柳樽とは? わかりやすく解説

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やなぎ‐だる【柳×樽】

読み方:やなぎだる

柄樽(えだる)の一種で、長い2本の柄のある、祝儀用の酒樽朱漆塗り定紋をつけたものもある。→柄樽角樽(つのだる)

[補説] 「家内喜多留」とも当てて書く。


柳樽

読み方:ヤナギダル(yanagidaru)

(1)婚礼などの祝儀用い酒樽
(2)川柳選集誹風柳多留」の略称。

別名 柳多留


誹風柳多留

(柳樽 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/24 18:34 UTC 版)

誹風柳多留(はいふうやなぎだる)とは、江戸時代中期から幕末まで、ほぼ毎年刊行されていた川柳の句集である。単に「柳多留」と呼ぶこともある。「柳樽」とも。呉陵軒可有編、花屋久次郎版[1]明和2年から天保11年(1765–1840)にかけて167編が刊行された[1][2]

歴史

初編は1765年(明和2年)7月、呉陵軒可有(ごりょうけんあるべし)が編者となって刊行された[1][3]。点者の柄井川柳が前句附興行の「万句合」で選んだ句を掲載している[3]。前句を省いて付句のみを掲載するのは、当時としては異例だった[3]。2編以後は毎年1冊刊行され、31編以降は年10冊程度刊行された[3]。編者の可有が22編で死去した後、23編は如猩編、24編は花洛庵一口編となり、それ以降は月並会の作者の寄せ集め本となった[1][3]

初期の作品は文芸的価値が評価され、中期・後期の作品も風俗資料として評価される[1]。柄井川柳が編纂にたずさわった24編までが、特に評価が高い[4][5]。評者や序文の筆者には、柳亭種彦十返舎一九宿屋飯盛葛飾北斎らが名を連ねている。寛政の改革天保の改革では幕府の干渉を受け、過去の内容を修正した改刷本が出版された[1][3]

前句附興行は、柄井川柳の号である「川柳」の名が宗家として代々受け継がれたことから、「川柳」と呼ばれるようになり、『誹風柳多留』が刊行されていた期間の川柳を、特に「古川柳」と呼ぶことが多い[6]

代表的な句

  • 本降りになって出ていく雨宿り
  • これ小判たった一晩ゐてくれろ
  • かみなりをまねて腹がけやっとさせ
  • 寝ていても団扇のうごく親心
  • 役人の子はにぎにぎをよく覚え

刊本

初篇 浜田義一郎校注 1985 
2篇 鈴木倉之助校注 1985
3篇 岩田秀行校注 1985
4篇 八木敬一校注
5篇 佐藤要人校注 1986 
6篇 粕谷宏紀校注 1987
7篇 西原亮校注 1987
8篇 室山源三郎校注 1987
9篇 八木敬一校注 1987
10篇 佐藤要人校注 1988
  • 『柳多留名句選』山沢英雄選 粕谷宏紀校注 1995 岩波文庫

脚注・参考文献・関連書籍

脚注

  1. ^ a b c d e f 岡本勝, 雲英末雄編『新版近世文学研究事典』おうふう、2006年2月、387-388頁。 
  2. ^ デジタル大辞泉誹風柳多留」 - コトバンク。2019年7月7日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 日本古典文学大辞典編集委員会『日本古典文学大辞典第5巻』岩波書店、1984年10月、38-39頁。 
  4. ^ 岩橋邦枝『岩橋邦枝の誹風柳多留 序章』、14頁https://dl.ndl.go.jp/pid/12457745/1/12。"江戸川柳の真髄は、初代川柳評の24編までにある"。 
  5. ^ 坂内泰子『岩橋邦枝の誹風柳多留 解説』、267頁https://dl.ndl.go.jp/pid/12457745/1/138。"『柳多留』24編が~刊行され、その後も~綿々と編は重ねられ~167編に至ったものの、質の低下は否めず、見るべきものはない"。 
  6. ^ 古川柳』 - コトバンク

関連書籍

英訳書

  • 『英訳江戸川柳 誹風柳多留』撫尾清明訳 アラン・クロケット監修 葉文館出版 1998

参考文献


「柳樽」の例文・使い方・用例・文例

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