完新世とは? わかりやすく解説

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かんしん‐せい〔クワンシン‐〕【完新世】

読み方:かんしんせい

地質時代の区分の一で、最も新しい時代。更新世の最後の氷期が終わり、温暖化が始まった1万年前から現在まで。人類が大発展し、ほぼ新石器時代以降にあたる。沖積世(ちゅうせきせい)。現世。


完新世

約1万年前~現在までの期間。
⇒沖積紀(沖積世)

完新世

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/16 13:34 UTC 版)

地質時代・新生代[* 1][* 2]
累代 代 紀 世 期 基底年代
Ma[* 3]
顕生代 新生代 第四紀 完新世 メガラヤン 00000.0042
ノースグリッピアン 00000.0082
グリーンランディアン 00000.0117
更新世 後期更新世 00000.129
チバニアン 00000.774
カラブリアン 00001.80
ジェラシアン 00002.58
新第三紀 鮮新世 ピアセンジアン 00003.600
ザンクリアン 00005.333
中新世 メッシニアン 00007.246
トートニアン 00011.63
サーラバリアン 00013.82
ランギアン 00015.98
バーディガリアン 00020.45
アキタニアン 00023.04
古第三紀 漸新世 チャッティアン 00027.30
ルペリアン 00033.9
始新世 プリアボニアン 00037.71
バートニアン 00041.03
ルテシアン 00048.07
イプレシアン 00056.00
暁新世 サネティアン 00059.24
セランディアン 00061.66
ダニアン 00066.00
中生代 00 251.902±0.024
古生代 00 538.8±0.6
原生代 0 2500
太古代[* 4] 0 4031±3
冥王代 0 4567
  1. ↑ 基底年代の数値は、ICSチャートv2024/12による。本文中の記述は、異なる出典によるためこの表と違う場合もある。
  2. ↑ 基底年代の更新履歴
  3. ↑ 百万年前(=mega annum)
  4. ↑ 「始生代」の新名称、日本地質学会が2018年7月に改訂
グリーンランドの氷床コアで求められた氷床表面の大気温度の推移。亜氷期のヤンガードリアス期が約11,700年前の最後の10年間で気温が8.3℃上昇し、亜間氷期のプレボレアル期に移行する。

完新世(かんしんせい、Holocene/英: Holocene epoch)は、西暦2000年を基準にした11,700年前から現在まで(近未来も含む)を指す、地質年代の区分(世)である。新生代第四紀の第2世にあたる最も新しい区分である。 年代層序では新生界第四系で最も上部にある統(英語版)である、完新統(かんしんとう、英: Holocene series)に対応する。 完新世/完新統は、メガラヤン、ノースグリッピアン、グリーンランディアンの3つの期/階に区分される。

最終氷期の終了が更新世との境界であり、かつては大陸ヨーロッパにおける氷床の消滅をもって定義され、現在はヤンガードリアスの終了期として、グリーンランド中央部から採取された氷床コアの研究に基づきGSSPにより0.0117Ma (西暦2000年の1万1,700年前)が定められている[1]。

かつて用いられていた区分である沖積世(Alluvium)[注 1]は、完新世とほぼ同じ時期を指す。

特に20世紀以降、人間の開発による気候変動が顕著になったため、新しい時代として人新世が提案されている[2]。

気候

気候環境が一転して地球全体が温暖化し、氷河がモレーン(堆石)を残して後退した。その過程ではヤンガードリアス (Younger Dryas:YD) と呼ばれる「寒の戻り」期(約1万4000 - 1万1500年前)があり、8200年前にも寒冷期が認められる[3]が、そうした変動もありつつ温暖化が進んで6000年前頃にピークを迎える。現在は、次の氷河期に向かう途中、本来なら次第に寒くなる時期にあたると考えられている[4]。右の2000年間の平均気温を推定したグラフでも、産業革命前まで、地球の平均気温は低下傾向にあったことが分かる。

