盗賊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 06:49 UTC 版)

盗賊(とうぞく)とは、法令から逸脱して強奪(掠奪)などを行う者たちの集団を指す。
概要
街道沿いや人気のない場所で旅行者や通行人を襲い金品を強奪する者を追い剥ぎ(おいはぎ)と呼ぶ。山中に拠点を置き通行人などを襲う盗賊を山賊(さんぞく)、海で船を用い他の船や沿岸を襲撃する盗賊を海賊と呼ぶ[注 1]。また、山賊を含め、山野で通行人などを襲うものは野盗(やとう)とも呼ばれる。
ほとんどの盗賊は多勢を以って形成し、首領格を中心とした組織を構成している。構成員には、富裕層、犯罪者、貧困層、レジスタンス集団などがいる。人里離れた山野に拠点を置くことが多いが、都市部では貧困層の生活する地域つまり貧民窟(スラム、ファヴェーラ等)を拠点とする場合もある。
日本
日本においては古代より見られ[注 2]、その存在は遠隔地交易の発達阻害要因でもあった。このため十分な力を持った領域支配者は治安維持と流通の安全のためしばしば盗賊の取締りを行なった。
室町時代、成文法では山賊は重科、重犯と位置づけられ禁圧の対象だったが、『世鏡抄』で落ちぶれた武士が山賊になるのは「侍ノ習」と述べられるように、一般社会ではすべての山賊が重犯罪者とは必ずしも考えられてはいなかった[2]。山賊は一種の関所であり、それを黙認する地頭職や警察権をもつ氏族は、通過する商人から警固料を徴収した。
戦国時代、旅をすることが容易でなかった理由のひとつは、様々なところに山賊の類が出没したからである。
豊臣秀吉の「海賊停止令」によって、全国規模で山賊・海賊の設けた不法な関所の撤廃が推し進められた[3]。
徳川家康は鳶沢甚内なる盗賊の頭目を捕え、助命を条件に彼らの情報網を使って、江戸市中における盗賊の取り締まりや治安維持にあたらせたという。
また江戸幕府は町奉行所とは別に火付盗賊改方を設置し、盗賊も含めて凶悪犯を取り締まる専任の部署を設けた。長谷川宣以は、自身が若いころは放蕩無頼の生活を送っておりアウトロー的な人々との付き合いもそれなりにあったとされ、そうした人脈のおかげか、また彼らの気性や行動様式を知りつくしていたおかげか、多くの盗賊を捕える手柄をあげた。
有名な盗賊
世界
- 中東
- アリババと40人の盗賊(『千夜一夜物語』より)
- ヨーロッパ
- ロビン・フッド
- カルミネ・クロッコ
- フランシス・ドレーク
- ユライ・ヤーノシーク
- ルイジ・ヴァンパ(Luigi Vampa。アレクサンドル・デュマ・ペールの小説『モンテ・クリスト伯』に登場する盗賊の首領)
- インド
- 中国
- 中南米
日本
※:なお、蜂須賀正勝(小六)が野盗・野武士出身との創作がよく知られるが、実際は土豪・小規模な国人領主である。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 桜井英治 著「山賊・海賊と関の起源」、網野善彦 編『職人と芸能』吉川弘文館〈中世を考える〉、1994年。ISBN 464202705X。
関連項目
- 窃盗
- 野伏
- 海賊
- 馬賊
- 義賊
- 匪賊
- ルカによる福音書 - 「このことを、わきまえているがよい。家の主人は、盗賊がいつごろ来るかわかっているなら、自分の家に押し入らせはしないであろう。」とある。
- ハイウェイマン - 日本語では追い剥ぎと定訳される。街道沿いに出没し、旅行者や通行人を狙う馬に乗った強盗。
- フットパッド - 日本語では追い剥ぎと定訳される。馬で移動したハイウェイマンに対し、徒歩で移動して強盗を指す。
- トウゾクカモメ科 - 鳥類の分類の1つ。習性から「盗賊鴎」と呼ばれる。
- フィクション
外部リンク
盗賊(女性)
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「アプサラス (コーエー)」の記事における「盗賊(女性)」の解説
剣士に比べ攻撃力、防御力は劣るが唯一宝箱をまともに開封することができる。また装備の柔軟性が高く、盗賊のために用意された特殊な技を駆使すれば剣士を凌ぐ攻撃力を発揮できる。
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「盗賊」の例文・使い方・用例・文例
- 盗賊の1団
- 盗賊の巣
- 盗賊たちの巣
- 盗賊の一味
- 盗賊達は待っていた車で逃亡した。
- 盗賊は彼を縛り上げて窓から逃走した。
- 盗賊の一団が一行に襲いかかった。
- 盗賊が暗い戸口に潜んでいた。
- それが盗賊の通り言葉です。
- ここでは盗賊にご用心。
- 警察は盗賊の計画の裏をかいた.
- 盗賊団[デモ隊].
- (盗賊などの住む)山塞.
- ならず者[盗賊]の一団.
- 盗賊の一人がほかの仲間たちを密告した.
- 《諺》 盗賊を捕らえるのには盗賊を使え, 「じゃの道はへび」.
- 盗賊は身をよじらせてロープから抜け出した.
- 盗賊たちは獲物を車にいっぱい積んで帰った.
- 彼は盗賊の手からナイフを叩き落とした.
- その盗賊たちは山の中を根城にしていた.
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