櫛とは? わかりやすく解説

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くし【×櫛/×梳】

読み方:くし

《「串(くし)」と同語源》髪の毛をすいたり、髪に挿して飾り使ったりする道具黄楊(つげ)・竹・鼈甲(べっこう)・合成樹脂などで作る。「髪に—を入れる」

櫛/梳の画像
(1)から毛筋立て挽き櫛、鬢出し梳き櫛鬢櫛

しつ【×櫛】

読み方:しつ

人名用漢字] [音]シツ(漢) [訓]くし くしけずる

くし。「櫛比

くしけずる。「櫛風沐雨(しっぷうもくう)」

難読櫛笥(くしげ)


櫛 (くし)

櫛 牛馬の手入れ用の木櫛である。主に馬のたてがみと、尾の整毛に使用したこの他の手入れ用具は、フケ取り用の金櫛や刷毛がある。家畜使役したあと、金櫛をかけ、次いで刷毛で畜体を上下摩擦することによって、血液循環をよくし寄生虫害虫駆除するのが、この手入れ目的である。この手入れ用具は現在でも使用されている。長さ15.5cm、幅5cm、櫛の長さ3cm重さ0.05kgである。

読み方:クシ(kushi)

髪をすく用具


くし 【櫛】

頭髪をすいたり髪飾りにしたりする櫛は、日本では玉串の串に通じるとして、神霊依代とも考えられていた。櫛に関する俗信多くもらった拾ったりするのは「苦をもたらす」として嫌った投げると縁が切れるとされる。昔、皇女伊勢賀茂神社斎宮として赴く際、天皇与える「別れ御櫛」の儀は有名。櫛は魔除になるなど、地方により種々の俗信がある。昔は、これで占いもし櫛占といい、若い女性が「逢うことを問うや夕げのうらまさに黄楊の小櫛もしるし見せなん」などの歌を三唱し、米をまいて櫛の歯を三度鳴らし定めた範囲内に来た人の言葉聞いて吉凶判じた。

作者ヴェイヨ・メリ

収載図書現代北欧文学18人集
出版社新潮社
刊行年月1987.9


作者津村節子

収載図書惑い
出版社読売新聞社
刊行年月1987.10

収載図書惑い
出版社文芸春秋
刊行年月1990.10
シリーズ名文春文庫


作者山手樹一郎

収載図書浪人人生
出版社東京文芸社
刊行年月1988.7
シリーズ名人生シリーズ

収載図書春の虹うぐいす
出版社光風出版
刊行年月1991.4

収載図書競作 黒門町伝七捕物帳
出版社光文社
刊行年月1992.2
シリーズ名光文社時代小説文庫

収載図書二十年目の熱情
出版社桃園書房
刊行年月1994.3
シリーズ名桃園文庫

収載図書浪人まつり・恋の酒
出版社光風出版
刊行年月2001.8
シリーズ名光風文庫


作者片山廣子

収載図書燈火節随筆+小説集
出版社月曜社
刊行年月2004.11


作者曽原紀子

収載図書遮断機―Shaadanki
出版社鉱脈社
刊行年月2008.3


作者小川未明

収載図書小川未明幽霊船文豪怪談傑作選
出版社筑摩書房
刊行年月2008.8
シリーズ名ちくま文庫


読み方:くし

  1. 塩鮭ノコトヲ云フ。〔第三類 飲食物之部・山形県
  2. 塩鮭。〔第六類 器具食物
  3. 塩鮭を云ふ。〔山形県
  4. 塩鮭のこと。

分類 山形県

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/21 04:08 UTC 版)

髪を梳かす女性ピエール=オーギュスト・ルノワールの絵画から

(くし)は、を梳(と)いて髪型を整えたり、髪を飾ったりする道具。英語でコーム (comb) と呼ぶこともある。

概要

形状は通常、板状であり、長辺の片方に等間隔の切り込みが入れられている。切り込みと切り込みの間の部分は歯と呼ばれる。古くはダニシラミノミといった吸血虫ふけなどを取り除く衛生用具としての側面もあった[1]。時代とともに、入浴や洗髪の習慣が普及するようになると、こういった衛生用具としての役目は小さくなっていった。