地球の平均気温は、中世温暖期が地球規模の現象ではなかったこと、また小氷期が地球規模の明確な期間ではなく、むしろ最近の地球温暖化に先立つ長期にわたる気温低下の終わりであったことを示している[5]。

しかし、人間活動の大規模化で、二酸化炭素をはじめとした、温室効果ガスの人為的な大量排出が行われた。その影響で、本来のサイクルが崩れ、急激な気候変動が進行している。世界平均気温(英語版)は産業革命前と比較して、2001~20年の20年間で約0.99℃、2011~20年の10年間では約1.09℃上昇している[6]。

大陸

期間が短いため大規模な大陸の移動などはないが、完新世の初期には、大陸氷床の融解によって海面が130m以上急激に上昇した。特に完新世の気候最温暖期と呼ばれる時代には、現在より3メートルから5メートルほど海水準(陸地に対する海面の相対的な高さ)が高かったとされる(縄文海進)。その後、海面は緩やかに下降し、海水準は直近の2,000年ほどは比較的安定している。スンダランドが海中に没し、現在のインドネシアやフィリピンなどに相当する地域がユーラシア大陸から分離して島となった。ベーリング海に存在した陸橋ベーリンジアが温暖化の海進により水没し、北米大陸はユーラシア大陸から分離した。9600年前ころ、ドーバー海峡ができ、現在のブリテン諸島が大陸から切り離される[7]。約7300年前に南九州の鬼界カルデラが噴火する。同時に巨大地震や巨大津波が発生した[8]。

生物相

この時代、マンモスやトナカイなどの大型哺乳類が絶滅した。地球各地が湿潤化して森林が増加し、草原が減少したことが原因と言われるが、人類による過剰な狩猟が招いたとする説もある。どちらが主たる要因であるのかは、現在でも論争が続いている[9]。

人類の発展と環境破壊

更新世末から完新世初めにかけて、人類の直接の祖先であるヒト(ホモ・サピエンス・サピエンス)が世界規模で拡散する。人類の生活はそれまで、遊動しながらの狩猟(漁労)採集活動生活であったが、大きな川の流域などで定住農耕牧畜生活に大きく転換した。徐々に人類が文明を築き始めたことは人類史にとって重要な変化であった[10]。

一方、文明社会の進展で、人間活動が大規模になると、環境破壊が進行した。無計画な森林伐採が行われ、そこに戦争による戦災も加わり、森林の荒廃を引き起こした[11][12][13]。破壊的な人間活動は、温室効果ガス(二酸化炭素、メタンなど)の大量排出による気候変動(地球温暖化など)、海洋汚染、熱帯雨林の破壊、生物多様性の喪失を招いている[14]。

脚注

注釈

  1. ↑ 沖積世の名は、地質学に時期区分が導入された17世紀のヨーロッパでこの時代の地層がノアの洪水以降に生成されたと信じられたことによる。現在では神話に結びつけることは望ましくないことと、より厳密な定義が必要とされたことにより、この区分名は使われなくなった。

