表象(イメージ)の解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 06:40 UTC 版)
「ヨハネの黙示録」の記事における「表象(イメージ)の解釈」の解説
黙示録の中にはさまざまなイメージが現れ、歴史の中で多くの芸術家にモチーフを提供してきた(『黙示録』をテーマとする芸術としてはアルブレヒト・デューラーの一連の木版画などが有名である)。 「文学類型」的解釈の立場に立つ学者たちは、『黙示録』のイメージを歴史的事実や、歴史上の人物などにあてはめることで解釈しようとしてきた。たとえば13章にあらわれる竜に権威を与えられた「海からの獣」は、強大な力を持ってキリスト教に対抗するものということで、ローマ帝国もしくはローマ皇帝であると考えられる。その獣が持つ七つの頭は、アウグストゥス以来の七人のローマ皇帝にあてはめて解釈される。 13章18節にあらわれる第二の獣に従うものに押された「六百六十六」という数字は数秘術ゲマトリアで「獣の数字」と呼ばれ、皇帝ネロ(ネロン・ケサル)を表すとよく言われるが、これに対しては数が合わないという異論もある。写本によっては六百十六と書かれているものがあることは古くから知られている。 また、16章16節にあらわれる「ハルマゲドン」という言葉に関しては、本来の意味が知られずにおどろおどろしいイメージだけが独り歩きしている感があるが、「メギドの丘」という解釈が主流である。黙示録の中では神との戦いに備えて汚れた霊が王たちを集める場所をさす名称である。メギドは北イスラエルの地名で戦略上の要衝であったため、古来より幾度も決戦の地となった。このことから「メギドの丘」という言葉がこの箇所で用いられたと考えられている。
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