水滸伝とは? わかりやすく解説

すいこでん【水滸伝】

読み方:すいこでん

[一]中国長編口語小説四大奇書の一。清の金聖嘆(きんせいたん)が後半部切り捨てた70本のほかに100回本・120回本がある。作者施耐庵(したいあん)・羅貫中(らかんちゅう)らというが不明明代初め成立説が有力。宋の徽宗(きそう)の時代宋江(そうこう)ら108人の豪傑梁山泊(りょうざんぱく)への結集と、その後悲壮な運命を描く。

[二]北方謙三長編歴史小説平成11年1999)から平成17年2005)にかけて「小説すばる」誌で連載平成17年2005)、第9回司馬遼太郎賞受賞


水滸伝

作者清水義範

収載図書世界文学全集
出版社集英社
刊行年月1992.7

収載図書普及版 世界文学全集 第1期
出版社集英社
刊行年月1995.8
シリーズ名集英社文庫


水滸伝


水滸伝

読み方:スイコデンsuikoden

分野 漢籍小説

年代 中国・明

作者 施耐庵〔集撰〕、羅本(羅貫中)〔纂修


水滸伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 14:15 UTC 版)

水滸伝』(水滸傳、すいこでん)は、明代中国で書かれた長編白話小説。『西遊記』『三国志演義』『金瓶梅』とともに「四大奇書」に数えられる[1]


注釈

  1. ^ 北宋徽宗期に起こった反乱を題材とする物語。1121年宣和3年)に力を持った宋江率いる盗賊団が描かれている。
  2. ^ 「好漢」の元々の概念は「男らしい男」であったが、その中で「強い男」「武芸の心得のある男」だけが取り出され、さらにそれが「盗賊団の頭領」という概念に集約され、そこから政治権力に屈しない「反体制に属する者」という概念が付加されたとされる[2]
  3. ^ 数は明確でないが、頭目の下に「小頭目」というのがおり、その下にさらに兵士的な手下が相当数いる。この手下の正確な数は不明だが、第六十八回にて総勢が2万2千人であることが確認できることから、おそらく数万人はいたとされる[3]
  4. ^ ただし出版されたのは冠山の没後であることから、訳者に関しては真偽が問われている[4][5][6][7][8]
  5. ^ 後出久保天隋譯補本の序文にも剽窃と指摘されている。詳細は高島俊男 (1991)を参照。
  6. ^ 高島俊男 (1991)に著者が確認できた限りの訳本を挙げているが、大半は馬琴・蘭山訳かそのダイジエストである
  7. ^ 経緯は高島俊男 (1991)に詳しい。
  8. ^ はじめ七十回本で訳し、七十回本終了後は百二十回本による。
  9. ^ ヒラオカリュウジョウ、生没年経歴等不明。国訳漢文大成の『紅楼夢』を幸田露伴と担当しているが、殆どが実質は平岡氏のみの担当らしい。
  10. ^ 当時集英社の子会社。現:集英社クリエイティブ

出典

  1. ^ a b c コトバンク - 水滸伝”. 2018年11月22日閲覧。
  2. ^ 林雅清 (2006), pp. 103–104.
  3. ^ 長尾光之 (1976), p. 133.
  4. ^ 白木直也 (1958).
  5. ^ 中村綾 (2011), pp. 41–86(初出は中村綾 2003
  6. ^ 中村綾 (2007a), p. 28.
  7. ^ 中村綾 (2011), pp. 89–111(初出は中村綾 2007b
  8. ^ 中村綾 (2011), pp. 113–137(初出は中村綾 2008
  9. ^ 歴博 第117号 歴史の証人 『水滸伝』の幕末維新”. 国立歴史民俗博物館 (2003年3月20日). 2009年9月24日閲覧。
  10. ^ 孫琳淨 (2021), pp. 81–101(初出は孫琳淨 2017
  11. ^ 孫琳淨 (2021), pp. 121–159(初出は孫琳淨 2018
  12. ^ 孫琳淨 (2021), pp. 103–119(初出は孫琳淨 2020a
  13. ^ 孫琳淨 (2021), pp. 163–197(初出は孫琳淨 2016
  14. ^ 孫琳淨 (2021), pp. 199–230(初出は孫琳淨 2019
  15. ^ 孫琳淨 (2021), pp. 231–257(初出は孫琳淨 2020b
  16. ^ 孫琳淨 (2021), pp. 259–270(本書の書き下ろし)
  17. ^ 葛綿正一 (2014), p. 56.
  18. ^ 駒林麻理子 (1981), pp. 68–69.