出典

  1. ↑ Mike Walker; Sigfus Johnsen; Sune Olander Rasmussen; Trevor Popp; Jørgen-Peder Steffensen; Phil Gibbard; Wim Hoek; John Lowe et al. (2009). “Formal definition and dating of the GSSP (Global Stratotype Section and Point) for the base of the Holocene using the Greenland NGRIP ice core, and selected auxiliary records” (pdf). JOURNAL OF QUATERNARY SCIENCE 24 (1): 3-17. doi:10.1002/jqs.1227.
  2. ↑ “人類の時代「人新世」で地球史上6度目の大量絶滅期が訪れる? | SDGsゼミリポート | サステイナブルな未来を多様な視点で探求する”. sdgs.waveltd.co.jp. 2026年2月27日閲覧。
  3. ↑ 日本第四紀学会・町田洋・岩田修二・小野昭編著 『地球史が語る近未来の環境』 東京大学出版会 2007年 13ページ
  4. ↑ 新生代 -栃木県の地球科学-
  5. ↑ “Data.GISS: GISS Surface Temperature Analysis (v4): Analysis Graphs and Plots”. data.giss.nasa.gov. 2026年2月27日閲覧。
  6. ↑ “地球温暖化とは?地球温暖化の原因と予測”. JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター. 2026年2月25日閲覧。
  7. ↑ 鈴木秀夫著『気候変化と人間 -1万年の歴史-』原書房 2004年 19ページ
  8. ↑ 日本第四紀学会・町田洋・岩田修二・小野昭編著 『地球史が語る近未来の環境』 東京大学出版会 2007年 24ページ
  9. ↑ “H06第四紀末大量絶滅―失われた巨獣たちの世界”. www.hitohaku.jp. 2026年2月27日閲覧。
  10. ↑ 佐藤宏之「持続的資源利用の人類史」/ 日本第四紀学会、町田洋・岩田修二・小野昭編著 『地球史が語る近未来の環境』 東京大学出版会 2007年 154-155ページ
  11. ↑ seigo (2021年12月21日). “【日本の林業の歴史を学ぶ】過去も未来も人は生きてる限り木と密接な関係です。 | 京都・京北の山林のことなら株式会社四辻”. 株式会社四辻. 2026年2月25日閲覧。
  12. ↑ “日本の森の歴史:2.日本人と森:森学ベーシック|私の森.jp 〜森と暮らしと心をつなぐ〜”. watashinomori.jp. 2026年2月25日閲覧。
  13. ↑ “西洋中世期における森の利用と保護への動き”. 中世ヨーロッパの道 (2026年2月3日). 2026年2月25日閲覧。
  14. ↑ “人類の時代「人新世」で地球史上6度目の大量絶滅期が訪れる? | SDGsゼミリポート | サステイナブルな未来を多様な視点で探求する”. sdgs.waveltd.co.jp. 2026年2月25日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


完新世

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 03:21 UTC 版)

「グレートブリテン島の地質」の記事における「完新世」の解説

最近の1万2000年間は完新世として知られる。完新世の間に発生した最も重大な地質的特徴は、イングランドおよびウェールズの高地地方と沿岸部、およびスコットランドの泥炭堆積物である。サマセット低地(英語版)、フェンズ(英語版)と呼ばれるイングランド東部の沼沢地帯、およびロムニー・マーシュ(英語版)と呼ばれる湿地帯などの低地の堆積物の多くは、最近になって人工的に水を抜かれたものである。 新石器時代には人間が森林の開拓を始めたので、今では陸地のほとんどで森林が伐採されてしまい、侵食の自然過程が加速している。大量の石、砂利、粘土が毎年採取され、2000年までにイングランドの面積の11%が道路や建築物で覆われている。 現在、ディベンシアン氷河の重さが持ち上げられた結果、スコットランドは上昇を続けている。反対に、イングランドの南部と東部は大まかな推定で1年に1 mmずつ沈降しており、ロンドン地域は最近の粘土堆積物の圧密(英語版)が継続しているために部分的にその2倍の速度で沈降している。 加えて、地球温暖化が原因と考えられる海水準の上昇は、陸地の海抜付近の地域をますます洪水の影響を受けやすい地域にしているようである一方、海岸線が地質学的に急速度で浸食し続けている地域もある。 グレートブリテン島は毎月、複数のごく軽微な地震の影響を受けやすい状態が続いており、軽度から中程度の地震はよく発生する。20世紀中には、モーメントマグニチュードが4.5から6.1の有感地震が25回発生し、それらの多くはブリテン諸島内を震源とするものであった。

※この「完新世」の解説は、「グレートブリテン島の地質」の解説の一部です。
「完新世」を含む「グレートブリテン島の地質」の記事については、「グレートブリテン島の地質」の概要を参照ください。

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