くっ‐さく【掘削/掘×鑿】
掘削
【英】: drill / drilling
同義語: drilling
一般に、地下にある石油やガスのような地層流体を発見し、採取する目的で坑井を掘ることをいう。 油層・ガス層を発見する目的の掘削は試掘、その範囲や諸特性を確かめるための掘削は探掘、石油・ガスを採取する坑井を掘ることは採掘という。19 世紀後半に石油を探鉱・開発するための坑井の掘削が始まったころ、坑井の掘削方法は綱式(綱掘り、ケーブル・ドリリング)または衝撃式(パーカッション・ドリリング)と呼ばれる方法であった。これは、長大で重いタガネ状のビットをワイヤーロープで坑井内につり降ろし、地上でロープを捕まえる金具をビーム(けた)の先につけ、ビームの他の端をクランクにつなぐことによってビームの端を上下させ、ビットに上下動を与えて坑底の岩石を衝撃によって砕いて掘り進む方法である。この方法では最大深度 1,500m くらいまでの坑井を掘削できるが、1920 年ころからはロータリー式掘削法が実用化され、装置の改善・大型化により、現在では専らこの方法が用いられている。これは長くつないだパイプの先にビットをつけて坑井内に降入し、地上でパイプの上端を回転させ、ビットが回転しながら坑底の岩石を削るもので、削りとられた掘りくずは、パイプの中にポンプによって送り込まれ、ビットの先から噴出し、パイプ(掘り管)と坑井壁との間を上昇して地上に戻る泥水によって連続的に地上に運ばれる。ロータリー式掘削法の詳細については「掘削装置」の項を参照されたい。 |

掘削
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/11 02:47 UTC 版)

掘削(くっさく、掘鑿とも)とは、土砂や岩石を掘り取って穴を開けることである。「~する」で動詞にもなる。
歴史
ネアンデルタール人に埋葬の文化があったことから、少なくとも5万年前の人類には穴(土坑)を掘って埋葬するという習慣(土坑墓)があったことがわかる[1]。
床面を地表面より低く掘り下げる竪穴建物は、古くは旧石器時代のアメリカ先住民に見られ[2]、日本列島では縄文時代に一般的になる[3]。
このほか日本列島では、旧石器時代から狩猟の手段として地面を掘削して構築する落とし穴(陥し穴[注 1])が使用され始めており、静岡県三島市の初音ヶ原遺跡や[4][5]、同県駿東郡長泉町の東野遺跡、神奈川県横須賀市の打木原遺跡などで、約30000年前と推定される落とし穴が検出されている。このように古くから掘削という行為が行われていたことが裏付けられている[4]。
道具・機械
人力による掘削の時に用いる道具は、シャベル、スコップ、つるはし、くさび、オーガー、掘棒[6](ディガー)、ホールディガー、踏み鋤等が挙げられる。
掘削に使用する大型機械の代表的なものには、油圧ショベル(パワーショベル、バックホウ)、ユンボ、スクレイパー、クラムシェル、ドラグライン、ブルドーザ、ブルドーザーに装備するリッパ、ハンマードリルなどがある。
その他、小型機械であるブレーカー、高圧噴射水を利用するウォータージェット、火薬を用いる発破(はっぱ)、化学反応を利用する静的破砕剤なども掘削道具として用いられる。
掘削の制約等
日本では私有地であったとしても、特定の場所において掘削行為をする場合には、事前の許可もしくは届出を要することがある。主なものは次の通り。
- 生産緑地地区(生産緑地法)
- 緑地保全地域(都市緑地法)
- 伝統的建造物群保存地区(文化財保護法)
- 周知の埋蔵文化財包蔵地(文化財保護法)
- 市街地開発事業等予定区域(都市計画法)
- 海岸保全区域(海岸法)
- 河川区域(河川法)
- 砂防指定地(砂防法)
- 保安林(森林法)
- 景観計画区域(景観法)
- 特定の有害物質により土壌が汚染されている区域(土壌汚染対策法)
掘削に関する資格
国際的な掘削プロジェクト
大会
- 全国穴掘り大会 - 千葉県成田市名木の成田ゆめ牧場で2001年から開始された[7][8]。20回目の大会は、最大の穴掘りチャンピオンシップとして、2020年2月2日にギネス記録登録された[9]。
- 墓穴掘り - ハンガリー[10][11]、シベリア[12]などで毎年、掘るスピードとテクニックと穴の美しさを競い合っている。
脚注
注釈
出典
- ^ “ネアンデルタール人の埋葬を改めて確認”. natgeo.nikkeibp.co.jp. 2024年2月12日閲覧。
- ^ Daifuku, Hiroshi (1952-07). “The Pit House in the Old World and in Native North America” (英語). American Antiquity 18 (1): 1–7. doi:10.2307/276236. ISSN 0002-7316 .
