掘井戸と掘抜井戸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 18:17 UTC 版)
掘井戸 人が坑内に直接入って掘った井戸。丸井戸ともいう。地域によって呼称が異なり「ガワ井戸」と呼ぶこともある、英語ではdug well。概ね直径1~3mの孔を、人力により垂直に地下水面に達するまで掘削する。孔壁が崩壊しないように、掘削しながら、孔壁に石積みブロックで、周りを補強しながら掘削していく。地層の硬さ等によって異なるが、おおよそ10~20m位掘ることができる。地下水位が浅い地域、特に自由地下水が豊富な地域(例えば関東地方では関東ローム層が分布する台地上)において、作成されていた井戸である。日本国内ではボーリング工法(掘削工法としての上総掘りも含む)による掘り抜き井戸を造る技術が普及する以前や、ボーリング工法を採用するまでもなく地下水位が浅い地域で多く設置されていた。現在ではボーリングによる井戸設置が一般化したため、掘井戸作成の職人が少なくなり、新しく造られることは少なくなってきている。 掘抜井戸 難透水層を掘り抜き深い帯水層の地下水を汲み上げる井戸。地上から棒状のもので穴を掘っていき細い水管を差し込んだものである。具体的にはボーリング工法(掘削工法としての上総掘りも含む)により作成する。江戸時代には上総掘りの普及といった技術の進歩や衛生上の利点といった点から掘抜井戸が普及した。降水の少ない砂漠地帯でも水を得ることができる。オーストラリアの大鑽井盆地は掘抜井戸が多いことで有名である。
※この「掘井戸と掘抜井戸」の解説は、「井戸」の解説の一部です。
「掘井戸と掘抜井戸」を含む「井戸」の記事については、「井戸」の概要を参照ください。
- 掘井戸と掘抜井戸のページへのリンク