大量絶滅とは? わかりやすく解説

大量絶滅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/27 00:49 UTC 版)

大量絶滅(たいりょうぜつめつ)とは、ある時期に多種類の生物が同時に絶滅すること。大絶滅(だいぜつめつ)ともよばれる。


注釈

  1. ^ 坂元志歩『徹底図解 宇宙のしくみ』(新星出版社、2006年)60頁などではビッグファイブと呼ばれている。
  2. ^ 一般に中生代において哺乳類は恐竜に比べて少数派であったような印象があるが、これは正しい認識ではない。大型動物を恐竜が占めており、陸上の生態系における上位の存在だったというのが正解である。中生代の地層から288以上の属が発見されており、アメリカ大陸およびヨーロッパ大陸においては恐竜を数的には上回っていることが確認されている。それ以外の地域では中生代における哺乳類の化石の発掘がそれほど盛んに行われていないことと、化石自体が小さく見つかりにくいため確認は取れていないが、中生代に生息していた哺乳類の種は、恐竜のそれをはるかに上回る可能性が高い[2]
  3. ^ 以下、絶滅率については、パウエル (2001) による。
  4. ^ これを生き延びた一部の種もミシシッピ紀石炭紀前期)までに、ことごとく滅んだ。
  5. ^ 魚竜はK-Pg境界よりも早い約9000万年前に絶滅したとされる。

