競合作品
競合作品(きょうごうさくひん)とは、ほぼ同時期において「酷似したテーマ」で製作され競合している作品同士のことを指す[注 1]。「ライバル作品」「ライバルプロジェクト」等とも言われる。また、意図的に競り合って製作することを「競作」という[2]。
公開が同時期ではなく、数年以上離れている場合には、「競合作品」と呼ばれない場合が多い。その場合には、「類似作品」「類似テーマの作品」などと呼ばれる。
たまたま同じテーマになって競合してしまった場合もあるが、さまざまな製作会社に企画書を提出していく中で、作品テーマ・コンセプトなどが関係者に流出して、そこから改変・流用されて新たなストーリーが作られて採用されたケースなども少なくない。
映画
ここでは基本的に、公開が1年前後で著名性の高い作品か、出典で「競合作品」として言及されている作品を一覧にする。
1950年代
1960年代
1980年代
- 『007 オクトパシー』VS『ネバーセイ・ネバーアゲイン』
- 1983年に公開された、「ジェームズ・ボンド」をテーマにした映画作品。映画化権の権利関係で、本家シリーズとは別にショーン・コネリーが再びボンドを演じた映画が作られた。
- 『地獄のヒーロー』VS『ランボー/怒りの脱出』VS『コマンドー』
- 1984年から1985年にかけて公開された、肉体派アクション俳優によるワンマンアーミー映画。
1990年代
- 『四十七人の刺客』VS『忠臣蔵外伝 四谷怪談』
- 1994年に東宝と松竹が製作した『忠臣蔵』を題材にした映画作品[3]。
- 『アルマゲドン』VS『ディープ・インパクト』[4]
- 1998年に公開された、「地球への彗星衝突」をテーマにした映画作品。
2000年代
- 『レッドプラネット』VS『ミッション・トゥ・マーズ』
- 2000年に公開された、「火星」をテーマにした映画作品。
- 『カポーティ』VS『インファマス』(日本未公開)[4]
- 前者は2005年に、後者は2006年に公開された。トルーマン・カポーティの伝記映画。
2010年代
- 『はやぶさ/HAYABUSA』VS『はやぶさ 遥かなる帰還』VS『おかえり、はやぶさ』
- 2011年秋から2012年春にかけて公開された、日本の小惑星探査機「はやぶさ」に関する実写映画作品。映画大手3社(20世紀フォックス・東映・松竹)競作として注目を集めた[3]。
- 『エンド・オブ・ホワイトハウス』VS『ホワイトハウス・ダウン』[4]
- 2013年に公開された、「ホワイトハウスへのテロ攻撃」をテーマにした映画作品。
- 『スティーブ・ジョブズ (英題 Jobs)』と『スティーブ・ジョブズ (英題 Steve Jobs)』
- 2013年と2015年に公開された、2011年に亡くなったAppleの経営者「スティーブ・ジョブズ」を題材にした映画。
- 『ドローン・オブ・ウォー』VS『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』
- 2014年と2015年に公開された、ドローンを題材にした映画。
- 『シチズンフォー スノーデンの暴露』VS『スノーデン』
- 日本では前者が2016年、後者が2017年に公開された。どちらもエドワード・スノーデンを題材にした映画ではあるが、前者がドキュメンタリー映画であるのに対して、後者は伝記映画であり、ジャンルは異なっている。
- 『パトリオット・デイ』VS『ボストン ストロング 〜ダメな僕だから英雄になれた〜』[4]
- 前者は2017年に、後者は2018年に公開された。「ボストンマラソン爆弾テロ事件」をテーマにした映画作品。
ライバル・類似作品
公開年は離れているが、同一のテーマ等で比較されやすい作品。
- 『史上最大の作戦』と『プライベート・ライアン』
- 1962年と1998年に公開された、ノルマンディー上陸作戦を題材にした戦争映画。
- 『エイリアン』と『プレデター』
- 1979年と1987年に公開された、異星人・地球外生命体との戦いを題材にしたSF映画。2004年にはクロスオーバー作品として、『エイリアンVSプレデター』が公開された。
- 『13日の金曜日』と『エルム街の悪夢』
- 1980年と1984年に公開されたスラッシャー映画。2003年にはクロスオーバー作品として、『フレディVSジェイソン』が公開された。
- 『レッド・オクトーバーを追え!』と『クリムゾン・タイド』
- 前者は1990年に、後者は1995年に公開された。どちらも「米ソの潜水艦」をテーマにした映画作品。
- 『トイ・ストーリー』と『スモール・ソルジャーズ』
- 1995年と1998年に公開された、玩具を題材にした映画。
