和包丁(わぼうちょう)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 07:13 UTC 版)
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和包丁
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「en:Japanese kitchen knife」も参照 和包丁とは、日本料理に用いる包丁の総称である。技術面では、日本古来の鋼と軟鉄を接合して作られた包丁と定義される。軟鉄の地金と鋼を鍛接した構造のものが多い。片刃のものが多く、右利き用の片刃包丁の場合、右手に包丁を持つと刃先は左側に偏る特徴がある。砥石で研ぐとき軟鉄が先に減って自然と鋭い刃が付くのも特徴。また、柄は打ち込んであるため、腐蝕しても簡単に打ち変えることができる。菜切り包丁・出刃包丁・刺身包丁など、多くの種類がある。 菜切包丁/菜切り包丁(なきりぼうちょう、なっきりぼうちょう。英語:nakiri knife) 菜刀(ながたな)ともいう。家庭向けの四角い両刃の包丁。かつて一般家庭用として広く普及した。 薄刃包丁(うすばぼうちょう。英語: usuba knife) 主に野菜を切るための包丁。片刃で、関東型(東型)は刃の形状が長方形、関西型は先端みね側が丸くなっており「鎌型」とも呼ぶ。日本料理ではかつら剥きや野菜の曲切りなど非常に用途が広い。小型の薄刃包丁を特に「皮むき包丁」と呼ぶこともある。 出刃包丁(でばぼうちょう。英語: deba knife) 主に魚を解体するのに使用する。魚の調理ではしばしば行われる「(魚を)三枚におろす」と表現される作業をする時に非常に便利な包丁である。魚の骨を切断する時などに大きな力を入れても刃先が撓ったり曲がったりしないように刃が厚く重くつくられ、身をそぐのにも適した片刃の包丁で、形状も三枚おろしに適した三角形。10 cmから30 cmほどまで様々な大きさのものがある。「江戸時代に泉州堺の出っ歯の鍛冶が開発したことから、出刃包丁という名前がついた」という説がある。出刃包丁の変種として、大型で刃の薄い鮭切包丁、中型で刃が薄く幅が狭い相出刃や舟行包丁、小型で刃の薄い鯵切包丁などがある。 刺身包丁(さしみぼうちょう。英語: sashimi knife) 刺身を切るための包丁。刺身を切る際に刃を往復すると素材の切断面が傷むことから一方向にのみ引き切ることができるように刃体が長い。関西型は先が尖り、その形状から柳刃(やなぎば)と呼ぶ。「柳葉」の字をあてることもあり、また、菖蒲の葉にも似ていることから「菖蒲」「正夫」と呼ぶこともある。関東型は蛸引(たこひき)と呼ぶが、刃が直線的で先端を平らに切落としたような形状になっており、柳刃よりもやや薄い。丸まった蛸の足を切るのに適したものなので蛸引と呼ぶとする説がある。先端が尖っていないのは喧嘩っ早い江戸っ子が喧嘩に使いにくいようにしたためだともいう。先端で細工切りがしやすいなどの理由で、近時は柳刃が関東も含め全国的に主流となっている。刃裏には裏すき、若しくは决り(しゃくり)と呼ばれる凹みがある。河豚刺し用には専用の特に薄くて鋭利な河豚引きがある。てっぽう(関西方面での河豚の通称)用という意味でてっさ包丁とも呼ぶ。 鰻裂/鰻裂き(うなぎさき。英語: eel knife) 鰻を捌く際に用いる。地方により様々な形状のものがある。 穴子包丁(あなごぼうちょう) 穴子(あなご)を捌くのに用いる。鰻裂とほぼ同じ形状のものである。 鱧切/鱧切り(はもきり) 鱧(はも)を捌くのに用いる。鱧は小骨が非常に多く、いちいち抜いてはいられないため、皮一枚残して身ごと小骨を小刻みに切る必要があり、これを骨切という。 鰌切/鰌切り(どじょうきり) 鰌/泥鰌(どじょう)を捌くのに用いる小さな包丁。 鮪包丁(まぐろぼうちょう。英語: tuna knife) 魚市場などで鮪(まぐろ)を解体する際に使う包丁。刃体は45 cmから150 cmほどのものまであり、特に長いものは若干しなるように作られている。 鰹包丁(かつおぼうちょう) 鰹(かつお)を切るための包丁。刃先が三角にとがった諸刃になっており鰹を容易にさばくことが出来る。 鮨切/鮨切り/寿司切/寿司切り(すしきり) 巻き鮨や押し鮨を切るための包丁。蒲鉾形の刃で、飯や具を潰さずに切ることができる。 麺切包丁/麺切り包丁(めんきりぼうちょう。英語:noodle knife) 麺を切るための包丁。饂飩(うどん)用は饂飩切包丁/うどん切り包丁、蕎麦(そば)用は蕎麦切包丁/蕎麦切り包丁ともいう。麺切包丁を用いるときには、麺の太さを一定にするために小間板(駒板)が用いられることが多い。 餅切/餅切り(もちきり) 餅を切るための包丁。両手型のものもある。刃の部分が若干円く張り出している。 豆腐切/豆腐切り(とうふきり) 豆腐を切るための包丁。形状は麺切包丁に似ている。 寒天切/寒天切り(かんてんきり) 寒天を切るための包丁。刃の部分が横方向に波状になっている。 西瓜切/西瓜切り(すいかきり) スイカを切るための包丁。大型で薄い両刃の包丁。 菓子切/菓子切り(かしきり) 羊羹を切るための包丁。 附包丁(つけぼうちょう) 蒲鉾包丁(かまぼこぼうちょう)ともいう。蒲鉾を成型するための包丁。魚のすり身を板に盛る篦(へら)。
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