ヌカカとは? わかりやすく解説

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ぬか‐か【×糠蚊】

読み方:ぬかか

双翅(そうし)目ヌカカ科昆虫総称体長約1ミリ黄褐色。他の昆虫から吸血したり花から蜜を吸ったりする種もあるが、人畜から吸血する種も多い。寒地湿地多く薄明薄暮活動。めまとい。まくなぎ。ぬかご。ぬかばえ。《 夏》


ヌカカ

ヌカカ類 Ceratopogonidae

ヌカカ

この害虫属する群
野外吸血害虫(2) ヌカカ 
主な種類
ホシヌカカ Culicoides punctatus (Meigen)
ヌノメモグリヌカカ Culicoides nunomemoguri Kitaoka
ミヤマヌカカ Culicoides maculatus Shiraki
ニワトリヌカカ Culicoides arakawae Arakawa
イソヌカカ Culicoides circumscriptus Kieffer
トクナガクロヌカカ Leptoconops nipponensis  ほか
形態
 翅長は1~1.5mmのものが多く触角長く数珠状で、翅は透明で薄い斑紋があるものも多い。静止時は左右の翅の一部重ね、平たい。
 ホシヌカカは翅長約1.3mm、胸に斑紋があり、翅にも黒い斑紋多数ある。ヌノメモグリヌカカは翅長約0.9mm、黒い炉で翅は透明。ミヤマヌカカは翅長約1.0mm、翅に暗色の帯紋が3対ある。ニワトリヌカカは翅長約1.2mm、翅は淡暗紫色の地に透明な斑紋多数ある。トクナガクロヌカカは、翅は透明で、尾端に1対の片がある。
分布
 各種のヌカカが全国各地分布する。ホシヌカカはヨーロッパからアジア分布し日本では全国的に分布する。ヌノメモグリヌカカは本州に、ミヤマヌカカは全国普通に分布するニワトリヌカカ東南アジア東アジア分布に、日本では全国分布する。トクナガクロヌカカは本州各地海岸生息する
生態
 ヌカカは春から秋にかけて、多く家畜や人を吸血する。微小で、止まる平たくなるため衣類中にも潜り込んで吸血する。照明にも誘引され、網戸の目を容易に潜り抜けて、屋内被害にあうこともある。水田地帯ではホシヌカカなど、山間地域ではヌノメモグリヌカカ、ミヤマヌカカ、平地ではニワトリヌカカ海岸近く住宅ではトクナガクロヌカカなど、多く種類生息している。
 ホシヌカカは本州北部6月中旬から10月下旬発生する湿地水田などに幼虫生息し幼虫体長4mmの線虫状で、水中遊泳する。ヌノメモグリヌカカは苗代時期発生する。ミヤマヌカカは夏から秋にかけて発生するが、幼虫水生ではなく自然状態での発生源不明である(北岡1994)。ニワトリヌカカは4~9月発生し、主に水田から発生する
 トクナガクロヌカカは海岸近く砂中幼虫生息し、その付近吸血する(北岡1994)。イソヌカカ幼虫海岸のロックプールや潮をかぶる潟、沼等に生息する春に産まれた卵は4~5日孵化し幼虫期は約1年で、翌春蛹化し、2~3日羽化する北岡1994)。

ヌカカ

野外吸血害虫(2) ヌカカ 
この群に属す害虫
特徴
 ヌカカはハエ目長角亜目ヌカカ科属す昆虫総称です。糠のように微小なカ()という意味が名前の由来ですが、カ()とは違う科の昆虫です。世界中に約4000種、日本では40種ほどが知られています。
   微小で、翅長が1~1.5mmのものが多く触角長く数珠状で、翅は透明で薄い斑紋があるものも多い。静止時は左右の翅の一部重ね、平たい感じがします。春から秋にかけて、多く家畜や人を吸血ます。人の衣服の下に潜り込んで吸血することもよくあります照明にも誘引され、網戸の目を容易に潜り抜けて、屋内被害にあうこともあります
 水田地帯ではホシヌカカなど、山間地域ではヌノメモグリヌカカ、ミヤマヌカカ、ナミヌカカ、平地ではニワトリヌカカ海岸近く住宅ではトクナガクロヌカカ、イソユカカなど、多く種類生息してます。


糠蚊

読み方:ヌカカ(nukaka)

ヌカカ科昆虫

学名 Culicoides obsoletus


ヌカカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/09 03:22 UTC 版)

ヌカカ科 Ceratopogonidae
Culicoides sonorensis
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: ハエ目(双翅目) Diptera
亜目 : カ亜目(長角亜目, 糸角亜目) Nemato
下目 : カ下目 Culicomorpha
上科 : ユスリカ上科 Chironomoidea
: ヌカカ科 Ceratopogonidae
Newman, 1834
亜科

ヌカカ(糠蚊)は、ハエ目(双翅目)ヌカカ科 (Ceratopogonidae) に属する昆虫の総称。体長が1mmから[1]3mmほど[2]。世界に6000種類以上が棲息する[2]

