象形文字
別表記:形象文字
「象形文字」とは、物体や事象の形を模倣したり再現したりする方法で成立した文字のことである。形を象(かたど)った文字。代表的な象形文字としては、古代エジプトのヒエログリフや、古代中国の甲骨文字や金文などが挙げられる。
現代における漢字の中にも象形文字として成立した字や偏旁がある。たとえば「山」「川」「火」「魚」「馬」などは象形文字が洗練された字形とされる。
「象形文字」の多くは、1字で1つの意味が表現されるという意味では「表意文字」でもあり、1字で1つの語として機能するという意味では「表語文字」でもある。
「象形文字」と「絵文字」の違い
文字学の分野における「絵文字」とは、象形文字より前に用いられた、文字としての(記録や情報伝達の)機能を持った絵のことである。「象形文字」と「絵文字」は、絵画的表現によって作られた文字という点で共通している。
「絵文字」は、その意味(指し示している内容)が直感的に分かるが、字形や意味が文字としての規則性を持たない。他の文字と組み合わされて熟語を作ることもない。
「象形文字」は字形の抽象化が進んで視覚的な分かりやすさは薄れているが、文字として字形も意味も統一されている。熟語を構成することもある。
現代の情報コミュニケーションにおいて用いられている絵文字(いわゆるemoji)は、文字と併用される絵画的な記号である。
「象形文字」と「指事文字」と「会意文字」と「形声文字」の違い
「象形文字」、「指事文字」、「会意文字」、「形声文字」は、「六書」と呼ばれる区分法における漢字の区分である。・象形文字
象形文字は、実際の物もしくは現象の形を模倣して作られた文字である。山・川・日・月・火・木・魚・馬・鳥・雨などが象形文字に該当する。視覚的に何を指しているか推定しやすい。あまり複雑な物事や概念は示しにくい。
・指示文字
指示文字は、形のない抽象的な概念を字形によって記号的に示した文字である。位置や数量などを象徴的な形で示しているものが多い。一・ニ・三・上・下・本・末・凸・凹などが指事文字に該当する。象形文字よりもシンプルであり直感的に分かりやすい構造であるが、種類は多くない。
・会意文字
会意文字は、複数の文字を合わせて、別の意味(概念)を表現している文字のことである。たとえば、「山+石 → 岩」、「田+力 → 男」、「口+鳥 → 鳴」などは会意文字である。既存の字の組み合わせによって新たな意味が示せるため、新規に字を作るより効率的といえる。
・形声文字
形声文字は、発音を表す字と意味を表す字が組み合わされた文字のことである。たとえば「町」は、「田」の部分が意味を示し、「丁」の部分が音を示している。同じく「晴」は、「日」の部分が意味を示し、「青」の部分が音を示している。
今日の漢字は大部分が形声文字とされる。
象形文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/13 09:53 UTC 版)
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象形文字(しょうけいもじ)とは、ものの形をかたどって描かれた文字からなる文字体系で、絵文字からの発展によって生まれたと考えられている。絵文字と象形文字との最大の違いは、文字が単語に結びつくか否かにある。絵文字が文字と語の結びつきを欲せず、その物を必要としたものであるのに対し、象形文字は文が語に分析され、その語と文字とが一対の対応をなす表語文字の一種のことをいう。
象形文字では、文字はもっぱらそのかたどったものの意味を担うが、一般に表語文字では、それぞれの文字が具体的な事物にとどまらず語や形態素を表すことが多い(詳細は表語文字の項を参照)。しかし、漢字における仮借、ヒエログリフなどでの表音的使用など必ずしも象形文字の特徴と一致するわけではないものもまとめて象形文字と呼ぶことが多い。
このような意味での象形文字としては、漢字、ヒエログリフ、楔形文字、インダス文字、トンパ文字などがある。マヤ文字もこの一種であって頭字体と幾何体がある。暦の文字には、1を表す点(・)と5を表す横棒(-)の代わりに頭字体や幾何体を用いることがある。
日本においては、琉球王国時代の与那国島で使われていた帳簿記録用字であるカイダ文字などがある。
関連項目
外部リンク
象形文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 20:17 UTC 版)
たとえばTochtepecという地名は、toch(tli)「ウサギ」、tepe(tl)「山」、c「場所」から構成されるので、山の上にウサギの頭を描いた文字で表す。 地名にはtepetl(山)を含むことが多いが、そうでない場合でも文字に山を含んでいることがある。この場合、山が一種の限定符として使われている。 表音的に表わされることもあり、たとえばCoatlanという地名は「多くのヘビがいる所」という意味だが、ヘビと歯から構成される字で表される。これはcoa(tl)(ヘビ)とtlan(tli)(歯)を組み合わせたものである。 右図の一番上では、Mapachtepec(アライグマの山)を mai(tl) 腕・pach(tli) 苔・tepe(tl) 山によって表している。下の Mazatlan(鹿の多い所)、Huitztlan(茨の多い所)ではtlanを歯で表す。 表音的な表記は、スペインの人名の表記にも使われた。たとえばトマス(Tomás)は、tototl(鳥)とmaitl(腕)を組み合わせることで表した(最初の1音節のみを利用)。
※この「象形文字」の解説は、「アステカ文字」の解説の一部です。
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象形文字
出典:『Wiktionary』 (2021/07/14 12:23 UTC 版)
名詞
関連語
「象形文字」の例文・使い方・用例・文例
- 誰もその象形文字を解読できなかった。
- その学者は石に刻まれている象形文字を解読することに成功した.
- (Egypt の)象形文字
- 象形文字的に書かれた
- アッカド語の象形文字の進行を排除しましょう
- 象形文字に似た
- 書くことの進展における、象形文字の段階
- 象形文字に似た書体(普通読みにくい)
- 象形文字で使われる図形文字
- フランス人でエジプト学者で、ロゼッタストーンを研究し、1821年にエジプトの象形文字を初めて解読した(1790年−1832年)
- 象形文字が生まれる以前に意志や記録を表現するのに用いた簡単な絵
- 古代エジプト人の使った象形文字
象形文字と同じ種類の言葉
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