メタンハイドレート
水の分子に天然のメタンガスが取り込まれた物質。シャーベット状の固体であることが多く、「燃える氷」の異名を持つ。
メタンハイドレートは燃焼しやすく、燃焼後には有害物質を出さない、二酸化炭素排出量も化石燃料の半分以下である、といった特徴があり、従来の石油・石炭に替わる新たな天然ガス資源として注目されている。
日本近海の海底には世界有数の埋蔵量を持つメタンハイドレートの埋蔵域があると推定されている。
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は2012年2月に、メタンハイドレートを掘削し天然ガスを産出する取り組みを開始すると発表した。
関連サイト:
メタンハイドレート - J NEWS WEB(JOGMEC 資源情報館)
メタン‐ハイドレート【methane hydrate】
メタンハイドレート(めたんはいどれーと)(methane hydrate)
メタン分子が低温かつ高圧の状態で水分子と化合してできるゼリー状または粉雪状の化学物質のこと。石油や石炭といった従来の化石燃料に代わる次世代のエネルギー資源として期待されている。
メタンハイドレートは、水和物として燃えやすいメタンガスが閉じ込められているため、「燃える氷」と呼ばれることがある。メタン自体は非常に強い温室効果ガスだが、燃焼後には水と二酸化炭素が残るだけなので、環境への負荷が低いと考えられている。
プランクトンの死骸などが堆積する海底では、低温かつ高圧の状態が実現することから、自然にメタンハイドレートを生み出している。日本近海には、このようにしてできたメタンハイドレートが広く分布していると推定されている。
経済産業省は2001年にメタンハイドレート開発計画を策定し、エネルギー資源としての実用化を推進している。東京大学や海洋研究開発機構などの研究チームは20日、新潟県上越市沖の日本海海底深部にメタンハイドレートが深さ100メートルの柱状に存在していると発表した。
(2006.02.22掲載)
メタンハイドレート
メタンハイドレートは、天然ガスの主成分であるメタンが水分子に取り込まれ結晶化したシャーベット状の固体物質で「燃える氷」と言われています。低温・高圧下の永久凍土や深海底に埋蔵されており、日本近海では南海トラフや北海道、新潟県沖、南西諸島に存在することが確認されています。その埋蔵量は推定7.4兆立方メートル(経産省「メタンハイドレート開発計画」より)で、日本の天然ガス使用量約100年分、世界最大規模と言われています。
ただ、メタンハイドレートからメタンを低コストで生産(回収)する技術のハードルには高いものがあります。石油やガスのようにくみ上げることができず、大規模な掘削・生産設備が必要になり、深海の場合はさらにコストが膨らみます。政府は、メタンハイドレートなど日本周辺の鉱物資源の本格的な埋蔵量調査などを18年度までに行う「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」を4月から実施に移す予定です。日本近海の詳細な埋蔵量を調べるほか、商業ベースに乗せるための掘削・生産技術の開発などにも取り組むとしています。
石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は08年3月、国際プロジェクトに加わり、カナダ北西部の永久凍土地下1100メートルからメタンガスを世界で初めて連続生産することに成功したと発表しました。メタンハイドレート資源化への道を切り開いた快挙と言えるでしょう。
民間企業も早くからメタンハイドレートに着目、技術開発に取り組んでいます。特許庁によると、世界のメタンハイドレート回収技術に関する特許出願件数に占める日本のシェアは46%でトップ。2位の米国(32%)を大きく引き離しています。三菱レイヨン、三菱重工業、大成建設、三井造船、鹿島建設などが上位に名を連ねています。
政府と民間企業の取り組みにより商業化が進めば、日本は世界有数の「資源大国」に躍り出る可能性があります。
(掲載日:2009/01/27)
メタンハイドレート
メタンハイドレート
水深500m以深の海底上層に埋まっているメタンガスが、水の分子に取り込まれたシャーベット状の固体をいう。化学的にはメタンの水和物で、水分子のつくる籠状の構造の中にメタン分子が閉じ込められている。全世界の深海底上層部にシャーベット状の固体で存在し、地表ではメタンと水に分解する。埋蔵量も膨大で、現在の全化石燃料の2倍に達するとの推定が発表されている。メタンハイドレートの取り扱いは難しく近年、研究が開始されたばかりであり、深海底からの採掘法を含めて今後の技術開発が不可欠であるが、超長期的次世代エネルギー資源として着目されている。
