オルドビス‐き【オルドビス紀】
オルドビス紀
【英】: ordovician period
古生代の第 2 番目の地質時代。 絶対年代で 5.0 億~ 4.3 億年前の間をいう。名称は、模式地の英国、ウェールズ地方北部に住んでいたケルト人のオルドビス族(Ordovices)にちなみ、Lapworth(1879)が提唱。生物は、一部でカンブリア紀型の三葉虫も残っているが、頭足類、腹足類などを見るとカンブリア紀動物群と歴然とした差がある。特にカンブリア紀後期に出現した筆石類が全盛となり、次のシルル紀とともに筆石時代とも呼ばれる。無脊椎{むせきつい}動物綱では、珊瑚{さんご}類の出現で大多数の種類が出揃い、最初のせきつい動物である魚類も出現する。植物は、引き続き藻類が主であるが、下等な通道組織をもった陸生植物もわずかに発見されている。この時代の堆積物{たいせきぶつ}をオルドビス系と呼ぶ。岩質は炭酸塩岩、「筆石頁岩{ひっせきけつがん}」を主とするが、カレドニア造山運動の及んだ地域(アイルランド、英国、スカンジナビア半島)では、溶岩を挟む地向斜型堆積物も知られている。 |
オルドビス紀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/30 10:03 UTC 版)
累代 | 代 | 紀 | 世 | 期 | 基底年代 Mya[* 3] | |
---|---|---|---|---|---|---|
顕生代 | 新生代 | 66 | ||||
中生代 | 251.902 | |||||
古生代 | ペルム紀 | ローピンジアン | チャンシンジアン | 254.14 | ||
ウーチャーピンジアン | 259.1 | |||||
グアダルピアン | キャピタニアン | 265.1 | ||||
ウォーディアン | 268.8 | |||||
ローディアン | 272.95 | |||||
シスウラリアン | クングーリアン | 283.5 | ||||
アーティンスキアン | 290.1 | |||||
サクマーリアン | 293.52 | |||||
アッセリアン | 298.9 | |||||
石炭紀 | ペンシルバニアン亜紀 | 後期 | グゼリアン | 303.7 | ||
カシモビアン | 307 | |||||
中期 | モスコビアン | 315.2 | ||||
前期 | バシキーリアン | 323.2 | ||||
ミシシッピアン亜紀 | 後期 | サープコビアン | 330.9 | |||
中期 | ビゼーアン | 346.7 | ||||
前期 | トルネーシアン | 358.9 | ||||
デボン紀 | 後期 | ファメニアン | 372.2 | |||
フラニアン | 382.7 | |||||
中期 | ジベティアン | 387.7 | ||||
アイフェリアン | 393.3 | |||||
前期 | エムシアン | 407.6 | ||||
プラギアン | 410.8 | |||||
ロッコヴィアン | 419.2 | |||||
シルル紀 | プリドリ | 423 | ||||
ラドロー | ルドフォーディアン | 425.6 | ||||
ゴースティアン | 427.4 | |||||
ウェンロック | ホメリアン | 430.5 | ||||
シェイウッディアン | 433.4 | |||||
ランドベリ | テリチアン | 438.5 | ||||
アエロニアン | 440.8 | |||||
ラッダニアン | 443.8 | |||||
オルドビス紀 | 後期 | ヒルナンシアン | 445.2 | |||
カティアン | 453 | |||||
サンドビアン | 458.4 | |||||
中期 | ダーリウィリアン | 467.3 | ||||
ダーピンジアン | 470 | |||||
前期 | フロイアン | 477.7 | ||||
トレマドキアン | 485.4 | |||||
カンブリア紀 | フロンギアン | ステージ10 | 489.5 | |||
ジャンシャニアン | 494 | |||||
ペイビアン | 497 | |||||
ミャオリンギアン | ガズハンジアン | 500.5 | ||||
ドラミアン | 504.5 | |||||
ウリューアン | 509 | |||||
シリーズ2 | ステージ4 | 514 | ||||
