた部位により、腫れが1ヵ月以上ひかないこともままあり、ひいてもしこりや色素沈着が残ったり、慢性痒疹の状態になってしまうと完治まで数年に及ぶことすらある。多数のブユに吸血されるなどした場合、リンパ管炎やリンパ節炎を併発したり、呼吸困難などで重篤状態に陥ることもある。
脚注
- ^ NHK 地球ドラマチック 「空の王者 ワシ」2020年7月12日閲覧
- ^ * 高岡宏行:「吸血昆虫ブユの不思議な世界――謎めいた新種の発見と新興寄生虫感染症の解明」、明石書店、ISBN 978-4750350639(2020年9月28日)
- ^ “水質階級Iの指標生物 - ブユ”. 国土交通省 近畿地方整備局. 2024年7月12日閲覧。
関連項目
外部リンク
「ブユ」の例文・使い方・用例・文例
- >> 「ブユ」を含む用語の索引
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