文字数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 16:24 UTC 版)
漢字の文字数は、甲骨文・金文にはいずれも約3,000字、重複を除けば合わせて4,000余の字数がある。文化の進展につれて象形文字だけでは思想の記録・伝達に不十分になったことから象形文字を基にして次々と新しい文字が作られた。その造字法を六書または六義という。 字数の増加を各時代の字書の収録数で示すと、秦の『蒼頡篇』に3,300字、後漢の『説文解字』に9,353字、魏の『広雅』に18,151字、梁の『玉篇』に16,917字、唐の『韻海鏡源』に26,911字、北宋の『広韻』に26,194字、明の『字彙』に33,179字・『正字通』に33,671字、清の『康熙字典』では49,030字に至る。 しかし、これらの増加した文字は、形声文字、あるいは異体字で、本来の造字法ではない。つまり、基本字の増加ではなく、基本字は甲骨文・金文にほぼ備わっている。文字の成立する過程は、はじめ極めて少数の最も基本的な文字がまず作られ、その後、長い期間にわたって次第に増加していったと考えられている。また、文字の体系はすでにその創出の時代に存しており、新しい字が加えられるとしても、それはその体系の中で、文字構造の原理に従って作られたもので、その体系を超えることはできないのである。 『玉篇』に収められている16,917字には、その出典や訓詁が示されているが、その後の字書には出典も明らかでないような文字がみだりに増加しているため、全く意味のない字数の増加といえる。主要な古典の使用字数から見当をつけると、必要な文字の実数は大体8,000字程度とみてよい。
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