強化ガラスとは? わかりやすく解説

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きょうか‐ガラス〔キヤウクワ‐〕【強化ガラス】

読み方:きょうかがらす

板ガラス軟化点近くまで熱し急冷して焼き入れ行い表面内部にひずみ層をつくることによって、耐衝撃性などを強度にしたガラス割れると豆粒状に砕ける。自動車の窓、ブラウン管などに利用


強化ガラス

英語 tempered glass

安全ガラス一種高温(約600)に熱したガラス空気吹き付けて急冷し強度高めながらゆがみを与えて表層部を形成する製法つくられる一般ガラスの3~15倍の強度をもち、衝撃強く破損して破片鈍角になる性質があり人体への危害性も小さい。JISでは「板ガラス熱処理してガラス表面に強い圧縮応力層をつくり」と記され外力フロントウインドウ以外の窓ガラス主として使用されるフロート強化ガラス、型板強化ガラス、熱線反射強化ガラスなどがある。一部分割れても、一瞬のうちに全体粒状白く砕けて視界をさえぎるという短所をもつ。フロントウインドウ用は、現在は安全性がいっそう高く破損時の視界確保しやすい合わせガラス主流になり、強化ガラスはサイドウインドウおよびリヤウインドウなどに使われている。

参照 合わせガラス安全ガラス
※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

強化ガラス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/21 06:02 UTC 版)

強化ガラス(きょうかガラス、英語: toughened glass, tempered glass)とは、一般的なフロート板ガラスに比べ3 - 5倍程度の強度を持つガラスである[1]

概要

高い弾性率剛性率をもちながら透明であるガラスは非常に有用であるが、衝撃を受けると割れてしまうという欠点がある。そこで、表面を圧縮して容易に割れないようにしたガラスが強化ガラスである。このプロセスの後には加工が出来ないため、製造工程の最後に行われる。

強化ガラスは、外部からの衝撃などで発生する細かな傷などで、表面の圧縮層を超えて割れが進行すると、内部には逆に引っ張りの力が存在しているため、ガラス全体が瞬間的に粒状に砕ける[2]。これは、割れると鋭いナイフ状になり危険なフロート板ガラスに比べれば安全である。そのため、車両学校クレーンゲーム筐体などで利用されている。しかし、一部の破損でガラス全体が破損してしまうため、防犯には適さない。

用途

その性質から、自動車の窓や子供の多い学校などで広く利用されている。しかし前面のウィンドシールドについては、事故時に粉々に割れた強化ガラスが一瞬にして視界を奪ってその後の対処が遅れがちになることや破片が運転者や助手席の乗員の眼球を直撃して失明する事故も多発したため、1987年9月以降に生産される自動車には合わせガラスの使用が義務化されるようになった。ただしバットでフルスイングしても割れない程の強度を持っているために、歩行者の保護にはならない。

電子レンジを使用する場合に、耐熱ガラスの代わりに使用される場合があるが、強化ガラスは急激な温度変化で割れる場合があり、危険である。

製法

イオン交換法

ナトリウム(Na)イオンを含有したガラスを、カリウム(K)塩の融解塩に浸けておくと、ガラス表面のNaイオンと溶液中のKイオンが交換され、Kイオンがガラスの表面層に侵入していく。

KイオンはNaイオンよりも大きい粒子であるため、Kイオンが侵入したガラスは狭い隙間につっかえ棒を押し込んだような状態になり、ガラスの表面には圧縮応力の層が生じる。するとガラスを破壊するためには、分子間の結合を破壊する力だけでなく、表面の圧縮応力を取り除く力も必要となる。このため、このガラスを破壊するには通常のガラスよりも大きな力が必要となり、このガラスは強化されたと言える。

風冷強化法

板ガラスを約650 - 700 まで加熱した後、ガラス表面に空気を吹きつけ、急激に冷やすことにより生成する[1]。表面に圧縮応力層を形成するという点ではイオン交換法と同じであるが、風冷強化法では熱処理によって表面層と内部の密度差をつけることによって応力場を形成する。ガラス板の厚さに制約がある(薄いガラス板は不可)。金属加工における焼入れとの類似性から、「焼きを入れる」などと称される。

製品

情報端末向け

脚注

  1. ^ a b ものづくりへのこだわりと挑戦”. 日本板硝子株式会社. 2013年11月13日閲覧。
  2. ^ アミューズメント機器の強化ガラス取扱に関してセガ・インタラクティブ 2017年9月

関連項目


強化ガラス(JIS R 3206)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 11:56 UTC 版)

窓ガラス」の記事における「強化ガラス(JIS R 3206)」の解説

フロート板ガラス表層圧縮応力深層引張応力与えたガラス通常のガラスの3~5倍の強度があり、破損して破片粒状になるため、傷害防止効果がある。応力生じさせる方法には、加熱急冷による熱的方法分子置換による化学的方法があり、ほとんどの強化ガラスは熱的方法製造されている。

※この「強化ガラス(JIS R 3206)」の解説は、「窓ガラス」の解説の一部です。
「強化ガラス(JIS R 3206)」を含む「窓ガラス」の記事については、「窓ガラス」の概要を参照ください。

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