同じく髪を梳く道具にヘアーブラシがある。櫛が板状であるために歯が1列に並んでいるのに対し、ブラシは歯に相当するピンが毛などで作られていて複数列あり、使用目的によって配列が異なっている、という違いがある。

櫛の歴史と種類

櫛の歴史は古く、現代のヘアピンに近い単純なつくりのものを含めると、さらにその時代を遡ることになる。歯を備えた櫛は古代エジプトで既に広く使用されていたと考えられている[2]

櫛は形状により竪櫛、 横櫛、 両歯櫛に分けられる[3]

竪櫛
櫛の歯を下に向けたとき幅が狭く縦長になるもの[3]
横櫛
櫛の歯を下に向けたとき幅が広く横長になるもの[3]
両歯櫛
櫛の天地(上下)の両方に歯があるもの[3]

また櫛は歯の作り方により結歯式と刻歯式に分けられる[3]

結歯式
細い竹や木を束ねて櫛の歯としたもの[3]
刻歯式
板状の木や動物の骨に歯の刻みを入れたもの[3]

一般的には横櫛で刻歯式のものが広く用いられた[3]。太平洋の島々などでは竪櫛もみられる[3]

日本では縄文時代早期(約7000年前)のものとみられる木製櫛が佐賀市東名遺跡から出土している[4]。縄文時代には刻歯式の竪櫛が用いられたが、古墳時代には結歯式の竪櫛が多用された[3]。奈良時代には大陸から横櫛が伝来し横型刻歯式の挽歯櫛が一般的になった[3]。江戸時代には髪を結い上げる習慣に伴って櫛などの髪を整える道具類が発達した[5]

素材は、獣の骨や木材一般から、より櫛に適した木(ツゲマユミなど)や鼈甲象牙金属合成樹脂製などへと多様化し、形状や美しさもより高度なものへと発展してきた。現代では、理髪店などで利用者ごとに取り換えられる[6]安価な量産品もある。

現代の理容技術ではカットコーム、セットコーム、テールコームなど多種の櫛が用いられている。

和櫛

明治〜大正期の櫛(木製)装飾品。

日本では江戸時代中期以降に多彩な髪形が生まれ、それに合わせて櫛(くし)、笄(こうがい)、簪(かんざし)といった道具が発達した[5]

素材

日本では伝統的につげ櫛が高級品とされ、和泉櫛がつくられる和泉国近木荘(現・大阪府貝塚市)のような著名な産地もあった[7]

種類

櫛には用途で4種類、形状や大小で細かく分類される。

現在のヘアブラシに近い形状をしている。大きさは15cm~18cm辺り。歯数により名称が変わる。

  • 梳かし櫛(解き櫛) 
    • 利久
    • 福利久
    • 男櫛
    • セット櫛
    • 馬櫛
  • 梳かし櫛 歯数
    • 梳き歯(15本)
    • 相細(14本)
    • 相歯(13本)
    • 相太(12本)
    • 押荒(11本)
    • 荒歯(10本)

頭皮の頭垢や髪の汚れを取るための櫛。歯の間隔は0.5mmで櫛の大きさは9cm~12cm程度、歯数は3cm当たり29本~42本辺りである。

  • 梳き櫛
    • お六両歯
    • お六片歯
    • 竹唐(たけとう)
    • 挽唐(ひきとう)

装身具としても用いる櫛。梳き櫛に次いで目が細かく、歯数は3cm当たり15~25本程度。

  • 押櫛(飾り櫛・塗櫛)
    • 京型
    • 京丸型
    • 丸型
    • 月型

かつては理髪店丁髷力士等に用いられていた。

  • 結櫛
    • 丁髷櫛(ちょんまげぐし)
    • 鬢掻櫛
    • 筋立
    • 鬢出

櫛の文化

日本語の櫛(クシ)