ステージ3 | 521 | |||||
テレニュービアン | ステージ2 | 529 | ||||
フォーチュニアン | 541 | |||||
原生代 | 2500 | |||||
太古代[* 4] | 4000 | |||||
冥王代 | 4600 | |||||
オルドビス紀(オルドビスき、Ordovician period)とは、地質時代、古生代前期における区分で、約4億8830万年前から約4億4370万年前までを指す。オルドビスの名前は、模式地であるウェールズ地方に住んでいた古代ケルト系部族「オルドウィケス族」(Ordovices) からついた。奥陶紀(おうとうき)ともいう[1]。
オルドビス紀は、生物の多様化がカンブリア紀並に進んだ時代である。オウムガイに代表される軟体動物や三葉虫のような節足動物、筆石のような半索動物が栄えた。また、オルドビス紀後期には顎を持つ魚類が登場した。
オルドビス紀末には大量絶滅が起こった。
時代区分
オルドビス紀は以下のように7の時代に分けられている。
- ヒルナント期 (Hirnantian)
- 4億4370万年 - 4億4560万年前
- ケイティ期 (Katian)
- 4億4560万年 - 4億5580万年前
- サンドビ期 (Sandbian)
- 4億5580万年 - 4億6090万年前
- ダリウィル期 (Darriwilian)
- 4億6090万年 - 4億6810万年前
- ダーピン期 (Dapingian)
- 4億6810万年 - 4億7180万年前
- フロー期 (Floian)
- 4億7180万年 - 4億7860万年前
- トレマドッグ期 (Tremadocian)
- 4億7860万年 - 4億8830万年前
オルドビス紀末の大量絶滅
オルドビス紀は、顕生代の5大量絶滅事変の1つに数えられる大量絶滅により、その終焉を迎えた。このオルドビス紀末の絶滅事変は、絶滅した属の割合で見ればペルム紀末の大量絶滅に次ぐ大規模なものである。海生多細胞生物の科の22%、属の49%が絶滅し、腕足類、コケムシ類も大打撃を受けた。大量絶滅の原因ははっきりしていない。この時期、大陸は南極域にあり、短い期間であるが大陸氷河が発達した。絶滅は、氷床の発達に伴う海水準の低下時及び氷河の消滅に伴う海水準の上昇時の2回確認されている[2]。
脚注
- ^ “デジタル大辞泉の解説”. コトバンク. 2018年1月14日閲覧。
- ^ 掛川・海保 (2011)
参考文献
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関連項目
外部リンク
- “地質系統・年代の日本語記述ガイドライン 2014年1月改訂版”. 日本地質学会. 2014年3月19日閲覧。
- “INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART (国際年代層序表)” (PDF). 日本地質学会. 2016年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月19日閲覧。
- 仲田崇志 (2009年10月29日). “地質年代表”. きまぐれ生物学. 2011年2月14日閲覧。
オルドビス紀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 03:21 UTC 版)
「グレートブリテン島の地質」の記事における「オルドビス紀」の解説
500 Myaのオルドビス紀に、グレートブリテン島南部、北アメリカの東海岸およびニューファンドランド島南東部がゴンドワナ大陸から分離し、アヴァロニア大陸(英語版)を形成した。この大陸は440 Myaまでに(プレートテクトニクスの仕組みにより)およそ30°南まで移動した。 オルドビス紀にはウェールズ北部は火山活動の影響を受けやすかった。これらの火山の残りは現在も見ることができ、その一例が510 Myaに始まるローベル・バウル山(英語版)である。ボロウデイル火山群(英語版)として知られる火山の大量の溶岩と火山灰が湖水地方を覆い尽くした。これは現在もヘルベリン山(英語版)やスコーフェル山(英語版)のような山々の形態に見ることができる。 オルドビス系は500 Mya頃のスキッドー(英語版)粘板岩層の堆積物にも見られる。
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