- ^ 富山県. “縄文の住居とむら”. 富山県. 2024年2月12日閲覧。
- ^ a b c 堤 2009, pp. 56–59.
- ^ 三島市教育推進部郷土資料館 2011.
- ^ a b 「掘棒」 。
- ^ “「全国穴掘り大会」900人が参加、6人協力で深さを競う…優勝チーム「悪天候はチャンスだった」”. 読売新聞オンライン (2024年2月6日). 2024年2月12日閲覧。
- ^ “力を合わせて掘りまくれ 400人参加し穴掘り大会 成田ゆめ牧場”. 毎日新聞. 2024年2月12日閲覧。
- ^ Largest hole digging championship ギネス記録
- ^ INC, SANKEI DIGITAL. “「墓穴掘り」の腕競う ハンガリー”. 産経フォト. 2024年2月12日閲覧。
- ^ Dunai, Marton (2016年6月3日). “Dig for victory! Hungarian grave diggers compete to be the best” (英語). Reuters. 2024年2月12日閲覧。
- ^ Times, The Moscow (2021年5月14日). “Shovels Fly at Siberia’s Annual Speed Grave-Digging Contest” (英語). The Moscow Times. 2024年2月12日閲覧。
参考文献
- 三島市教育推進部郷土資料館「旧石器時代の落とし穴-初音ヶ原遺跡-」『広報みしま』第277号、三島市、2011年6月1日。
- 堤隆『ビジュアル版・旧石器時代ガイドブック』新泉社〈シリーズ「遺跡を学ぶ」別冊第2巻〉、2009年8月25日。 ISBN 9784787709301。
関連項目
掘削
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:27 UTC 版)
ボーリング 世界最深記録 - 12262m。コラ半島超深度掘削坑SG-3坑。 水平方向を含む最長記録 - 12345m。サハリン1Odoptu OP-11油井。水平方向11475m。 海上の最深記録 - 7740m。深海掘削船ちきゅうA孔。水深6883.5m。 世界最大の人工の穴 - ミール鉱山 世界最大の露天掘り銅山 - チュキカマタ鉱山。深さ450m、埋蔵量88億トン。
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「掘削」の例文・使い方・用例・文例
- 油田掘削装置
- 世界最大の大水深掘削手
- ドリルで掘削する。
- 掘削を中断せよとの指示を現場で受けました。
- この運河を掘削するのに何年かかったと思いますか.
- 採掘会社は山腹を掘削したい
- 空洞を掘削してください
- シャベルが蝶番のブームについており、土を押しやるとき後方に引かれる形式の掘削機
- 浸食や掘削によって作られる、溝に似た深くて細長い溝
- 多くの油井が放射状に掘削されることができる海上基地(浮いている、または海底に固定される)からなる掘削装置
- 鉱石を見つけるか、採掘することまたは鉱山に通気するための垂直であるか傾斜した通路からなる掘削
- 石または粘板岩を抽出するための表面掘削
- 土壌の上層部をゆるく掘削する鋭い金属製のくさび
- 滑らかな底を持つ溝を作る狭い掘削の頭を持った木工かんな
- 掘削された土壌の胸壁を持つ要塞として掘られる溝
- 土から掘削された遺跡
- 英国の考古学者で、ミノア文明と呼んだ文明を見つけるためにクレタ島のクノッソスの宮殿を掘削した(1851年−1941年)
- 支保工という,掘削工事の時の仮構造物
- ウォータージェットという掘削機
- 活断層付近を掘削して過去の地震運動を調べる方法
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