日本語では櫛は「霊妙なこと、不思議なこと」という意味の「奇(くすし)」や「聖(くしび)」との音の共通性から呪力を持つものとして扱われた[3]。他方では女性が髪を梳くことから女性格の象徴的な物品としても扱われた[3]

語の読みからは「苦死」に通じるため、道に落ちている櫛を拾うことは「苦と死を拾う」ことにつながり、縁起が悪いことと忌み嫌われる。どうしても拾わなくてはならない時は、足で踏んでから拾う。贈り物にするときは、忌み言葉として「かんざし」と呼ぶ。そのほか「94」を「くし」と読む語呂合わせから、櫛を大切に扱い、人々の美容への認識を高めてもらおうと、日本の全国美容週間実行委員会が9月4日を「くしの日」と定めた。

櫛の呪力

日本では古来、櫛は別れを招く呪力を持っているとされ、現代の日本人でも櫛を贈答品にしたり、気軽に貸し借りしたりするのを嫌がる人は少なくない。一方で、魂の宿る頭に飾るものであることから、自らの分身として旅立つ人に手渡しもした。

  • 古事記』には、伊邪那岐命が、妻の伊邪那美命が差し向けた追っ手(黄泉醜女)から逃れるために、櫛の歯を後ろに投げ捨てたところに変わり、黄泉醜女がそれを食べている間に逃げることができたという記述がある[3]。同じく『古事記』で大蛇を退治しに出向く須佐之男命櫛名田比売を櫛に変えて自分の髪に挿した。
  • 天皇は斎宮として都を旅立つ皇族の少女を見送る儀式で、「別れの櫛」を手ずから髪に挿し、別れの言葉をかけた。彼女たちは身内か天皇に不幸があるまで都に帰ることはできず、巫女であるため任務を解かれるまで恋愛もできない。櫛を挿す儀式には俗縁を断つという意味があるとされる[3]。逆に成人式に当たる「髪上げの儀」では、大人社会への仲間入りの象徴として櫛が少女の髪に挿される。この儀式の直後に婚礼を済ませることもあった。
  • ドイツ童話の中には『白雪姫』のように、櫛が女性の生命活動を一時的に停止できる(気絶させたり、金縛りにしたりする)黒魔法の道具として登場することもある。
  • 古代中国の一部の呪術者の中には、『捜神記』の于吉のように体を洗わず、髪に櫛を入れないことで雨乞いをする者もいた。

ギャラリー

脚注

  1. ^ 【モノごころ ヒト語り】櫛(くし)長い黒髪守る細かい歯『日本経済新聞』夕刊2018年11月17日(社会・スポーツ面)2018年12月2日閲覧。
  2. ^ ポーラ文化研究所 編『世界の櫛』山村博美、村田孝子、津田紀代、増田佳江〈ポーラ文化研究所コレクション〉、1996年1月20日、102頁。ISBN 4-938547-33-3 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 山形県立博物館ニュース 第99号 山形県立博物館、2019年10月1日閲覧。
  4. ^ 国内最古の木製くし出土 佐賀市の東名遺跡”. 共同通信 (2006年10月18日). 2008年10月10日閲覧。
  5. ^ a b 沼津市歴史民俗資料館資料館だより vol.36 No.4 沼津市歴史民俗資料館、2019年10月1日閲覧。
  6. ^ 一例として、QBハウスとは(2018年8月16日閲覧)。
  7. ^ 伊藤伸史「和泉櫛のロマンひもとく◇義父の技に魅せられて1500年以上の歴史に迫る◇」『日本経済新聞』朝刊2018年8月16日(文化面)2018年8月16日閲覧。

関連項目


出典:『Wiktionary』 (2018/08/06 02:45 UTC 版)

発音(?)

熟語


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