い・し【▽美し】
[形シク]
1 よい。すばらしい。見事である。
2 巧みである。じょうずだ。
「歌の音(こゑ)のよさよ、—・しう—・しうとほめられたり」〈盛衰記・一七〉
3 美味だ。おいしい。
くわ・し〔くはし〕【▽細し/▽美し】
うま・し【▽旨し/▽甘し/▽美し】
[形シク]満ち足りていて美しい、すばらしいと賛美する気持ちを表す。よい。すばらしい。
「なんでふ心地すれば、かく物を思ひたるさまにて月を見給ふぞ、—・しき世に」〈竹取〉
[形ク]「うまい」の文語形。
[補説]
のシク活用の用例はごく少ないが、「うましくに」「うましもの」など、終止形(シク活用では語幹の働きもする)に体言の直接ついた例もあるところから、上代にもシク活用の存在したことが知られる。ク活用が対象の状態を表現しているのに対し、シク活用のほうは対象に対する主観的な気持ちを表現している。
いつく・し【▽厳し/▽美し/▽慈し】
い
し【美】
〔形シク〕 ⇒いしい(美)
うま
し【味・美・甘】
〔形シク〕 人または事物に対する満足や賛美の気持を表わす。すばらしい。よい。りっぱだ。
*書紀(720)神代下「乃ち無目籠(まなしかたま)を作りて、彦火火出見尊を籠の中に内(い)れ、之を海に沈む。即ち自然(おのづからに)可怜(ウマシ)小汀(はま)有り〈可怜、此をば于麻師(ウマシ)と云ふ。汀、此をば波麻(はま)と云ふ〉」
くわ
し くはし 【美・細・詳・委・精】
〔形シク〕 ⇒くわしい(美)
いつく
し【厳・慈・美】
〔形シク〕
① 霊妙である。威力に満ちている。荘厳である。神や現人神(あらひとがみ)としての天皇および仏などに関していう。
*万葉(8C後)五・八九四「そらみつ 大和(やまと)の国は 皇神(すめかみ)の 伊都久志吉(イツクシキ)国」
*源氏(1001‐14頃)澪標「いつくしき神宝(かむだから)をもて続けたり」
② いかめしい。威厳がある。高貴だ。また、気品や威厳のある美しさである。もとは天皇家の血筋の人にいうことが多い。
*源氏(1001‐14頃)若菜上「いつくしくあざやかに、目も及ばぬここちするを」
*太平記(14C後)五「さしも厳(イツク)しかりつる女房、忽ちに伏長(ふしたけ)二十丈ばかりの大蛇と成て」
*応永本論語抄(1420)八佾「哀窈窕とは、常に女の色のいつくしきを窈窕と云が其義に非ず」
*俳諧・新花摘(1784)「いつくしききぬをたち縫て有りけるが」
[語誌](1)「いつ(厳)」の派生語で、本来は神や天皇の威厳を示し、平安朝においても皇族に用いられる例が多い。元来は美麗の意味はなく、「源氏物語」においても基本的にはそれが守られているが、端麗な女性美としても通用する一面も生じている。
(2)室町時代以降、大切にする「いつく」や慈愛の「うつくし」との混同が生じ、更にそれが進むと「いつくしむ」という動詞まで派生し、逆に本来的な霊威の概念は後退する。
〔他ラ四〕
〔形動〕
〔名〕
うま・し【旨・甘・味・美】
〔形ク〕 ⇒うまい(旨)
うつく
し【美・愛】
うるわ
し うるはし 【美・麗】
美しと同じ種類の言葉
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し【美】