メタン・ハイドレート
【英】: methane hydrate
メタンハイドレート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/08 09:11 UTC 版)
メタンハイドレート(英: methane hydrate)は、低温かつ高圧の条件下でメタン分子が水分子に囲まれた、網状の結晶構造をもつ包接水和物の固体[1]。およその比重は0.9 g/cm3で、堆積物に固着して海底に大量に埋蔵されている[2]。メタンは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分のため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギー源であるとされる(天然ガスも参照)が、メタンハイドレートについては現時点では商業化されていない。化石燃料の一種であるため、再生可能エネルギーには含まれない。メタン水和物ともいわれる。
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メタンハイドレート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 14:27 UTC 版)
「ガリレイドンナ」の記事における「メタンハイドレート」の解説
実在するエネルギー資源。本作世界では石油や石炭などの資源がほぼ枯渇し、原子力も過去のエネルギーとなっており、メタンハイドレートが使われる。しかし、地球寒冷化によるエネルギー需要に対して資源は不足している状況にある。
※この「メタンハイドレート」の解説は、「ガリレイドンナ」の解説の一部です。
「メタンハイドレート」を含む「ガリレイドンナ」の記事については、「ガリレイドンナ」の概要を参照ください。
メタンハイドレート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 22:15 UTC 版)
詳細は「メタンハイドレート」を参照 メタンは排他的経済水域や大陸棚といった、海底や地上の永久凍土層内にメタンハイドレートという形で多量に存在する。メタンは火山ガスでマグマからも生成されるため、メタンハイドレートは環太平洋火山帯に多く分布する。 2004年7-8月、日本の新潟県上越市沖で初めてメタンハイドレートの天然結晶の採取に成功。2008年3月、カナダ北西部のボーフォート海沿岸陸上地域にて永久凍土の地下1,100mから連続生産に成功。2013年3月12日には、日本の愛知県と三重県の沖合で海底からのメタンガスの採取に成功した。
※この「メタンハイドレート」の解説は、「メタン」の解説の一部です。
「メタンハイドレート」を含む「メタン」の記事については、「メタン」の概要を参照ください。
「メタンハイドレート」の例文・使い方・用例・文例
- メタンハイドレートが日本の排他的経済水域内に埋まっているのを発見
- 明治大学,北見工業大学,東京大学の研究者のチームが,日本海とオホーツク海の日本の排他的経済水域内の海底に埋まっているメタンハイドレートを発見した。
- メタンハイドレートは,水の結晶構造の中にメタンが閉じ込められている氷状の化合物だ。
- それらのメタンハイドレート埋蔵物は海底下数メートルの深さで見つかった。
- メタンハイドレートは海底面の近くにあればあるほど,掘り出すのがより容易で安価になる。
- 日本が海底のメタンハイドレートから初めてガスを採取
- 3月12日,経済産業省は沖合に埋まっているメタンハイドレートからメタンガスを採取することに史上初めて成功したと発表した。
- メタンハイドレートはメタンと水から成る氷状の物質だ。
- 先日,愛知県の沖合でメタンハイドレートからのメタンガスの採取試験が行われた。
- その船はメタンハイドレートを含む地層に達するまで300メートルほど掘り下げた。
- その後,メタンハイドレートは減圧によってメタンと水に分けられ,パイプを使ってガスが採取された。
メタンハイドレートと同じ種類の言葉
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