出典

  1. ^ ウォード(2005)による。
  2. ^ 平山廉図解雑学 恐竜の謎』(ナツメ社、2002年)p144-145。
  3. ^ a b 掛川・海保 (2011)
  4. ^ Wanjek, Christopher (2005年4月6日). “Explosions in Space May Have Initiated Ancient Extinction on Earth”. NASA. 2008年6月15日閲覧。
  5. ^ 大噴火で最初の大量絶滅 4億4千万年前の地層分析”. 日本経済新聞電子版 (2017年5月11日). 2017年5月13日閲覧。
  6. ^ 地球最初の大量絶滅、期間は20万年 雲南省の地層で解明”. AFP (2020年1月6日). 2020年2月5日閲覧。
  7. ^ 史上最大の生物の大量絶滅の原因を特定 地下の炭化水素の高温燃焼が気候変動を起し大量絶滅を起こした 東北大学プレスリリース(2020年11月9日)2021年1月19日閲覧
  8. ^ a b 速水(2004)
  9. ^ パウエル(2001)
  10. ^ 富田京一他『21世紀こども百科 宇宙館』(小学館、2001年)p142
  11. ^ a b c フォーティ(2003)pp.305-312
  12. ^ クルテン(1983)pp.95-99
  13. ^ フォーティ(2003)pp.305-312
  14. ^ 田近英一『地球環境46億年の大変動史』(株式会社化学同人、2009年5月30日、ISBN 978-4-7598-1324-1)p113ほか。
  15. ^ 浜田・益富(1966)pp.77-83
  16. ^ 長谷川政美『系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史 僕たちの祖先を探す15億年の旅』ベレ出版〈BERET SCIENCE〉、2014年、102ほか頁。ISBN 978-4-86064-410-9 
  17. ^ Predator–prey interactions amongst Permo‐Triassic terrestrial vertebrates as a deterministic factor influencing faunal collapse and turnover(2017:J Codron)
  18. ^ 長谷川政美『系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史 僕たちの祖先を探す15億年の旅』ベレ出版〈BERET SCIENCE〉、2014年、102ほか頁。ISBN 978-4-86064-410-9 
  19. ^ Hesselbo, S.P.; Robinson, S.A.; Surlyk, F.; Piasecki, S. (2002), “Terrestrial and marine extinction at the Triassic-Jurassic boundary. synchoronized with major carbon cycle perturbation: A link to initiation of massive volcanism”, Geology 30: 251-254 .
  20. ^ McElwain, J.C.; Beerling, D.J.; Woodward, F.I. (1999), “Fossilplants and global warming at the Triassic-Jurassic boundary.”, Science 285: 1386-1390 .
  21. ^ McElwain, J.C.; Hesselbo, S.P.; Haworth, M.; Surlyk, F. (2007), “Macroecological responses of terrestrial vegetation to climatic and atmospheric change across the Triassic/Jurassic boundary in East Greenland.”, Paleobiology 33: 547-573 .
  22. ^ 「2億1500万年前に巨大隕石=木曽川地層に証拠-大絶滅の原因か・鹿児島大など」時事ドットコム(2012年11月6日6時57分配信)
  23. ^ 「2億1500万年前の巨大隕石衝突による海洋生物絶滅の証拠を発見」熊本大学海洋研究開発機構高知大学東京大学新潟大学千葉工業大学共同プレスリリース(2016年7月8日)2019年7月28日閲覧。
  24. ^ 「2億1500万年前の衝突は直径が最大で8km弱の超巨大隕石だった - 九大など」マイナビニュース(2013年9月18日)2019年7月28日閲覧。
  25. ^ 「鹿児島大など、三畳紀後期の巨大隕石衝突の世界初となる証拠を岐阜にて発見」マイナビニュース(2012年11月6日)2019年7月28日閲覧。
  26. ^ Tetsuji Onoue; Honami Sato; Daisuke Yamashita; Minoru Ikehara; Kazutaka Yasukawa; Koichiro Fujinaga; Yasuhiro Kato; Atsushi Matsuoka (2016年7月8日版). “Bolide impact triggered the Late Triassic extinction event in equatorial Panthalassa”. Scientific Reports. http://www.nature.com/articles/srep29609. 
  27. ^ 読売新聞』2011年2月5日22時8分配信 ※記事名不明
  28. ^ Douglas H. Erwin著、大野照文監訳、沼波信・一田昌宏訳『大絶滅 -2億5千年前、週末寸前まで追い詰められた地球生命の物語』(共立出版 2009年)25ページ
  29. ^ Peter Schulte; Laia Alegret, Ignacio Arenillas, Jose A. Arz, Penny J. Barton, Paul R. Bown, Timothy J. Bralower, Gail L. Christeson, Philippe Claeys, Charles S. Cockell, Gareth S. Collins, Alexander Deutsch, Tamara J. Goldin, Kazuhisa Goto, Jose M. Grajales-Nishimura, Richard A. F. Grieve, Sean P. S. Gulick, Kirk R. Johnson, Wolfgang Kiessling, Christian Koeberl, David A. Kring, Kenneth G. MacLeod, Takafumi Matsui, Jay Melosh, Alessandro Montanari, Joanna V. Morgan, Clive R. Neal, Douglas J. Nichols, Richard D. Norris, Elisabetta Pierazzo, Greg Ravizza, Mario Rebolledo-Vieyra, Wolf Uwe Reimold, Eric Robin, Tobias Salge, Robert P. Speijer, Arthur R. Sweet, Jaime Urrutia-Fucugauchi, Vivi Vajda, Michael T. Whalen, Pi S. Willumsen (2010). “The Chicxulub Asteroid Impact and Mass Extinction at the Cretaceous-Paleogene Boundary”. Science 327: 1214. doi:10.1126/science.1177265. 
  30. ^ 後藤和久『決着! 恐竜絶滅論争』岩波書店〈岩波科学ライブラリー〉、2011年。ISBN 978-4-00-029586-4 
  31. ^ 「恐竜絶滅は小惑星衝突のせいではない?英研究者らが新説」BBC(2016年04月20日)
  32. ^ NATIONAL SURVEY REVEALS BIODIVERSITY CRISIS - SCIENTIFIC EXPERTS BELIEVE WE ARE IN MIDST OF FASTEST MASS EXTINCTION IN EARTH'S HISTORY”. アメリカ自然史博物館. 2007年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月12日閲覧。


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大量絶滅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 02:47 UTC 版)

