合わせガラス
安全ガラスのなかのひとつ。JISでは「外力の作用によって破損しても、破片の大部分が飛び散らないように2枚以上の板ガラスを、プラスチックフィルム(ポリビニールフーチラールなど)を中間膜として接着したガラス」と定義している。合わせガラスのうち、中間膜の厚さ0.76mmを使用して耐貫通性能を重視したものをHPRといい、JISでは合わせガラスAと呼び、中間膜の厚さ0.38mmで接着性能を重視したものを、合わせガラスBと呼んで区別している。合わせガラスに使用する板ガラスは普通、板ガラスまたは磨き板ガラスで、強化ガラスではない。また、合わせガラスの種類を形状により(1)平面合わせガラス(2)曲面合わせガラス、の2種類に分類している。自動車の前面ガラスには合わせガラスを使用しなければならない(保安基準)。強度が高く、破損しても樹脂フィルムの中間膜により破片がつながっているので飛散せず、クモの巣状のひびが入るだけでものが貫通しにくいという特徴がある。飛び石による破損時も視界が確保されるうえに衝突時の安全性も高いため、強化ガラスに代わり、フロントウインドウに採用されるようになった。
合わせガラス
合わせガラス
合わせガラス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/11 14:04 UTC 版)
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合わせガラス(あわせガラス、英語: laminated glass)は、複数の板ガラスの間に樹脂などの中間膜を挟み、接着したガラスのこと。
高速道路での衝突事故や列車脱線事故など、窓枠が大きくゆがむほどの衝撃にも耐えられる対貫通性・耐衝撃性を持ち、また割れた際の飛散も起きにくいため、自動車のフロントウインドシールドや路線バスの前面行先表示器ガラス、鉄道車両の前面および側面ガラス、情報機器のモニター用ガラス、防犯ガラスとして用いられる。
また、中間膜の特性を変更することにより、紫外線・赤外線の吸収、防音、着色など、様々な付加機能を与えることも可能である。ただし、その性質上リサイクル(分別)し辛く、使用後は産業廃棄物として処理されることが多い。高高度を飛行するジェット旅客機のコックピットでは、合わせガラス式ウィンドシールドの中間層へ透明な電熱シートを加え加熱することで、低温でガラスが脆くなること(低温脆性)と外部表面の氷結を防いでいる。
緊急脱出ハンマーでは、合わせガラス製のフロントガラスやガラスの中央部は割りにくいため、車の横のサイドウィンドーの隅、もしくは列車などで説明されている指定部を叩くことが推奨される[1][2]。
歴史
合わせガラスは、実験室での事故に着想を得たフランスの化学者エドワール・ベネディクトゥスによって1903年に発明された。ガラスフラスコはコロジオン(ニトロセルロース)で膜が出来ており、落とした時砕けはしたものの、ばらばらにはならなかった。ベネディクトゥスは自動車事故における怪我を減らすため、ガラスとプラスチックの複合材料を製造した。これは自動車製造業者にはすぐには採用されなかったが、合わせガラスは第一次世界大戦の間ガスマスクのアイピースに広く使用された。
脚注
- ^ “車が水没してドアが開かない⇨ガラスのココを叩けば割れやすい。警視庁がコツを伝授、命を守る「緊急脱出ハンマー」”. ハフポスト (2024年8月16日). 2024年12月20日閲覧。
- ^ 自動車ユーザーの皆様へ サイト:国土交通省
関連項目
外部リンク
- 合わせガラス用中間膜 S-LECフィルム - 積水化学のDNAと製品(更新日不明/2016年4月22日閲覧)
合わせガラス(JIS R 3205)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 11:56 UTC 版)
「窓ガラス」の記事における「合わせガラス(JIS R 3205)」の解説
2枚のガラスの間にポリビニルブチラールなどの透明フィルムをはさみこんで、オートクレーブ成形したもの。破損時に破片がほとんど飛散せず、耐貫通性に優れているため、強化ガラスと共に安全ガラスと総称される。
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