- 『イベント・ホライゾン』と『サンシャイン2057』と『ライフ』
- 1997年、2007年、2017年に公開された、宇宙船が舞台のSFホラー映画。10年毎に公開されており、『サンシャイン2057』と『ライフ』には真田広之が出演している。
- 『リング』と『呪怨』
- 1998年と2003年に公開されたホラー映画であり、いわゆる「Jホラー」ブームの火付け役となった二作品である。2016年には、クロスオーバー作品の『貞子vs伽椰子』が公開された。
メディアミックス作品
- 『アイドルマスター』VS『ラブライブ!』VS『アイカツ!』
- 前者は2005年から、中者は2010年から、後者は2012年からとスタート時期は異なっているが、一般的には競合作品とされている。「アイドル」をテーマにしたメディアミックス作品。競合しているものの、それぞれにターゲット層が棲み分けているので、現実のアイドルのように「ファンの奪い合い」になることも少ないとされる[5]。
ポピュラー音楽
- 日本
演歌において競作は非常に多く、耳に残るメロディについては複数歌手の相乗効果で市場占有がはかられ、全体の売れ行きアップにもつながる。発表時期がずれてカバーの形をとるケースもある。『氷雨』『男と女のラブゲーム』『浪花節だよ人生は』などが著名である。
関連項目
脚注
注釈
出典
- ^ “「アベンジャーズ エンドゲーム」ヒットの理由は “競合作品”への見解も聞く”. 映画.com (カカクコム). (2019年5月23日) 2021年7月31日閲覧。
- ^ "競作". 精選版 日本国語大辞典, デジタル大辞泉. コトバンクより2021年8月7日閲覧。
- ^ a b c 西田健作 (2011年7月12日12:56). “映画「はやぶさ」3社競う 足踏み日本、自信回復の願い”. asahi.com (朝日新聞社). オリジナルの2011年9月12日時点におけるアーカイブ。 2021年7月31日閲覧。
- ^ a b c d e f 猿渡由紀 (2018年5月19日). “同じ話の映画を偶然ライバルが企画した時、ハリウッドはどう立ち向かったのか”. Yahoo!ニュース. ヤフー. 2021年7月31日閲覧。
- ^ さやわか (2015年9月14日). “『ラブライブ!』『アイマス』『アイカツ!』劇場版の方向性はどう異なるのか?”. Real Sound (blueprint): p. 2 2021年7月31日閲覧。
競作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 03:08 UTC 版)
柳の下にドジョウを二匹狙うのは芸能界の常で、「お座敷小唄」の作者が不詳とされていることから、作者から訴えられる心配がないこともあって、曲のリズム、作詞こそ違うものの四社の競作となった。テイチクが久美悦子で「裏町小唄」を、コロムビアがこまどり姉妹で「祇園エレジー」、クラウンが赤坂まり江で「芸者小唄」を出した。さらに1961年に東芝から園浦ひろみで「しらゆき小唄」、コロムビアが岡田ゆり子で「流れの枯れすすき」を発売しており、類似曲が6曲出た勘定になった。「お座敷小唄」発売以前に出た「しらゆき小唄」と「流れの枯れすすき」も含め、上記の曲はほぼよく似たメロディである。「祇園エレジー」だけは、こまどり姉妹人気で30万枚超のヒットだったが、他の曲はさほど売れなかった。別の替歌を「お座敷小唄」に流用した替歌もある。 発売から半年足った1965年になっても人気が落ちず、1965年には更に便乗小唄が続々に発売された。キングの二宮ゆき子とコロムビアの三島敏夫が競作で出した「まつのき小唄」がチャートの1位、2位を独占する大ヒット。この他、『番外地小唄』『アリューシャン小唄』『みなとまち小唄』『酒場小唄』『青春小唄』なども発売された。
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競作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 11:06 UTC 版)
園まり - 1966年9月5日発売、共作詞:中村泰士、富田清吾、補曲(採譜):中村泰士。 緑川アコ - 1966年、作詞:水島哲、補曲(採譜):叶弦大。 藤田功、愛まち子 - 1966年、藤田功は作曲者・曾根幸明の別名義。作詞:大高ひさを。 バーブ佐竹 - 1966年、作詞:藤間哲郎。 梅宮辰夫 - 1966年、作詞:志賀大介。
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