窓ガラスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 建設 > 家屋 > ガラス > 窓ガラスの意味・解説 

まど‐ガラス【窓ガラス】

読み方:まどがらす

窓にはめてあるガラスまた、窓用の板ガラス


窓ガラス

ガラスを窓にはめ、家の内部外部仕切るために使うもの。基本的には透明で、日本伝統障子とは逆に視線透過させるが音や匂いなどの他の感覚は遮る。製造方法フロート法と ロールアウト法の2種類あり、型板ガラス網入ガラス、線入ガラス合わせガラス強化ガラス熱線吸収板ガラス複層ガラス熱線反射ガラス磨りガラス、レンズガラスなど、その種類も豊富である。

窓ガラス

作者竹下文子

収載図書風町通信
出版社偕成社
刊行年月1986.10


窓ガラス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/08 07:13 UTC 版)

高橋是清邸の窓ガラス。説明プレート(赤い敷物の上)には「明治のガラスが使われています」とある。江戸東京たてもの園

窓ガラス(まどガラス)は板ガラスにはめ、家の内部と外部を仕切るために使うもの。暖かい部屋で外の景色が楽しめるのも、ウィンドウ・ショッピングが出来るのも、窓ガラスの恩恵である。窓の面積を大きくすることにより、太陽の昼光による採光が可能となり、照明の代替にもなる。

製造方法

現在では、すべての窓ガラス(型板ガラス、網入ガラスおよび線入ガラスを除く)がフロート法によって製造されている。これは20世紀半ばに開発された大面積の板ガラスを連続的に作成出来る技術で、20世紀最大の発明のひとつに数え上げられている。型板ガラス、網入りガラスおよび線入りガラスはロールアウト法によって製造されている。

フロート法では、溶融錫の上にガラス融液を流し出すことで、上下ともに平滑な面を生成する。錫はガラスより比重が大きく、しかもガラスと混ざらないので、錫の上には非常に平坦な板ガラスが形成される。この方法で1 mm - 22 mm程度の厚さの板ガラスを作成することが出来る。

窓ガラスのほとんどはソーダ石灰ガラスと呼ばれる種類のガラスである。その組成はおよそSiO2:Na2O:CaO = 75:15:10 (mol%)で、原料には珪砂、ソーダ灰、石灰が用いられる。この組成比は地殻を形成している組成比とほぼ同じで、この点からガラス窓の資源は事実上無尽蔵、環境への悪影響は生産時の燃料の消費だけといえる。

普通の窓ガラスは正面から見ると透明に見えるが、斜めから見たり、厚みのある部分を見るとわずかながら青緑に色付いて見える。これは、原料に不純物として含まれる鉄イオンの色である。この色が好ましくない場合は、純度の高い原料を使うか、もしくはその補色を生じる着色剤を原料に少量加えて無彩色にする。

