ふく‐がん【複眼】
複眼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 02:19 UTC 版)
複眼は、個眼の集合体である。この個眼がたくさん集まり半球状に配列されたものが複眼である。 個眼は外層から個別のレンズ、円錐晶体、視細胞層から成り立つ。個眼同士は光を通さない隔壁で分かれている。視細胞層はミツバチの場合、外部からの光を直接受ける中心の感棹と周囲に8つ並ぶ光受容細胞からなる。光受容細胞はミツバチの場合、紫外線に最も高い感度をもつもの2つ、青に感度を示すもの2つ、緑に感度を示すもの4つから成り立つ。 レンズを小さくすることで焦点距離を短く出来るため、体のスペースがほとんどない小さな生物に適した構造である。また動きを捉えることに適している。その一方で、対象を精細に見る上では限界がある。画像を捉えるための細胞が、人間では網膜上に1億以上あり脳への伝達細胞も約100万ある。しかし複眼は各個眼をそれほど多く備えることが難しく、比較的多いトンボでも数万でしかない。また遠くのものを見る機能にも劣り、昆虫の視力は0.01程度でしかない。
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複眼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 02:56 UTC 版)
トンボ(六脚類・昆虫類)の巨大な複眼(青) モンハナシャコ(甲殻類)の眼柄に突出した複眼 ゲジ(多足類・ムカデ類)の頭部 カブトガニ(鋏角類)の複眼 三葉虫の複眼 複眼は側眼に由来する、複数の個眼(英語: ommatidium, 複数形: ommatidia)と呼ばれるレンズが集合した器官である。個眼は円形もしくは多角形(通常は六角形、五角形と四辺形の例もある)をしており、ほぼ隙間なく並ぶ。個眼の大きさは、複眼上に占める場所によって異なる場合がある。集合する個眼の数は昆虫、なかでも飛翔するものが多く、例えばイエバエは2,000個、ホタルのオスは2,500個、トンボは2万個前後となっている。また、甲殻類と一部の絶滅群(例えばフーシャンフイア類)では、複眼が可動の眼柄に付属した場合がある。 個眼は、複眼表面部分に透明なキチンの角膜または角膜小体があり、その奥にこの角膜を分泌する角膜生成層とガラス体の細胞、ガラス体または円錐晶体、それに8個ほどの視細胞または感光層がある。視細胞の内側の端は神経繊維となり、それが集合して視神経になって脳の視葉という部分に達する。 節足動物の複眼は、頭足類と脊椎動物において特徴的なカメラ眼と並んで、動物の眼としては高度に発達したものの一つである。古生代カンブリア紀に出現した三葉虫や、原始的な節足動物と考えられるラディオドンタ類(アノマロカリスなど)は既にれっきとした複眼を持つため、複眼は節足動物の起源において比較的早期に進化した特徴の一つだと考えられる。現生の節足動物では、主に甲殻類と昆虫で複眼を持つものが多い。多足類ではゲジ類のムカデ、鋏角類では主に節口類(カブトガニ類・ウミサソリ類など)のみれっきとした複眼を持つ。それ以外の群では、複眼の個眼が単眼に退化し(後述)、もしくは完全に消失していた。
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複眼
出典:『Wiktionary』 (2021/06/25 23:23 UTC 版)
名詞
発音(?)
- ふ↗くがん
対義語
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