環境に及ぼす人類の影響」の記事における「大量絶滅」の解説

詳細は「大量絶滅#完新世」を参照 生物多様性とは一般的に地球上生命体多種多様さを指し、この惑星にいる様々な種の数によって表される出現し以来ホモサピエンスヒト種)は種全体直接狩猟などを通じて)または間接的に生息地破壊などにより)殺しており、驚くべき速さ種の絶滅引き起こしている。 人類完新世絶滅呼ばれる現在の大量絶滅の原因であり、通常のバックグラウンド率(比較基準となる率)の100倍から1000倍の絶滅引き起こしている。専門家大半人類種の絶滅加速させていることに同意しており、人類がいない前提なら地球生物多様性衰退どころか指数関数的に増加するだろうと述べ学識者数名いる。完新世絶滅継続中であり、肉の消費乱獲海洋酸性化両生類危機などが生物多様性における世界的減衰事例である。人口過多とそれに伴う過剰消費がこの急減少の主な推進力だと考えられている 。2017年の『World Scientists' Warning to Humanity世界科学者による人類への警告)』は、とりわけ人類によって解き放たれたこの6番目の絶滅イベント多く現生生物滅ぼしており、今世紀末までに彼らを絶滅追いやる可能性があると主張している。 『米国科学アカデミー紀要』で発表され2020年研究では、現代絶滅危機は「不可逆的なので文明存続にとって最も深刻な環境脅威になるかもしれず」、またその加速は「人類の数と消費率が依然として急増しているため確実なもの」だという。 エネルギー政策経済成長中心であるため、環境への 高い政治的関心は主に気候変動焦点向けていた。しかし生物多様性地球将来にとって気候変動同じくらい重要である。 -ロバート・ワトソン, 2019年

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大量絶滅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/15 07:59 UTC 版)

レーティアン」の記事における「大量絶滅」の解説

詳細は「T-J境界」を参照 ただし三畳紀ジュラ紀境界でもあるレーティアン/ヘッタンギアン境界顕生代四度目となる大量絶滅が発生しており、事実上テチス海から消滅したサンゴヘッタンギアンの間に以前水準まで回復することはなかった。コノドント三畳紀末の大量絶滅絶滅迎えたほか、三畳紀で最も繁栄していたアンモナイトであるセラタイト目(英語版)もレーティアンの末に絶滅した両生類分椎目大部分T-J境界までに絶滅した。現在知られている中で最後メトポサウルス科(英語版)であるコスキノノドン(英語版)は後期ノーリアンあるいは前期レーティアン相当する考えられるレオドンタ累層英語版)から産出しており、最後のプラギオサウルス科(英語版)であるゲロトラックスもおそらくレーティアン階から産出している。2018年にはカピトサウルス類(英語版の上腕骨レーティアン堆積層から報告されている。プラギオサウルス科とカピトサウルス類はT-J境界にごく近い時代絶滅した可能性高く、他の分椎目大半は既に絶滅していたと考えられている。 レーティアンとそれに続くヘッタンギアンでは陸上動物化石限られている。陸上爬虫類ではワニに近いフィトサウルス目(英語版)、プロコロフォン科(英語版)、偽鰐類のパラクロコダイリモーファ(英語版)がT-J境界直前相当する地層から化石産出しており、これらはT-J境界に近い時代絶滅したとされる海生爬虫類では板歯目最後の科であるプラコケリス科(英語版)が絶滅したまた、魚竜のうちシャスタサウルス科(英語版)とショニサウルス科(英語版)といった大型グループ絶滅し、その形態的な多様性取り戻されることはなかった。

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大量絶滅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/08/18 04:06 UTC 版)

