其のとは?

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そ‐の【×其の】

【一】連体代名詞「そ」+格助詞「の」から》

空間的心理的聞き手に近い人や物をさす。「其の男は何者だ」「其の服はどこで買いましたか」

聞き手当面している事柄場面をさす。今の。「其の仕事が終わったら、次を頼むよ」「其の調子で進めてください

現在、話に出ている、または、話に出たばかり事柄をさす。「其の日はとても暑かった」「其の話はもうやめよう」

全体いくつか分けた中の、ある部分をさす。「其の一、其の二」

【二】[感]すらすら言えないときなどに、つなぎに発する語。「まあ、其の、何て言うか」「ほら、其の、例の件ですが」


そ‐の【其━】

1連語〕 (中称代名詞「そ」に格助詞「の」の付いたもの近代語では「そ」の単独用法がないので、一語とみて「連体詞」とする)

前に述べたことや聞き手了解していることをさし示す。古く強い関心をもつものを指示するのに用いられた。

古事記(712)中・歌謡「をとめの 床の辺我が置きし つるきの太刀 曾能(ソノ)太刀はや」

前に述べたことを「そ」で受けて、「それの」の意を表わすそのことの。そのものの。

古事記(712)下・歌謡「新嘗屋に 生ひ立て葉広 斎(ゆ)つ真椿 其が広りいまし 曾能(ソノ)花の 照りいます」

源氏100114頃)桐壺後涼殿に本よりさぶらひ給ふ更衣曹司をほかに移させ給て、上局たまはす。その怨ましてやらむ方なし」

③ (古い用法で) 話し手からも聞き手からもやや遠い人や事物をさし示す。あの。

書紀720仁徳二二年正月・歌謡押し照る 難波の埼の 並び並べむとこそ 曾能(ソノ)子はありけめ」

話し手が、空間的心理的に、聞き手の側にあると考える人や物などをさし示す。

*竹取(9C末‐10C初)「ゆかしき物を見せ給へらんに、御心さしまさりたりとてつかうまつらんと、そのおはすらん人々に申給へといふ」

平家13C前)四「『すみやかにその馬六波羅へつかはせ』とこその給ひけれ」

(5) 不定の人や事物をさし示す。どういう。どんな。

万葉(8C後)一五・三七四二「逢はむ日を其(その)日と知らず常闇にいづれの日まで吾恋ひ居らむ」

(6) わざとはっきり名を表わさないで、人や事物を示す。なになにの。

観智院三宝絵(984)中「まことの御子は〈略〉去年(こぞ)のその月に隠れ給ひにきと云ふ」

平家13C前)一「あっぱれ其人のほろびたらば其国はあきなむ」

(7) 次にすぐ述べる事柄をさし示す。多く翻訳文などに用いる。「その名が忘れられない多く友だちがいる」「その母親医者であるところの友人

2感動〕 口ごもったときなどに、次の語につなぐためや、間をもたせるためなどに発する語。

外科室(1895)〈泉鏡花〉下「ちょいとした女を見ると、つひそのなんだ」




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