天衣無縫
天衣無縫とは、天衣無縫の意味
「天衣無縫」とは、文章や詩歌に技巧などの形跡が全く見られず、自然なさまという意味がある。詩文などが流れるようで非常に美しく、少しの抵抗も感じないこと。その他にも、人柄において飾り気が一切なく、素直で嫌みがないさまという意味もある。まるで子供のような無邪気さがあり、純粋であることを意味している。天衣無縫の語の由来・語源
「天衣無縫」は、宋代の「太平広記」に引用された「霊怪集」の話が由来となっている。昔、郭翰(かくかん)という名前の人物が暑い夏の夜に自宅の庭に寝転んでいると、空から美しい織女が下りてきた。すると、「長らく夫が留守にしているので、地上に遊びに来た」と答えた。そして、二人はそのまま一夜をともにしてしまう。ある時、織女の衣に縫い目が全くないのを不審に思い訊ねると、「天人の衣は針と糸を使わない」と答えた。この逸話から、「天衣無縫」は衣のように作為のない自然な感じ、織女のように無邪気な感じのことを指すようになった。天衣無縫の語の使い方、例文
- 彼女はもう20歳を過ぎて大人になったのに、現在でも小さな子供のように天衣無縫な振舞いをしてしまう。
- あの著者が書く文章は誰にもまねできないくらいに非常に繊細で天衣無縫なのが特徴だ。
- 彼女の顔の美しさは天衣無縫と言っても過言ではない。
- 隣の大学生はとても成績が良くて賢い人間である上、天衣無縫な一面もあるのが魅力である。
天衣無縫の類語と使い分け方方
「天衣無縫」の類語というと、「天真爛漫」「純真無垢」などが挙げられる。最初の「天真爛漫」には、性格的にあっけらかんとして物事について何も考えていない様という意味合いがある。そして、「純粋無垢」には性格がとても純粋で一切の穢れのない様という意味合いがある。「天衣無縫」「天真爛漫」「純粋無垢」には自然の状態を意味する言葉として似ている。しかしながら、「天衣無縫」は天女の着物に縫い目が全くない事から転じて、詩文などが自然で美しいという意味も込められている。つまり、美しい女性、無邪気な子供など人間に対してだけではなく、才能を感じさせる素晴らしい文章作品に対しても活用できるのが特徴である。それが類似の「天真爛漫」「純真無垢」との違いといえる。天衣無縫の英語
「天衣無縫」を英語で表現すると、「to be natural and flawless」となる。例文を挙げると「She is natural and flawless.」が正しい使い方である。てんい‐むほう【天衣無縫】
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