会意とは? わかりやすく解説

かい‐い〔クワイ‐〕【会意】

読み方:かいい

漢字六書(りくしょ)の一。二つ上の漢字組み合わせその意味合成して独立した文字とするもの。例えば「人」と「言」を合わせて「信」、「木」を三つ合わせて「森」作る類。


会意

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/02 10:17 UTC 版)

会意(かいい)とは、六書の一つで、複数の要素を組み合わせて新たな意味を構成する造字法である。

概要

後漢許慎説文解字・叙』の説明では、「比類合誼,以見指撝,“武”、“信”是也」と説明されている。互いに関連のある複数の文字要素を並べ合わせ、それを結合することで新しい意味を示すことと解釈される。[1]

この方法で作られた漢字を「会意字」あるいは「会意文字」と呼ぶ。『説文解字・叙』では「武」や「信」がその例であるとされている。「武」は「戈」と「止」を合わせた文字で「戦闘を止めることが本当の“武”である」こと、「信」は「人」と「言」を合わせた文字で「人の言葉には信用があるべき」ことを意味している[注釈 1][1][2]

しかしほとんどの会意字は、斧で木を断つ様子を象った「析」や人が屋内で寝る姿を象った「宿」のように、各偏旁の形そのものを結合させて対象の事柄を描画したものであり、象形によるものと大差はない。『説文解字・叙』の例示のような「2つの意味を組み合わせることで別の意味を表現」するタイプの会意字は漢以前にはあまり多くなく、むしろ『説文解字』より後、文字の形が図画性を失い抽象化が進んだ近代に作られた会意字にしばしば見られる特徴である。[3][4]

一方、六書のもとの定義から離れて現代の漢字研究の観点で言えば、指事や会意による字を象形字と区別することがあまり有用でないか曖昧となる場面がある。ゆえに近年提案されているより現実的な漢字の造字法や構造原理の分類では、象形・指事・会意をひとまとめとし、それらを区別するとしても下位区分として扱うものが多い。[5][6]

脚注

注釈

  1. ^ なお、現代の漢字研究ではこの『説文解字』の「武」「信」に対する解釈は正しくないとされている。

出典

  1. ^ a b 沙宗元 2008, pp. 225–226.
  2. ^ 裘錫圭 2013, p. 104.
  3. ^ 沙宗元 2008, pp. 229–230.
  4. ^ 裘錫圭 2013, pp. 104–105, 124–128.
  5. ^ 裘錫圭 2013.
  6. ^ 黄天樹 2014.

参考文献

  • 裘錫圭 (2013). 文字學概要(修訂本). 北京: 商務印書館. ISBN 978-7-100-09370-5 
  • 黄天樹 (2014). “商代文字的構造與“二書”説”. 黄天樹甲骨金文論集. 北京: 學苑出版社. pp. 34–53. ISBN 978-7-5077-4593-1 
  • 沙宗元 (2008). 文字學術語規範研究. 合肥: 安徽大學出版社. ISBN 978-7-81110-393-9 

関連項目


会意

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 05:25 UTC 版)

古壮字」の記事における「会意」の解説

会意の例を示す。 … 「泉」を意味するmboqは「呇」と書いて表す。

※この「会意」の解説は、「古壮字」の解説の一部です。
「会意」を含む「古壮字」の記事については、「古壮字」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「会意」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

会意

出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 07:10 UTC 版)

名詞

かいい

  1. 漢字造字法のひとつで、既存文字組み合わせ、それらの意味合わせて新たな文字の意味を表す方法例えば「休」は「木」の陰で「人」が「やすんで」いる様子六書のひとつ。会意により作られ漢字会意文字という。

発音(?)

関連語


「会意」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「会意」の関連用語

会意のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



会意のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの会意 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの古壮字 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの会意 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS