いっ‐ぽん【一本】
読み方:いっぽん
1 細長い物一つ。また、電話・手紙などについてもいう。「—の便りもない」→本(ほん)
2
3 柔道・剣道などで、完全に技が一つ決まること。柔道では投げ技のほか、押さえ込みで20秒が経過した場合、絞め技や関節技で相手が「参った」と言った場合など。
4 《3から転じて》相手をやり込めること。「これは一本取られたな」
5 (名詞に付いて)そのことだけに、目標や態度などを絞ること。いっぽんやり。「芸—に生きる」「進学—にしぼる」
6 それ一つだけで独立しうる状態であること。特に、一人前になった芸者。→半玉(はんぎょく)
8 銭100枚をつないだ銭差(ぜにさし)一つ。一文銭で100文、四文銭で400文。
「—づつも取らねば勘定に合ふもんぢゃあねえ」〈黄・即席耳学問〉
「おのれが弟の伝三郎、今迄おのれら—と思ひしに」〈浄・卯月の紅葉〉
[アクセント]1・3〜8はイッポン、2はイッポン。
ひと‐もと【一本】
一本
一本
一本
一本
- 水揚をすまして一人前になつた芸者のことをいふ。みづあげの条を参照せよ。〔花柳語〕
- 半玉から一人前の芸者になつたもののこと。〔花柳界〕
- 一人前になつた芸者。「半玉」に対する言葉。
- 芸妓。又『寝子(ねこ)』に作る、但し売人間に於ては之等の異名を使用せず専ら『芸者衆(げいしやしゆ)』と称するを常とす。をんちま、をしやま、ぎ、きつね、げいしう、さんしらう、しやも、しげま、しやけ、しやべい、しんげえる、ちんすけ、ちやつた、ちんふり、つま、つよぎ、どぼ、どてつ、ともきち、びー、びるまる、ひようさい、やあちやん、等は何れも其の隠語なり。上は丸山総監の所謂『神聖なる芸妓』より下は一回一錠の円タク連に至るまで妓品頗る多し、何れも七つ八つからイロハを習ひハの字忘れてイロばかりの徒。最近不良客の増加に伴ひ之が撃退を目的として新に腕力芸者の進出する者あり自ら僭して講道館二段と号す、何ぞ猫に類せざるの甚しきや、宜なり近時妓の三紘を張る者亦多く犬皮を用ゆ。著者の如きは常に馬革造る所の皺を鳴してスパニツシユダンスを踊れり、猫か、犬か、はた馬か、希はくは読者の採決に委せん。校書。柳樽(やなぎだる)に曰く。『くらやみを目ばかりあるくからす猫』。明治初年の新聞に、芸者を猫と呼んで告訴された記事が出てゐるが、示談にでもなつたものか判決文が見当らぬ。
- 水揚をすまして一人前になつた芸者のことをいふ。みづあげの条を参照せよ。
- 〔隠〕水揚をすまして一人前になつた芸者のこと。
- 半玉から一人前の芸者になつたもののことをいふ。
- 水揚げを済ました一人前の芸者の事を云ふ。
- 花柳界用語。半玉から一人前の芸者になつたもの。芸者の花代は、今は大方時間制度であるが、昔は線香一本いくらと定められてゐたので、この「一本」といふところから出た言葉であらう。
- 水揚をすませて一人前になつた芸者のこと、玉代(線香代)のことから出た語、「ミズアゲ」参照。
- 水揚をすまして一人前になった芸者のことをいう。〔花柳界〕
- 一人前の芸者。
一本
一本
名字 | 読み方 |
一本 | いちもと |
一本
姓 | 読み方 |
---|---|
一本 | いちもと |
一本 | ひともと |
一本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/03 06:16 UTC 版)

一本(いっぽん)とは、武道、将棋、プロレス等、勝負ごとにおいて、ひと勝負ついた、決着がついたことである。
一般の「一本」
二本勝負、三本勝負もあるので、最終的な勝敗が決まったとは限らない。また、「X本勝負」と言った場合、X本先にとったほうが勝ちになるジャンルとプロレスなどX本の半分より大きな本数をとった場合に勝ちになるジャンルがある。
空手において、十分に威力のある突き・蹴りが極まる、もしくはノックダウンを喫した場合や立ち上がれない場合(ノックアウト)、剣道において、十分に威力のある打突が極まる、プロレスにおいてフォールをとられることなどで一本が成立する。
関節技、絞め技が認められる格闘技においてはタップアウトを奪うことも指す。
柔道の「一本」

柔道では、1897年、二本先取勝利の三本勝負であった[1]。これは現在の試合を見ても分かる通り、一本勝負では必ずしも強い方が勝つとは限らないためである。嘉納治五郎の考えであった。
1900年、講道館柔道試合審判規定が制定された際も二本先取勝利の三本勝負であった。
大正時代初期に「二本勝負」と呼ぶようになった[2]。
1916年、団体戦を中心に一部の試合で一本勝負が行われるようになった。
1925年、どちらかの競技者が一本をとった時点で、試合は終了する一本勝負となった。
判定基準
「一本」は、講道館柔道試合審判規定(日本国内ルール)と国際柔道連盟試合審判規定(国際ルール)の両方にあるが、両規定による判定基準は少し異なる。
また「技あり」をいくつか取った場合にも「一本勝ち」が宣告されることがある。「技あり、合せて一本」、「合わせ技一本」または「合わせて一本」などとも呼ばれる。
1900年、講道館柔道試合審判規定が制定された際は何回取ったら一本になるかの規定はなく審判の判断で技あり、合せて一本となった。
1925年、二つの技ありで技あり、合せて一本となった。
2017年、国際ルールでは技あり、合せて一本は廃止された。
2018年、国際ルールで二つの技ありで技あり、合せて一本が復活。
かつては、相手に「指導3」(または「警告」)および自分に「技あり」が与えられると「総合勝ち」(同23条)が宣告され、「一本勝ち」と同等の扱いとされたが、「総合勝ち」による勝敗決定は既に廃止されている。
講道館柔道試合審判規定(日本国内ルール)
- 投げ技等において「技を掛けるか、相手の技をはずして、相当の勢い、あるいははずみで、だいたい仰向けに倒したとき」、または、先に「技あり」ポイントを持った状態で一本規定のどれか1つが欠けた、いわゆる「技あり規定をクリアしたとき」
- 抑え込みにおいて「30秒間抑え込んだとき」、または、先に「技あり」ポイントを持った状態で抑え込みにおいて「25秒間抑え込んだとき」
- 絞め技、関節技、抑込技において「相手が発声または合図によって、『参った』を表明したとき」
- 絞め技、関節技において「絞め技、関節技の効果が十分現れたとき」
- これは選手が落ちる、脱臼、骨折した場合が相当する。かつてはここまで至らなくても審判の判断で見込み一本がとることができたが男子は1966年から、女子は1995年から国際ルールに合わせる形で原則、見込み一本はとらなくなった。
国際柔道連盟試合審判規定(国際ルール)
- 投げ技等において「相手を制しながら相当な『強さ』と『速さ』をもって、『背中が大きく畳につくように』投げたとき」
- 相手がブリッジで着地した場合は一本とみなす
- 2014年、転がるように投げた時は一本から除外された
- 抑え込みにおいて「20秒間抑え込んだとき」
- かつては25秒や30秒だった
- かつては「絞め技、関節技の効果が十分現れたとき」だったがこれに変わり、落ちた場合は一本になるが脱臼、骨折の場合は審判が戦闘能力があるとみなせば試合続行となった
- 試合者の一方が2回目の「技あり」をとったとき[3]
- 技ありポイントを持った状態で投げ技の技ありポイントを取ったとき、又は、抑え込みにおいて「10秒間抑え込んだとき」
剣道の「一本」
幕末期には十本勝負が通例とされていたが、明治時代に大日本武徳会で試合審判規定が制定され、三本勝負とされた。太平洋戦争中は真剣勝負を想定して一本勝負が奨励された。
脚注
関連項目
一本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/04 16:29 UTC 版)
「まことにや、やがては下ると言ひたる人に」(日本古典文学大系318段)の後に「一本 きよしと見ゆるものの次に」として「夜まさりするもの」から始まる類想章段と「松の木立高き所の」から始まる随想章段が記載されているのが三巻本の本文の大きな特徴である。この「一本」は「別の本には『きよしと見ゆるもの』(大系148段)以降に以下の章段が書かれていた」との意味であるが、該当する本文を保有した写本は三巻本以外に現存せず、河内方(河内学派)の素寂が『紫明抄』で引用した『枕草子』の写本(堺本の源流に擬される)と併せて、清少納言本人の手で完成された最終稿とは全く別の「異本」(源経房が広めた成長過程の本文から派生した系統か)の存在が示唆される。 一本の本文自体も一類(甲類)と二類(乙類)で相違が見られ、二類では「夏のしつらひは」と「冬のしつらひは」が一類の「火桶は」と「畳は」の間に入り、一類の一本が随想章段「女房のまゐりまかでには」で終わるのに対して二類は「又一本」としていくつかの類想章段を堺本系統の写本より採用している。
※この「一本」の解説は、「三巻本 (枕草子)」の解説の一部です。
「一本」を含む「三巻本 (枕草子)」の記事については、「三巻本 (枕草子)」の概要を参照ください。
一本
「一本」の例文・使い方・用例・文例
- その線は点Aでもう一本の線と交差している
- もし私に指一本でも触れたら,大声を上げて助けを呼ぶわよ
- そのいすは脚が一本壊れているので,座らないように
- そのいすには気をつけて.脚が一本折れてるから
- 自分の腕一本で成功した男
- 彼がそこに一本の線を引く
- 巨大な一本石が彼らの行く手を阻んだ。
- 彼らは記念の一本石の柱を建てた。
- 棒下げは相場が一本調子で減少する状態のことである。
- 棒上げは相場が一本調子で増加する状態のことである。
- 今日の午前8時ごろ、アメリカの警察署に一本の電話がかかってきました。
- 刀の職人が作った中の最高の一本
- この舞台は釘を一本も使っていません。
- このたばこは一本当たりいくらですか?
- 後一本、タバコ吸ったら寝ます。
- 私にもう一本スプーンをくれませんか。
- 私は昨日からまだ一本もタバコを吸っていません。
- それは一本の電話が始まりだった。
- 彼はもう一本の前歯も失いました。
- 私は自分の連絡先を一本化することに決めた。
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