すこぶる
「すこぶる」とは、程度が普通を超えて甚だしいさまを意味する表現。
「すこぶる」とは・「すこぶる」の意味
「すこぶる」とは、程度が甚だしいさまを意味する表現であり、「非常に」「たいそう」「たいへん」などの意味がある。ポジティブな意味にもネガティブな意味にも用いられ、良い意味でも悪い意味でも「程度が甚だしい」ことを意味する。また、語源から「少し」「いささか」の意味も持つが、現在では一般的に「非常に」「たいそう」という意味で用いられることが多く、「少し」「いささか」という意味ではほとんど使われていない。「すこぶる」は方言ではなく、古くから使われていた日本固有の大和言葉である。漢字では「頗る」と表記される。「頗」は、音読みで「ハ」、訓読みで「かたよる」「すこぶる」と読み、「程度が普通の状態を超えているさま」や「少し」という意味の他に、「傾く」「偏る」「公平でない」などの意味がある。
「頗」は「皮」と「頁」を組み合わせた会意兼形成文字である。「皮」は「獣の皮を手で引き剝がしている姿の象形。獣の皮を剥ぐと毛皮となるが、転じて広く物の表面を覆うものという意味。また、皮の表面に皺がよる様子から「なみうつ」という意味も持つ。「頗」の場合は「なみうつ」という意味であり、「波のように揺れて傾く」というさまを表している。。一方、「頁」は人の頭を強調した象形で「頭」を意味する。「皮」と「頁」で「頭が波のように揺れ傾く」ということを表し、「頗」は「傾く」「偏る」ということを意味する語となった。
「すこぶる」の類義語には、「甚だ(はなはだ)」「かなり」「すごい」「大変」「とても」「この上なく」「非常に」などがある。
「すこぶる」の語源・由来
「すこぶる」は、「少し」の語根である「すこ」と、それらしく振舞うことやそれらしい様子を意味する「ぶる」が由来とされている。「ぶる」は「もったいぶる」「先輩ぶる」などと同じ使い方といえる。本来「すこぶる」は、「少し」「いささか」という意味であったが、要因は定かではないが中世以降に「とても」「非常に」「かなり」などの意味に用いられるようになった。「すこぶる」の熟語・言い回し
すこぶる元気とは
「とても元気」「普通以上に元気」という意味を表す。
すこぶる悪いとは
物事の調子や機嫌などが「非常に悪い」「思わしくない」という意味を表す。
すこぶる良いとは
「すこぶる悪い」とは反対に、物事の調子や機嫌などが「非常に良い」「とても良い状態」を表す。
すこぶる付きとは
「非常に」「たいそう」という意味の「すこぶる」という修飾語が付くほど、「ずば抜けた」「はなはだしい」ということを表す。「すこぶる付きの美人」「すこぶる付きの人気」のように用いられる。
「すこぶる」の使い方・例文
・ゆっくり睡眠をとることができたので、今日は朝から調子がすこぶる良い。・売り上げが思うように伸びないこともあって、店長の機嫌がすこぶる悪い。
・退院したとは聞いていたが、しばらくぶりに会った彼はすこぶる元気だった。
・今回の映画は脚本も演出も素晴らしく、すこぶる評判が高い。
・伯母からの電話の後、父の機嫌がすこぶる悪い。何か言われたのだろうか?
・遊びに来たおじいちゃんから思いがけずお小遣いを貰って、すこぶる機嫌がよい娘。
・残業続きで疲労がたまっているせいか、体調がすこぶる悪い。
・推しのライブを楽しんできたようで、今日の彼女はすこぶるご機嫌だ。
・抽選であたったグッズが届いた。すこぶる嬉しい。
・ずっと行きたかったテーマパークにやっと来れた。すこぶる楽しい。
・彼はすこぶる付きのオーディオマニアで、スピーカーの知識が深い。
・頑張って勉強してきたのに、テストの結果はすこぶる悪くて残念だった。
・宇宙の神秘にすこぶる興味がある。
・彼の仕事ぶりにはすこぶる満足だ。
すこぶる【×頗る】
「頗る」の例文・使い方・用例・文例
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