しょく‐にん【職人】
職人
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/22 23:33 UTC 版)
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職人(しょくにん、英語: craftsman、フランス語: artisan)とは、自ら身につけた熟練した技術によって、手作業で物を作り出すことを職業とする人のことである。
日本では歴史的に彼らを尊ぶ伝統があり、大陸より帰化した陶芸工や鉄器鍛冶は士分として遇された。
彼らの持つ技術は職人芸(しょくにんげい)とも呼ばれる。
「職人」は主に工業として製品を作る人間を指すことが多く、陶磁器などでも芸術作品として作る者を一般に「陶芸家」と呼ぶように、美術、工芸分野では「作家」という扱いである。
概要
産業革命以前には、職人が生産活動の中心となっていた。技術は主に徒弟制度によって伝承されており、職場を訪ね親方の許しを得て弟子入りし、年季奉公をすることが通例であった。技は手取り足取り親方が弟子に教えるのではなく、簡単な作業や雑用を行う合間に盗むものとされ、一人前になるには数年から数十年を要する場合すらあった。
しかし、近年の経済・社会・産業・生活様式の変化に伴い、従来の厳しい徒弟制度の下で職人を目指す若者は激減しており、そのあり方は大きな変革を迫られている。
日本における職人
職人の歴史

日本では古代から様々な職人が存在し、王権や国家の成立・経済社会の発展により商工業が成立し、日常生活から神事など宗教活動に到るまで様々な諸職人が誕生した。中近世期も引き続き経済社会の発達により職人分化が進み、中世期の職人の実態については不明な点が多いが、このころには職人歌合類など文学作品において様々な職種の職人の姿が描かれ、職人歌合は朝廷や貴族に従属する職人を和歌によって結縁させ、怨霊の鎮魂など呪術的意図によって作成されていたと考えられている[1]。また、職人歌合類は時代の変遷とともに描かれる職種が増加していることから社会の変遷を反映した歴史資料としても活用されている。
中世後期から近世には戦国大名などの地域権力や織豊政権から江戸幕府に至る統一権力が出現し、諸職人も領主権力に把握され諸役免除などの特権を得て奉仕を行った。江戸時代には経済社会・都市の発達に伴い職人はさらに分化し発展した。藩の御用職人を「十職」といい、大工・畳屋・木びき・紺屋・桧物師・塗師・桶師・鍛冶・屋根職・瓦師を指す[2]。また、近世期には専門的な職人のほか、在方において農間余業として行う零細な商職人活動を行う場合もあり、様々な職人が存在していた。
研究史においては戦後期に歴史学をはじめ美術史・国文学など様々なアプローチから歴史的な職人の位置づけが注目され、歴史学では網野善彦らが日本社会における職人の位置づけについて研究を展開し、国文学・美術史においても職人歌合類をはじめ洛中洛外図や浮世絵などにおける職人の描かれ方が注目されている。
現代の職人
現在では、手工芸品(特に伝統的工芸品)を作る人や大工・左官・庭師・経師屋(表具師)・建具・指物・鳶・畳・瓦・石屋・竹芸・漆・塗装・保温板金工・家具木工・硝子・飾り職・蒔絵・螺鈿・組子・目立て・箪笥といった手工業の職人のほか、例外的なものとしては食品を扱う「寿司職人」、また、特に優れた金属加工技術を有する者を職人と呼ぶ。
「職人気質」(しょくにんかたぎ)という言葉がある。これは「自分の技術を探求し、また自信を持ち、金銭や時間的制約などのために自分の意志を曲げたり妥協したりすることを嫌い、納得のいく仕事だけをする傾向」、「いったん引き受けた仕事は利益を度外視してでも技術を尽くして仕上げる傾向」などを指す。
建築分野に於ける職人の減少は著しいが、その要因の一つに後継者不足の他、海外から輸入されたツーバイフォー工法や、プレハブ工法など、伝統的技術を要しない工法が大手ハウスメーカーなどにより普及した事が挙げられる。[要出典]
しかしながら高度に精密な加工を要求される機械時計の製作や宇宙工学の分野では依然、高い技能を持った職人の存在が不可欠である。たとえばiPodの背面部分の鏡面加工されたステンレスは、日本(新潟県燕市)の町工場の職人による加工が行われている。
また、名工の中にはいわゆる人間国宝に認定されたり、叙勲される者もいる。手工芸分野の人間国宝には、日本工芸会の推薦が必要とされている。その他彼らに対する大臣表彰や地方自治体表彰などもある。
脚注
- ^ 岩崎佳枝『職人歌合-中世の職人群像-』平凡社〈平凡社選書〉、1987年12月。ISBN 4582841147
- ^ 『浜松城物語-家康から現代まで-』(読売新聞浜松支局編、1978年)p.135.十職の中で大工が一番多かったとする。
参考文献
