表語文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/16 17:43 UTC 版)
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表語文字(ひょうごもじ、英: logogram)は、一つ一つの文字により、言語の一つ一つの語や形態素を表す文字体系のことをいう。
概要
漢字は、一音節が一形態素となる中国語の形態素それぞれを一文字ずつで表記するので、体系的な表語文字の代表的なものである。
表語文字に対し、一つ一つの文字が音素や音節を表し、意味に対応しない文字体系を表音文字という。表語文字が原則として単独の文字で意味をなすのに対し、表音文字は特定の順序につながって語の発音を表すことで意味をなす。形式的に言い換えると、表語文字は言語の二重分節のうち、一次分節のレベルで言語を表記するものであるといえる。
一方でアラビア数字のように、各々の文字が表す意味は明確だが、言語の発音との結びつきが弱いと考えられる文字体系を表意文字と呼ぶ。 なお漢字や古代エジプト文字なども表意文字と呼ばれることがあるが、これらは発音も表しており、文字体系の分類では形態素を有するものは表語文字とされる[1]。
表語文字の多くは象形文字に起源を持つ[2]。象形文字がもっぱら具体的な事物を表す記号のみを持つ文字体系であるのに対して、表語文字は言語の語や形態素のほとんど全てを表すことができる。このようなことが可能になったのは、以下の手法を発達させたためである。
同じ表語文字の文字体系でも、言語によって用いられる文字の数や種類が異なる。これは各々の時代、地域の各々の言語の実状に合うよう、各々の言語で独自に文字の取捨選択や拡張がされるためである。漢字のように多くの言語で用いられている文字体系の場合、一つの言語で用いられる文字の数に比べ、文字体系に属する文字を全て集めた数はかなり多い。
脚注
関連項目
いわゆる文字 | 表音文字 | ||
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音素文字 | |||
アブジャド | |||
アブギダ | |||
アルファベット | |||
音節文字 | |||
表語文字(象形文字を含む) | |||
その他 | 表意文字 | ||
ピクトグラム(絵文字) |
表語文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:08 UTC 版)
表1 主な漢字辞典の収録文字数[要検証 – ノート]年(西暦)辞典名見出し字数前14世紀- 甲骨文 (参考) 約3,400 前11世紀- 金文 (参考) 約3,600 100 『説文解字』 9,353 227-239 『声類』 11,520 543 『玉篇』 22,726 751 『唐韻』 26,194 1066 『類篇』 31,319 1615 『字彙』 33,179 1716 『康熙字典』 47,035 1915 『中華大字典』 約48,000 1960 『大漢和辞典』 48,899 1962 『中文大辞典』 49,888 1986 『漢語大字典』 56,000余 1986 『漢語大詞典』 60,000余 a 「今昔文字鏡」収録数 (3,398字) によった。 b 『金文編』収録数 (3,552字) によった。 c 版および数えかたによって異同がある。詳細は大漢和辞典#大漢和辞典の親字数を参照。 ひとつの文字がひとつの語あるいは形態素を表す文字体系のことを表語文字(英: logogram)と呼ぶ。中国語では、ひとつの音節がひとつの形態素を表し、漢字はひとつひとつの文字が形態素を表している(わずかな例外はある)。したがって、漢字は完全な表語文字としては代表的なものである。表意文字とのちがいについては#表音と表意・表語の節を参照。 表語文字に属する文字体系には、アナトリア文字(消滅)、エジプトヒエログリフ(消滅)、漢字、契丹文字の一部(消滅)、楔形文字の一部(消滅)、古彝文字(現代では使われない)、古壮字(現代では使われない)、女真文字(消滅)、西夏文字(消滅)、チュノム(現代語の表記には使われない)、トンパ文字、マヤ文字(滅亡)、などがある。 表語文字体系のなかには、表音用の文字も持っていて、表語用の文字と表音用の文字とを組み合わせて語の意味と発音の両方を表そうとするものもある。また、複数の文字を並べてより複雑な意味を表そうとするものもある。エジプトヒエログリフやトンパ文字などがこれにあたる。いっぽう、漢字やそれに影響を受けた表語文字体系では、この方法を会意や形声といった手法に発展させたため、言語の語や形態素のひとつひとつを文字で表すことができるようになった(詳細は六書およびその関連項目を参照)。後者のように、すべての文字が形態素とその発音の音節を表す文字体系を、特にロゴシラバリー(英: logosyllabary)と呼ぶ研究者もいる。 表語文字の特徴として、文字体系に含まれる文字の総数を確定しがたいということがある。たとえば、漢字はその誕生以来文字数を増やしつづけてきたし、今日でも新しい文字が生まれ続けている(#表1参照)。また近年は、漢字をコンピュータで利用するための文字コード(符号化文字集合)の編纂がたびたび行われ、そのための典拠調査を行うたびに収録漢字数は増加している。
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