りょうざん‐ぱく〔リヤウザン‐〕【梁山泊】
梁山泊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/06 14:56 UTC 版)
梁山泊(りょうざんぱく)は、中国の山東省済寧市梁山県の北緯35度47分11.86秒 東経116度5分33.10秒 / 北緯35.7866278度 東経116.0925278度周辺に存在した沼沢である。この沼を舞台とした伝奇小説『水滸伝』では周囲800里と謳われた大沼沢であった。
梁山の張澤濼と伝わる。(大漢和辞典より)
『水滸伝』での意味が転じ、「優れた人物たちが集まる場所」、「有志の集合場所」の例として使われることもある(#日本での人気、派生語、梁山泊 (曖昧さ回避)を参照)。
イギリスで発行された英語版『水滸伝』では、「EDEN(エデン)」と表記されていた。
歴史
梁山泊のあった場所(現在の山東省西部)は、黄河によって形成された海抜ゼロメートル以下の内陸低地であり、一帯は古くから黄河の氾濫が繰り返されることによって無数の水路と沼沢が生まれた。特に五代十国時代の944年の黄河の氾濫のとき堤防が決壊して河水が流れ込み、この地には大沼沢が生まれた。梁山泊の名があらわれるのは五代から北宋の頃で、近くに梁山という名の山があったことから梁山泊と呼ばれた。
梁山泊の上流にあたる現在の河南省東部では黄河の大氾濫が北宋の時代にも1019年、1077年と相次ぎ、梁山泊はさらに規模を大きくした。やがて11世紀の末頃から、水路とかつては小丘陵だった島が入り組んだ梁山泊は盗賊や政府に反抗する者たちの巣窟となり、宋王朝を大いに悩ませた。
北宋にかわってこの地を支配した金の時代の1194年には黄河の大氾濫が起こって河はこの地域で南北に分かれ、山東半島の南、淮河の方面に流れる南流が1855年まで700年にわたって本流となるが、その当初は黄河は梁山泊に注いで分かれていたという。その後、頻繁な河道の変遷を経てやがて干上がり始め消失した。
梁山泊近辺に横行した反抗者の中でも、北宋末期の12世紀初頭に河北で蜂起し山東一帯で10郡を制圧した宋江の反乱軍は猛威をふるった。14世紀の元の時代に編纂された『宋史』侯蒙伝には、「宋江 京東に寇す」「(宋)江 三十六人を以(ひきい)て斉・魏に横行し、官軍 数万なるも敢えて抗する者無し」とある。まもなく宋江の反乱は鎮圧されるが、やがてこの史実をもとに、梁山泊に宋江以下36人の好漢たちが立てこもる物語が生み出され、明の初め頃に、梁山泊に集う108人の好漢を主人公とする小説『水滸伝』へとまとめられた。
現在の梁山泊は、沼沢の面影を全く残していないが、一帯は水泊梁山風景区と観光地化され、小説中の山塞を復元した施設がある。
日本での人気、派生語
『水滸伝』は、四大奇書のひとつとして中国で広く読まれた(ただし、主に広まったのは70回本)。
日本にも江戸時代に伝わって民衆に好まれ、梁山泊の名は非常によく知られるようになった。このため、日本では「梁山泊」は有志の巣窟を意味する代名詞のように使われる。たとえば明治初期、大隈重信の東京の私邸には井上馨、伊藤博文ら若手官僚が集まり政談にふけったため、「築地梁山泊」と呼ばれる。
その他、手塚治虫、藤子不二雄(藤子・F・不二雄、藤子不二雄A)、赤塚不二夫、石ノ森章太郎らが住んでいたトキワ荘が「マンガ家の梁山泊」と呼ばれていた。 平塚らいてう、などが著名な青鞜も「女梁山泊」と呼ばれていたことが自身も編集長を務めた伊藤野枝が「雑音」に記している。
関連項目
梁山泊
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「ジャイアントロボ バベルの籠城」の記事における「梁山泊」の解説
銀玲(ぎんれい) チャイナ服を着た黒髪長髪の美少女。“籠城戦”に参加しなかった「残党」の1人。大作と行動を共にするが、最終回にてその正体が前作『地球の燃え尽きる日』に登場したサリー・ザ・マジシャン(魔法使いサリー)であることを大作に明かす。10年前は記憶を失い大作と行動を共にしていたが、10年の間に記憶を取戻し、大作と決別していた。 鉄牛(てつぎゅう) 2丁の斧を使う大男。銀玲と同じく、梁山泊の「残党」の1人。銀玲同様大作と行動を共にするが、最終回にてその正体が十傑衆の一人、衝撃のアルベルトであることを大作に明かし、記憶を取り戻した娘のサリーと共に大作の存在を危険視し抹殺しようとする。 黄信 (こうしん) 梁山泊エキスパートの指南役で九大天王に匹敵する剣の使い手。アニメ版と違い無思慮なところがある。 花栄 (かえい) 黄信と同じくエキスパートの指南役。弓の使い手。 秦明 (しんめい) 霹靂火の秦明。元九大天王でありバベルの塔を半壊させ、十傑衆3人の首をとるほどの猛者。しかしその力を制御することができず自らの身を花栄と黄信の二人に分けた。二人のうちのどちらかの命が尽きようとするときに合体して秦明となることができる。
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