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- 原田多加司『檜皮葺職人せんとや生まれけん』理工学社、2002年3月。ISBN 4-8445-3032-1
- 原田多加司『職人暮らし(ちくま新書562)』筑摩書房、2005年10月。ISBN 4480062599
- 斎藤隆介『職人衆昔ばなし』文藝春秋、1967年1月。全国書誌番号:67008014、NCID BN06408450。 - 明治生まれのさまざまな職人への聞き書き
- 竹田米吉『職人』中央公論社、1991年3月。ISBN 4122017939 - 日本エッセイスト・クラブ賞受賞
- 原田多加司『古建築修復に生きるー屋根職人の世界』吉川弘文館、2005年3月。ISBN 4-642-05586-X
- 鈴志野勤『細工師』建具工芸社、1962年11月 - 1966年7月。NCID BN09984265 - 建具師の四代記
関連項目
- 家内制手工業
- 経験知
- 伝統工芸士
- マイスター
- アルチザン
- 座・ギルド
- 技能五輪
- 絵師・彫師・摺師
- 美術家・芸術家
- 宮大工
- 鍛冶屋
- 石切
- 分業
- 技術者
- 専門職
- ヴァルツ(Walz) - ドイツの若手職人が3年間旅をしながら修行する制度
外部リンク
職人
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「大水滸シリーズの登場人物」の記事における「職人」の解説
主に梁山泊内の工房で生産・製作を担当。拠点の建設・修理のほか造船・兵器開発にも携わるなど、仕事は多岐にわたる。最終決戦時には多くの職人が、水軍への転属という形で梁山泊から脱出させられた。 湯隆(金銭豹子) 鍛冶担当。1072年生まれ。身長 - 170cm、体重 - 75kg。 (水滸伝)熟練の鍛冶屋。鍛冶の際に飛び散る火花により、顔や体に小さな水疱の後がある。梁山泊の前身となる梁山湖の山寨にいたが、王倫に逆らったため投獄されていた。晁蓋たちの梁山泊旗揚げにより出獄して以降は、史進の鉄棒や凌振の大砲、安道全の医療器具など様々な武具や道具を製作する。字は読めないが、鉄と語り合うほどに鍛冶の技術向上に余念が無く、鉄の配合率を記した独自の帳面を持つ。梁山泊で特に忙しい職人の一人。梁山泊崩壊時に武器を執って官軍の上陸部隊と戦い、負傷し安道全の手術を受けていたが、その最中に敵兵が侵入、安道全が殺害されたためそのまま死亡。 『楊令伝』で弟子の高平が登場。湯隆から鍛冶を教わった経緯を振り返り、師を超える鍛冶屋になることを目指している。 李雲(青眼虎) 建築担当。1067年生まれ。身長 - 170cm、体重 - 70kg。 (水滸伝)大工の棟梁。赤い髭と僅かに青い色の目を持つ。妻と通じた金持ちを殺害して梁山湖の山寨へ逃げ込み、湯隆と同じく王倫に逆らって投獄されていた。梁山泊旗揚げ後は兵舎や各拠点の建設に活躍、重装備部隊の兵器開発や造船担当の阮小二の仕事にも関わる。自分の名前と旗に書かれた替天行道の字以外は読めず、志にも興味が無いが梁山泊に対しては強い愛着を抱く。梁山泊の規模拡大に伴い、後に部下たちを各拠点に派遣する。梁山泊崩壊時に武器を執って戦い、戦死。 『楊令伝』で弟子の劉策が登場。劉策は梁山泊の湖寨が陥ちる際に李雲が宋軍に怒っていたこと、自分にとっては父親以上だったことを楊令に語っている。
※この「職人」の解説は、「大水滸シリーズの登場人物」の解説の一部です。
「職人」を含む「大水滸シリーズの登場人物」の記事については、「大水滸シリーズの登場人物」の概要を参照ください。
職人
「職人」の例文・使い方・用例・文例
- その職人は特殊技術を息子に引き継いだ
- 息子は父親が歩んだ道をたどり,職人になることに決めた
- 腕のいい職人
- 下手な職人は道具に文句をつける
- 担当スタッフが、職人さんと打合せをします
- 職人が表面に光沢の加工を施します
- 花火職人が、花火が破裂して空にいろいろな形ができるようにデザインし、色、音、光を作る異なった薬品を調合します。
- これは熟練のメッキ職人の手によるものに違いない。
- 職人さんが一人で屋根にタール紙を貼っていた。
- 新進気鋭のチーズ職人は、パリに店を構えた。
- 彼女はいいイグサ織り職人でいろいろなかごを作った。
- 彼は経験を積んだ腕のいい家具職人だ。
- あなたは時計職人ですか。
- 刀の職人が作った中の最高の一本
- 花火職人の技術に感動しました。
- 私は花火職人はすごいと思いました。
- 彼女は職人です。
- 私の父は木工職人で、機織を作ります。
- 職人らしくないと言われることが多いです。
- 彼は溶接の職人です。
- >> 「職人」を含む用語の索引
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