水滸伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 03:39 UTC 版)

名馬一覧」の記事における「水滸伝」の解説

照夜玉獅子 夜の月に照らされたように全身真っ白の馬。元々は金国王子所有していたが、馬泥棒段景住盗み宋江乗馬となる。 踢雪烏騅 烏騅とは黒馬の意だが、踵が白いためこの名がある呼延灼梁山泊討伐のため、徽宗皇帝から下賜され名馬賽白玉 北京大名府練兵場索超楊志一騎討ちをする際に使用した白い名馬火塊赤 北京大名府留守司である梁世傑楊志貸し与えた赤兎馬称えられるほどの名馬索超一騎討ちする際に使用転山飛 山河平地のように駆けためそう名付けられ名馬方臘の将・王寅の乗馬衝陣馬 陣を衝くという名の通り気性の荒い馬。曾頭市の曽長者の四男、曽魁の乗馬

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水滸伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 04:08 UTC 版)

哪吒」の記事における「水滸伝」の解説

本人は『水滸伝』に登場しないが、地飛星項充あだ名が八臂哪吒(はっぴなた)である。項充梁山泊で、108人中64番目の人物

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水滸伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 12:52 UTC 版)

宮崎市定」の記事における「水滸伝」の解説

『水滸伝:虚構のなかの史実』では、歴史上において、宋江二人いたという新説立てた。他に古来挿入部分とされていた遼国征伐についても「梁山泊滅亡へ持って行くためには必要な部分」との見解示した

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水滸伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 06:43 UTC 版)

赤兎馬」の記事における「水滸伝」の解説

小説『水滸伝』では関羽の子孫という設定関勝も、関羽のように赤兎馬乗って戦場出陣する話がある。また、呂布憧れる小温侯呂方乗馬赤兎である。

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水滸伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/20 14:31 UTC 版)

伏魔殿」の記事における「水滸伝」の解説

中国伝奇小説『水滸伝』(施、15世紀頃)に登場する魔王封印され建物道教天師道)の本山である竜虎山大上清宮三清殿、九天殿、紫微殿、北極殿などと共に建立されていた。唐の時代道士洞玄国師竜虎山地下魔王封じ込め、そこに伏魔殿建てられた。周囲を赤い土塀囲まれ軒先には金文字で「伏魔之殿」と書かれた看板掲げられていた。正面の扉には護符が何張られ固められ錠前付いていた。社殿中には神代文字彫られた高さ2メートルほどの石碑があり、背面には普通の文字で「遇洪而開」と記されていた。石碑地中約1メートルには、3メートル四方もの巨大な一枚岩があり、その下は底なしの深い穴となっている。この穴の中に魔王封じ込められていた。代々天師により、決し開けてならない場所として厳重に守られていたが、北宋時代竜虎山訪れた官僚洪進によって封印暴かれ魔王世に放たれた。伏魔殿という建物江西省貴渓市大上清宮内に実際に存在するが、現在の建物2000年再建されたものである竜虎山大上清宮位置現在の中華人民共和国江西省貴渓市清鎮

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水滸伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/29 10:07 UTC 版)

五虎大将軍」の記事における「水滸伝」の解説

梁山泊役職この上役職は、総頭領軍師のみで、軍人の中では最高の位である(水滸伝百八星一覧表)。編成は、大刀関勝豹子頭林冲霹靂秦明双鞭呼延灼、双鎗将董平の5人。 なお、関勝関羽の子孫という設定である(「大刀」とは、『三国志演義』での関羽得物である青龍偃月刀を指す。青龍偃月刀実際に使ったかどうか記録残されていないが、大刀名手であったのは事実)。また、林冲は、得物蛇矛であり、容貌が「豹頭環眼 燕頷虎鬚」と形容されている点から、張飛元にしているとされる

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