飛燕外伝
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飛燕外伝(ひえんがいでん)は、中国の文学作品。全1巻。漢代の伶玄の撰と伝わるが、内容的に六朝時代の成立であろうという。
漢の成帝の皇后である趙飛燕の別伝の形式をとる。趙后飛燕がその妹である昭儀と互いに寵愛をきそいあらそったことを叙する。「その閨幃媟褻の状は目を蔽はしめるものがある」(金築新蔵)といい、性愛文学作品としても読まれる。その内容はすこぶるおもしろく、詩文の典故となったものが多い。
また、日本文学への影響もかならずしも小さくなく、平安時代の女流文学者に愛読され、種々の物語の粉本ともなり、『源氏物語』の作中人物が寵をあらそうのは、本書の趣向のならったものであるという。
国訳漢文大成、晋唐小説、中国古典文学大系六朝・唐・宋小説選に所収。
飛燕外伝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:30 UTC 版)
稗史である『飛燕外伝』は、成帝と趙飛燕の関係を描写した一種の小説であり、史実を忠実に反映したものとは言えないが、後世に対し成帝の印象を決定付ける役割を果たしている。その内容によれば、趙合徳は成帝の寵愛を失わぬよう特殊な房中術をもって成帝に仕え、房事の最中に成帝は急死した。この死に不審を抱いた孝元皇太后によって調査が行われた結果、趙合徳が成帝に精力剤を服用させすぎたことによる中毒死と判明し、その責任を取るため趙合徳は自殺に追い込まれた。自殺直前に趙合徳は我が身で皇帝に仕え、過分な寵愛を受け、もはや思い残すことはない(「私は帝王を股間に弄した。女の本懐、これに優るものはない」)と述べ、毒を仰いだとされている。
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