一部のは、メスがと同様に吸血動物となる[1][3]脊椎動物から吸血するヌカカは世界で1300~1400種、日本に80~90種おり、それ以外の大半の種は他の昆虫を襲う[2]。吸血性ヌカカの一部はなど家畜感染症を媒介するほか、ヒトに有害な感染症としてオロプーシェ熱が判明している[2]

地球温暖化とともに生息域拡大が懸念されているが、研究者は少なく、多くの種は飼育方法も確立されていない[2]

概要

和名のヌカカは、「粒のように小さな蚊」という意味から命名された[2]。地域によってはイソヌカカ(磯糠蚊)やヌカガ(糠)、鳥取県西部の弓ヶ浜半島では干拓事業が行なわれた後にわいたとされていることからカンタクムシ(干拓虫)と呼ばれている。まくなぎ(蠛蠓)、めまといもヌカカの一種で、夏の水辺などをひと塊になって飛んでいる。キャンプ場などにもみられる。

小さな種は網戸をすり抜け[2]人家に侵入することもある。また衣服の中へ這い入ることもある。

上から見た感じは黒ゴマの粒のように見え、よく観察すると薄く透明なに、黒い斑紋を装うものが多い。

蚊と異なり、刺咬された直後は刺された感触もほとんどないが、数時間後に痒みが始まり、翌日以降に腫れと強い痒みが起こり、小さな水ぶくれができることもある。完治まで1週間以上かかることもある。対処法としては、皮膚科医の診察を受けることである。医療機関では、炎症アレルギー反応を抑える錠剤、痒みを抑える錠剤とプロピオン酸クロベタゾール軟膏を処方することが多い。

虫除けとしては、イカリジン(KBR3023[4])やジエチルトルアミド(ディート)を配した虫よけスプレーが有効といわれる。

長距離移動

下層ジェット気流ユーラシア大陸から日本列島へ流れる梅雨期に東シナ海上でウシヌカカが捕集されていることから、海を越えて日本に飛来している可能性が指摘されている[5]。2020年6月には鳥取県米子市鹿児島県奄美大島などでの被害の増加が報じられている[6]

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)鹿児島研究拠点は、ヌカカの飛来を監視して、畜産関係者にワクチン接種を呼び掛けるなど注意喚起している[2]

病原体の媒介

ヒトに対してはオロプーシェ熱を引き起こす節足動物媒介性ウイルスであるオロプーシェウイルスの主要な媒介昆虫である[7]

また反芻動物に感染し、流産、早産、死産、先天異常を起こすアカバネウイルス、アイノウイルス、チュウザンウイルスなどの病原体を媒介する[5]

ニワトリヌカカは鶏のロイコチトゾーン病を媒介する[8]

脚注

  1. ^ a b 栗政明弘, 宮野佳子, 矢倉はるな, 養藤繁, 古川秀生, 岩崎裕子「米子市弓ヶ浜半島におけるヌカカ類による刺咬被害状況,被害発生環境および対処方法に関するアンケート調査」『米子医学雑誌』第66巻第2-3号、米子医学会、2015年5月、19-35頁、CRID 1050015354550841472ISSN 00440558 
  2. ^ a b c d e f g h 読売新聞』夕刊2024年9月26日みんなのカガク面「ウイルス持つヌカカ流入警温暖化で生息域拡大も」(農業・食品産業技術総合研究機構鹿児島拠点の柳瀬徹上級研究員へのインタビュー)
  3. ^ 馬場まゆみ「奄美大島における2011年から2018年のヌカカ刺症の検討」『西日本皮膚科』2019年 81巻 3号(日本皮膚科学会西部支部)pp.196-200, doi:10.2336/nishinihonhifu.81.196
  4. ^ Repellent efficiency of BayRepel against Culicoides impunctatus (Diptera : Ceratopogonidae)”. The University of Aberdeen. June 23, 2020閲覧。
  5. ^ a b 梁瀬徹、「ヌカカの長距離飛翔とウイルス感染症の媒介」『日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集』2011年 63巻 第63回日本衛生動物学会大会 セッション ID:S02, p.32, doi:10.11536/jsmez.63.0_32_2, 日本衛生動物学会
  6. ^ “猛烈なかゆみ、網戸すり抜ける「スケベ虫」被害増加”. 産経新聞ニュース. (2020年6月19日). https://www.sankei.com/article/20200619-S3C555Z5KJIXZEKGU6KRII5ADY/ 2020年6月20日閲覧。 
  7. ^ 感染症週報 通巻第26巻第26号”. 厚生労働省/国立感染症研究所. pp. 11-12. 2024年8月26日閲覧。
  8. ^ 秋葉和温、「鶏のロイコチトゾーン症の研究史における暗中模索からの脱出記録(25)」『畜産の研究』2014年 68巻 7号 pp.771-776, 養賢堂

関連項目

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