K-T境界」の記事における「大量絶滅」の解説

中生代大型爬虫類全盛時代であった。特に恐竜三畳紀末から白亜紀最後にかけて、主要な生物として地上君臨した翼竜三畳紀末に空中進出し白亜紀前期終盤まで繁栄しその後数を減らしつつあった。海中では三畳紀以来魚竜K-T境界事件前には既に絶滅していたが、首長竜大型の海トカゲモササウルス類)などは白亜紀最終段階まで生存していた。K-T境界を境にして、これらの大型爬虫類全て絶滅した生き残ったのは、爬虫類系統では比較小型カメヘビトカゲ及びワニなどに限られた恐竜直系の子孫である鳥類も古鳥類英語版)がことごとく絶滅したが、現生鳥類につながる真鳥類絶滅免れている。海中ではアンモナイト類はじめとする海生生物の約16%の科と47%の属が姿を消した。これらの生物がいなくなった後、それらの生物占めていたニッチ哺乳類と鳥類によって置き換わり、現在の生態系形成された。陸上植物相は、白亜紀末には被子植物多様性化をとげていたが、裸子植物針葉樹類比べれば数は少なかったK-T境界前後花粉分析結果K-T境界直後シダ植物一時的進出挟んで構成大きく変化させていることが明らかになった。なお、その花粉中にユリ花粉発見されており、衝突時期6月だと推定されている。

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大量絶滅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 17:02 UTC 版)

P-T境界」の記事における「大量絶滅」の解説

概要は大量絶滅#ペルム紀末を参照一般に古生代陸上生物両生類単弓類中生代恐竜代表される爬虫類時代と言われている。P-T境界では、この交代原因となる大量絶滅が起こったペルム紀末に海中住んでいた海生無脊椎動物は種レベルでの絶滅率は90%以上、属レベルでは82%、科レベルでは50%が消滅した見積もられている。この中には三葉虫古生代型サンゴ・フズリナなど古生代幅広く生息していた生物種が含まれる脊椎動物のうち、82%の科が絶滅した。また昆虫植物などの陸上生物たくさんの種類絶滅した絶滅した生物種恐竜絶滅有名なK-Pg境界(K-T境界)よりはるかに多くカンブリア紀以降最大規模絶滅である。大絶滅原因について種々の仮説提出されているが、いまのところ地質学者大半同意するような明確な説は無い。

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大量絶滅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/17 03:14 UTC 版)

ファメニアン」の記事における「大量絶滅」の解説

詳細は「F-F境界」を参照 五大大量絶滅にも数えられる後期デボン紀の大量絶滅はファメニアン起きている。ベルギーフラニアン - ファメニアン境界付近ベトナムデボン紀 - 石炭紀境界付近ではジベンゾフランカダレンピーク認められており、これはそれぞれ海洋への土砂流入維管束植物を示すバイオマーカーである。このことから、陸上植生崩壊示唆されている。 フラニアン - ファメニアン境界の大量絶滅においては放散虫被害受けず繁栄していたと考えられていた。しかし2002年には、放散虫は科レベル多様性を失わなかったものの、属の27%がフラニアン末に絶滅していたことが判明したファメニアン期1つ前の時代であるフラニアン期ではEntactinaria亜目支配的な放散虫であったが、境界放散虫群集大転換起きファメニアン期ではAlbaillellaria亜目とNassellaria亜目繁栄した

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大量絶滅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 04:48 UTC 版)

デボン紀」の記事における「大量絶滅」の解説

デボン紀後期から石炭紀初期は、5大大絶滅一時期であり、特に前述サンゴ礁作る赤道域の浅海域選択的に絶滅起こっている。この大絶滅により、海洋生物種の82%が絶滅した。その中にはデボン紀繁栄極めたダンクルオステウスなどの板皮類や、原始的な脊椎動物である無顎類大部分や、プロエタス目を除いた三葉虫大部分含まれる炭素酸素ストロンチウムなどの同位体測定や、元素分析による古環境解析から、気候急激な寒暖変化海水面の後退乾燥化低酸素化、などの大きな環境変化デボン紀後期繰り返し発生し、おそらくこれらの環境変化が大量絶滅の要因考えられている。

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