半玉
- 未だ一人前の芸妓とならず、玉代の半分なる年若き妓を云ふ。
- おしやく、雛妓に同じ。未だ一人前とならざる芸妓の、玉代半分なるもの。
- 未だ水揚をしないで、お酌をしたり、舞をまつたりする年のゆかぬ芸妓の事をいふ。〔花柳語〕
- 未だ一本にならない年のゆかない水揚げ前の芸妓で、客席に出てもお酌をしたり、舞をまつたりするのみである。〔花柳界〕
- 芸妓候補者の舞踊又は下方を以て客席に侍する者、但し満十二才以上の義務教育修了者に限り其の営業を認可せらる。桃割れ、友禅、衣は必ずオハシヨリとす。常に処女を装ひ巧みに差恥の態を学ぶ、客の之を手折らんと欲する者あれば時に千金を唱ふ、一度び其の節を破れば即ち一本と成る、蓋し必ずしも然らざる者あり。明治時代『アラよござい』の異名を有したるも今は絶えて之を口にする者なし、好んで蜜豆を食ふ。素と玉祝儀(ぎょくしうぎ)共一本の半額なるを通則としたるを以て半玉と云ふ。今は稍高し、雛妓(すうぎ)。
- お酌の事。
- 未だ水揚をしないで、お酌をしたり、舞をまつたりする年のゆかぬ芸妓の事をいふ。
- 〔俗〕お酌をしたり、舞をまつたりする、年のゆかない芸妓をいふ。
- まだ水揚げをしないでお酌をしたり舞を舞ふたりする芸妓の事を云ふ。
- 〔花〕お酌をしたり舞をまつたりする若い芸妓のこと、玉代が半分の意。
- まだ水揚げをしないで、お酌をしたり、舞をまったりする年のゆかぬ芸妓のこと。〔花柳界〕
半玉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/11 02:56 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動半玉(はんぎょく)は、関東地方を中心とした花柳界における年少芸妓(芸者の見習い)のことである。別名「おしゃく(しばしば雛妓の字があてられる)」「赤襟」「半線香」など。名前はかつて「玉代(ぎょくだい)」が一人前の芸者の半分であったことに由来する。全国各地に「半玉」とよばれる存在があるが、ここでは東京の半玉について述べる。
服装
髪型は日本髪で唐人髷または桃割れ、少し大きくなると結綿に結ったりもしたという。現在は鬘使用が圧倒的多数だが、かつては地毛結いであった。髪には花かんざしを飾る。
年少芸妓である半玉の着る振袖は、現代にいたるまで「肩揚げ」のついた子供仕様である。また、半玉の間は正式な座敷姿で(白塗り日本髪)お座敷に出るが関西の「舞妓」と異なり正式な形であっても裾は「おはしょり」をしているのが特徴。帯は錦の帯を半玉独特の形(通称「おしゃく結び」・一般に後見結びと呼ばれるものに近い)に結ぶ。半襟は紅系統で豪華な刺繍が施され、足元はぽっくり下駄である。かんざし、着物の雰囲気などに各街の特徴が出ていたようである。
年齢
かつては現在の小学校高学年~高校生にあたる年代で半玉に出ていたが、現在は法律の関係から18歳以上(学生不可)にならないと半玉として仕事を始めることはできない。
芸事
近年の状況
半玉になれる期間は年齢で制限され芸者に比べると短期間であるため座敷着等支度のコストもあり、しかも以前に比べると年齢が高いこともあってか戦後はなり手が少なくなっていた。しかし、近年「京都の舞妓」のように花柳界に注目が集まる対象として「半玉」が各地に再び増えつつある。
文献
芸妓も参考のこと。
- 中島花代『小さな芸者さん!お酌チャンno.1!』メディアファクトリー、1992年8月、ISBN 4889912592
- 岡本かの子『雛妓』:新字新仮名 - 青空文庫
外部リンク
- Bits of Life In Japan - 太鼓と舞を披露する1920年代の動画
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半玉と同じ種類の言葉
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