民家の窓などに使用されている透明ガラスの場合、ケイ素と酸素が強く結合され、構造としては網目状になっている。

種類

フロート板ガラスおよび磨き板ガラス(JIS R 3202)
型板ガラス(JIS R 3203)
ガラス表面が模様となったもの。透光性を保ちつつ光を拡散させて視線を遮る。現在製造されている模様は、梨地(なしじ)2ミリ、霞(かすみ)4ミリ・6ミリ、の2種類。
網入ガラス、線入ガラス(JIS R 3204)
ガラス中に金網、金属線を入れたもの。ガラスが割れた場合にも破片が飛び散りにくい。主な目的は、火災などの熱による破損の際、ガラスが脱落するのを防ぐことであり、加撃物による破損にはほとんど効果がない。見た目から防犯性を誤解する人も多い。防犯ガラスは後述の合わせガラス及び強化ガラスにあたる。
合わせガラス(JIS R 3205)
2枚のガラスの間にポリビニルブチラールなどの透明フィルムをはさみこんで、オートクレーブ成形したもの。破損時に破片がほとんど飛散せず、耐貫通性に優れているため、強化ガラスと共に安全ガラスと総称される。
強化ガラス(JIS R 3206)
フロート板ガラスの表層に圧縮応力、深層に引張応力を与えたガラス。通常のガラスの3~5倍の強度があり、破損しても破片が粒状になるため、傷害防止に効果がある。応力を生じさせる方法には、加熱・急冷による熱的方法と分子置換による化学的方法があり、ほとんどの強化ガラスは熱的方法で製造されている。
熱線吸収板ガラス(JIS R 3208)
熱線(赤外線)をより多く吸収するガラス。原料に銅、ニッケル、鉄などの金属を混合して製造する。銅を混合すると青色、ニッケルを混合すると灰色(薄茶色)、鉄を混合すると黄緑色のガラスとなる。
複層ガラス(JIS R 3209)
2枚のガラスの間に空気層を設ける形のもの。光触媒機能を外面に付加したセルフクリーニングガラスや、空気層の部分を気密化し真空にして断熱性を向上させたものもある。通常の窓ガラスに比べ、若干重くなる。なお一般に、空気層による断熱効果は期待できるが、遮音性能の向上はコインシデンス効果の影響を受けあまり期待できないとされている。ただし室内面のみを樹脂サッシにするなど異種材料でのサンドイッチサッシ構造で遮音性が一般的にみられる。
熱線反射ガラス(JIS R 3221)
表面に金属酸化物を塗布し、熱線を反射する効果を持たせたガラス。昼間の屋外からは鏡のように見え、屋内からは普通のガラスと同様に見えるハーフミラー効果がある。スパッタリングによって屋内側の面に金属酸化物を塗布したものは、高性能熱線反射ガラスと呼ばれる。
ペアガラス
2枚のガラスとスペーサーにより中空層をつくったもの[1]
トリプルガラス
3枚のガラスとスペーサーにより中空層を2か所つくったもの[1]
磨りガラス(スリガラス)
視界を遮り光線を取り入れるために表面を金剛砂などのサンドで磨いたガラス。
レンズガラス
同様に視界を遮るガラス

脚注

  1. ^ a b 中山繁信、長沖充、杉本龍彦、片岡菜苗子『窓がわかる本 設計のアイデア32』学芸出版社、2016年、153頁。 

関連項目

窓ガラスメーカー

窓ガラス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 08:46 UTC 版)

福岡県西方沖地震」の記事における「窓ガラス」の解説

福岡市中心部ビル街では、一部ビルの窓ガラスが割れ地上降り注いだこの様子は映像として残されており、テレビ放送もされた。特に、中央区天神福岡ビル1961年昭和36年完成)では、全体の3割にあたる約440の窓ガラスが割れて落下し建物沿いの歩道歩いていた2人負傷した割れたガラスはほとんどが「はめごろし」で、網入りガラス破損して落下はしておらず、また地震動による建物の層間変形集中したとみられる4階から6階破損率が高かったその後の調査により、窓枠と窓ガラスの間のシーリング材揺れ吸収しにくい硬化性素材用いる、古い工法がとられていたことが原因判明した。古い工法1978年昭和53年)の宮城県沖地震被害多発したことから、同年改正1979年4月施行建設省告示禁止されそれ以降施工ではシリコンなどの軟質素材使用されている。 これを受けて国土交通省3月23日全国自治体対し1978年以前施行3階建て上で中心市街地避難道路などに面する建築物調査し改修などを指導するよう通知出したその後2006年3月までに約36,000棟で調査が行われ、約1,300棟で不適格判明、うち改修済み2006年3月時点511棟だったが、2013年9月には914棟まで改善している。 なお、都心部であるにもかかわらず負傷者2人に留まった背景として、渡辺通り沿いに地下街ビルとの連絡通路発達した天神では地下移動する人が多く2月天神地下街延伸開業していて通行人がそちらに流れ傾向がさらに強まっていたタイミング幸いしたことや、この付近ビジネス街であり、もともと休日人通り多くなかったことなども挙げられている。

※この「窓ガラス」の解説は、「福岡県西方沖地震」の解説の一部です。
「窓ガラス」を含む「福岡県西方沖地震」の記事については、「福岡県西方沖地震」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「窓ガラス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「窓ガラス」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



窓ガラスと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「窓ガラス」の関連用語

窓ガラスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



窓ガラスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
リフォーム ホームプロリフォーム ホームプロ
Copyright(c)2001-2025 HOMEPRO CO.,LTD ALL RIGHTS RESERVED.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの窓ガラス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの福岡県西方沖地震 (改訂履歴)、胴体 (航空) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS