田虎とは? わかりやすく解説

田虎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/14 05:51 UTC 版)

水滸伝 > 田虎

田 虎(でん こ)は中国小説四大奇書の一つである『水滸伝』の登場人物。

大宋国を蹂躙する四大叛徒の一人で威勝州沁源県の出身。河北一帯に大勢力を築き上げ自ら晋王と号した。朝廷に招安を受け帰順した梁山泊の好漢達が大遼国を退けて後、次に朝廷が彼らに田虎の討伐を命じた事で、官軍として遠征してきた彼らを迎え撃つ事となる。

この梁山泊の好漢達による田虎討伐の物語は百二十回本の第91回から第100回の全10回に渡って描かれている。この部分は、百回本にはなく、百二十回本での増補部分であり、百回本では彼の名は、四大寇の一人として登場するのみである。

生涯

威勝州沁源県の出身で猟師を生業としていたが、腕力に秀で武芸にも通じていたため不良仲間達の顔役で鳴らしており、徒党を組んでは略奪を働いていた。水害や旱魃などの天候不順に見舞われ荒廃した人心を扇動した田虎は野望を膨らませていき、腐敗し堕落した州県に駐屯する官軍を襲撃すると次第に州郡を占領していくようになる。やがては威勝、汾陽、昭徳、晋寧、蓋州の五州とその管下である五十六県を占領。梁山泊の好漢達が遼を退けて凱旋した時には、この上に衛州を攻め取ろうとしていた。日々増大する自らの勢力に驕る田虎は宋国からの独立を宣言。国号を晋と定め自らは晋王を僭称するに至る。

しかし、田虎の勢力拡大の噂を聞きつけた梁山泊の首領宋江が自ら朝廷に田虎討伐を願い出て、好漢達を率いて官軍として攻め寄せてくると一転して劣勢に追い込まれる事になる。幻魔君の異名を持つ妖術の使い手喬道清や、国舅鄔梨の養女であり瓊矢鏃と渾名される石礫の名手瓊英らの活躍で幾度か宋軍を窮地に陥れる場面もあったものの、その喬道清や瓊英を含む多くの武将達の裏切りに遭い次々に城は陥落。占領した州県も宋朝側に奪還されていく。

麾下には数多くの名将豪傑を従えていた田虎だが、本人は腕力に秀でている以外では特に君主として有能という訳でもなく、宋軍が本拠地である威勝に攻め寄せてきた時には驚きのあまり慌てふためくばかりで、取り巻きの文武諸官も国への投降を言い出す始末であった。その後も梁山泊に内通した葉清の甘言に乗せられて親征を決めた挙句、親征の途についても戦場に向かうのに姫妾を従軍させ、あまつさえ宿営先で酒盛りを催すなど成り上がり者らしい無能ぶりを随所で露呈させている。その小悪党らしい無能さは最後まで変る事無く、全羽と名を偽り瓊英の夫として田虎軍に潜入していた張清に、既に宋軍の占領下となった襄垣へと言葉巧みに誘き出されて生け捕りにされてしまう。その後、田虎は共に捕らえられた弟の田豹、田彪らと共に宋朝の首都東京へと送られ凌遅刑を言い渡されて刑死した。

関連項目


田虎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 23:41 UTC 版)

大水滸シリーズの登場人物」の記事における「田虎」の解説

水滸伝)元威勝の猟師。威勝で叛乱軍を蜂起するが、実は梁山泊潰し合わせるための青蓮寺お膳立てであり、田虎本人単なる傀儡親玉しかない王族気取りで威勝郡を支配するが、目論見看破した梁山泊に対して傭兵として雇った張清当てたことが命取りとなり、梁山泊加わった張清飛礫絶命一族皆殺しにされた。

※この「田虎」の解説は、「大水滸シリーズの登場人物」の解説の一部です。
「田虎」を含む「大水滸シリーズの登場人物」の記事については、「大水滸シリーズの登場人物」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「田虎」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「田虎」の関連用語

田虎のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



田虎のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの田虎 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの大水滸シリーズの登場人物 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS