ガガンボとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > 昆虫類 > ハエ目 > ガガンボの意味・解説 

ががんぼ【大蚊】

読み方:ががんぼ

《「蚊ヶ母(かがんぼ)」の意から転じた語》双翅(そうし)目ガガンボ科昆虫総称に似るが大形で、脚が長い。翅(はね)の開張が8センチもあるミカドガガンボ、幼虫が稲の根などを食べキリウジガガンボなど、種類非常に多いかのうばかのおばかとんぼ。《 夏》「障子打つ—にさへ旅心虚子


大蚊

読み方:ガガンボ(gaganbo)

ハエ目ガガンボ科昆虫


ガガンボ

ガガンボ類 Tipulidae

ガガンボ

主な種類
キリウジガガンボ Tioula aino ALEXANDER
ミカドガガンボ Ctenacrocelis mikado WESTWOOD
ベッコウガガンボ Dictenidia pictipennis fasciata COQUILLETT
形態
 外見がカ()に似ているが、遥かに大型
キリウジガガンボ体長15~18mm。ミカドガガンボは日本産最大種で、体長30~38mm、翅長35~45mm。ベッコウガガンボもほぼ同じサイズであるが、黒と橙黄色鮮やかな色彩である。
分布
 ガガンボ類は、全国分布するキリウジガガンボ、ミカドガガンボは、本州四国九州分布する。ベッコウガガンボは日本全国分布する
被害
 カ()に似ていて大きいため恐怖感覚える。光に誘引されて屋内飛来し死骸バラバラ破片になりやすいため、製造工場などでは混入異物となる危険性がある。ガガンボ類の数種類幼虫農作物の根を加害する害虫でもある。
生態
 ガガンボ類の幼虫土中植物の根を食べているものが多く、半水生から水生種類もある。
ミカドガガンボの幼虫小川近く砂地中に生息している。キリウジガガンボイネの根を食害する

ガガンボ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/16 22:26 UTC 版)

ガガンボ科 Tipulidae
生息年代: 後期ジュラ紀現世
Є
O
S
D
C
P
T
J
K
Pg
N
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: ハエ目(双翅目) Diptera
亜目 : カ亜目(糸角亜目) Nematocera
下目 : ガガンボ下目 Tipulomorpha
上科 : ガガンボ上科 Tipuloidea
: ガガンボ科 Tipulidae
英名
Crane fly
亜科

ガガンボ[1](大蚊)[2]は、双翅目糸角亜目ガガンボ科 (Tipulidae) に属する昆虫の1分類群である。

概要

世界中に分布する昆虫であり、日本でもかなりの数の種類を目にすることができる[1]

成虫の形態は、(蚊)を一回り大きくしたような外見を持つ種類が多い[1]。ただし、蚊と違い人や動物を刺して吸血することは無く、花の蜜を主食としている(後述)。また、体も貧弱で死骸も突っつけばすぐバラバラになってしまう。飛行速度についても決して敏速ではなく、1か所を重点的に飛び回ることが多い。しかし、人口密度の高い地域では身を守ったり天敵を回避したりするために一時的に素早く飛ぶ場合がある。とはいえ、実際はあまり強い虫ではない。

に誘われる走光性が強いため、夜間は隙間から屋内に入ってくることもある。それゆえ、製造工場などでは混入異物となる危険性がある。

完全変態であり、幼虫は土中や水中で生活する。土の中で植物の根を食べるため、田園などでは害虫にもなりうる。例として、キリウジガガンボがイネの根を食べることが挙げられる[1]。また、新鮮な植物だけでなく死んだ植物も栄養源としている。成虫は主に花の蜜を主食とし、寿命は10日ほどである。

名称

「蚊の母」を意味しており、元はカガンボだったのがなまってガガンボとして普及した[1]

日本各地でさまざまな地方名があり、カトンボ[3][注釈 1]アシナガトンボ[4]などが広く知られる。

天敵

幼虫は寄生バエ類などに寄生されることもある。寄生菌では硬化菌の2種が確認され、蛹の天敵としては冬虫夏草となる寄生菌の報告がある。そのほか、成虫も含めると鳥類、スズメバチカマキリなど。

日本における分布

日本各地に生息している。

ミカドガガンボ(Ctenacroscelis mikado)は、本州四国九州などに広く生息するほか、キリウジガガンボ(Tipula (Yamatotipula) aino)、ベッコウガガンボ(Ctenophora (Dictenophora) pictipennis fasciata)などは日本全国に生息している。周囲の自然が綺麗な場合、公園や川原など市街地でも見ることができる。

脚注

注釈

  1. ^ 前述の脆弱さにちなみ、これを他人への蔑称として用いる例も見られる[3]

出典

  1. ^ a b c d e ガガンボ」『改訂新版 世界大百科事典、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、百科事典マイペディア』https://kotobank.jp/word/%E3%82%AC%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%9Cコトバンクより2024年11月26日閲覧 
  2. ^ 大蚊」『デジタル大辞泉、精選版 日本国語大辞典、動植物名よみかた辞典 普及版』https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A7%E8%9A%8Aコトバンクより2024年11月26日閲覧 
  3. ^ a b 蚊蜻蛉」『デジタル大辞泉、精選版 日本国語大辞典』https://kotobank.jp/word/%E8%9A%8A%E8%9C%BB%E8%9B%89コトバンクより2025年1月14日閲覧 
  4. ^ フルカラー工場虫図鑑(19)ガガンボ類」『日本食糧新聞』日本食糧新聞社、2021年11月1日、72面。2025年1月14日閲覧。

外部リンク


「ガガンボ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ガガンボ」の関連用語

1
100% |||||





6
100% |||||

7
100% |||||


9
蚊の姥 デジタル大辞泉
100% |||||

10
100% |||||

ガガンボのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ガガンボのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
イカリ消毒イカリ消毒
Copyright 2025 IKARI CORPORATION All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのガガンボ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS