褒め
(賞賛 から転送)
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褒め(ほめ。英: Praise)、褒める(ほめる)とは、人のしたこと(行い)を、"すぐれている"や"素晴らしい"などと評価して、それを表明することである[1]。なお、言葉だけでなく、ボディーランゲージ(表情や身振り)によっても伝えられる。賞賛などともいう。
概略
社会的な操作としては、褒めとは表彰であり奨励であり、古典的条件づけとして、その後の行動を強化する。個人に対する社会的影響は多くの要素によって変化する。例えば、どういう状況で伝えられたのかという文脈や背景、受け取った側の性格や解釈の仕方などである[2]。
「褒めて伸ばす」という言葉や手法があり、大人のスポーツ選手の育成現場や、会社の新人社員の育成の現場でも使われており、あるいは高齢者のお稽古ごとの教室でもこの手法は使われており、褒めることの効果に年齢は関係無い。
効果に影響する要素
調査によれば、褒めるタイミングや回数が、褒めることの効果に大きな影響を与える[3]。
- タイミング
行動分析学では、褒めるという行為を「正の強化子(報酬)」と呼び、この報酬を与えるタイミングについては、相手の行動の直後に行うことが重要だとしており、これを「即時強化の原則」と言っている[4]。人間や動物の脳は、「自分がした行動」と「その直後に起きた良いこと」を1セットにして学習するので、行動の直後に褒めることで、脳内で「この行動をしたから褒められたんだ」という因果関係が(脳のレベルで)明確になり、その行動が定着しやすくなる(脳内のシナプスの結合の強化が起きる)からである。逆に、良い行動をしてから数時間や数日経ってしまうと、その間に相手は「別の仕事」「雑談」「休憩」など、他の行動を無数に行うことになり、後から「あの時は良かったよ」と褒められても、脳内での行動と報酬の結びつきが弱くなり、学習効果が低くなる。
- 回数
同じく行動分析学によると、褒める回数(頻度)は相手の段階("ステージ")により変えると良いという。[5]
- 新しい行動を身につけさせたい段階 ─ 相手が新しいタスク(仕事、任務)に挑戦しているときや、習慣化の初期段階では、「良い行動をするたびに毎回」褒めると効果的である。毎回褒めることで、正しい行動の基準が相手に早く伝わり、急速に行動が定着する。この手法を「連続強化」という。[5]
- 行動が身についた後 ─ 相手がある程度その行動をできるようになったら、毎回褒めるのをやめ、ときどき(つまり、ランダムな回数につき1回)褒めるように頻度を減らしてゆくと効果的である。これを「間欠強化」という。[5] 心理学の実験では、「たまに褒められ、いつ褒められるか分からない」のほうが、"褒められない時期"になってもその良い行動を、長く、自発的に続けようとする、ということが判明しているからである。また、毎回必ず褒められると、相手は褒められることに慣れすぎてしまい効果が薄れる。また、さほど上手にできなかった際にも褒め続けると、「本当にうまくできたから褒めてくれているのか? そうではなさそうだ」「ただのお世辞か?」と疑心暗鬼状態も生じ、逆効果になる。
子供を褒める方法
子供の年齢に応じて適切な褒め方がある、との指摘がされている。それぞれの年齢帯で、行為の"やり方"(過程)を褒めるのか、"結果"を褒めるのか、"人"(個人)を褒めるかで、効果が異なる。
Henderlong CorpusとLepperによれば[6]
- 未就学児の場合には個人・過程・結果の3種類の褒め方どれについても同じようにやる気に好影響を与えた。
- 小学4年・5年生の女児には、(過程を褒めるのでなく)"個人を褒める"ことは、むしろやる気に悪影響を与えた。
また、Henderlongによる別の研究では[7]
備考
D. E.Kanouseによると、言葉による褒めには、他者の行動や特質に対する肯定的な評価が含まれているが、それが受け手に対して不安を与える可能性もある、という[10][11]。
脚注
- ↑ 「褒める」。コトバンクより2026年6月14日閲覧。
- ↑ Henderlong, Jennifer; Lepper, Mark R. (2002). “The effects of praise on children's intrinsic motivation: A review and synthesis”. Psychological Bulletin 128 (5): 774–795. doi:10.1037/0033-2909.128.5.774. PMID 12206194.
- ↑ Carton, John (19 June 1989). “The differential effects of tangible rewards and praise on intrinsic motivation: A comparison of cognitive evaluation theory and operant theory”. Behavior Analyst 19 (2): 237–255. doi:10.1007/BF03393167. PMC 2733619. PMID 22478261.
- ↑ 杉山尚子 (2005). 行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由. 中央公論新社. ISBN 978-4087203073
- 1 2 3 B.F. スキナー (2003). “第6章「オペラント行動」、第7章「オペラントの形成と維持」”. 科学と人間行動. 二瓶社. ISBN 978-4931199934
- ↑ Henderlong Corpus, Jennifer; Lepper, Mark R. (2007). “The Effects of Person Versus Performance Praise on Children's Motivation: Gender and age as moderating factors”. Educational Psychology 27 (4): 487–508. doi:10.1080/01443410601159852.
- ↑ Henderlong, J. (2000). Beneficial and detrimental effects of praise on children's motivation: Performance versus person feedback (Unpublished doctoral dissertation). Stanford University
- ↑ Barker, George P.; Graham, Sandra (1987). “Developmental study of praise and blame as attributional cues”. Journal of Educational Psychology 79 (1): 62–66. doi:10.1037/0022-0663.79.1.62.
- ↑ Ackerman, Brian P. (1981). “Young children's understanding of a speaker's intentional use of a false utterance”. Developmental Psychology 17 (4): 472–480. doi:10.1037/0012-1649.17.4.472.
- ↑ Kanouse, D. E.; Gumpert, P.; Canavan-Gumpert, D. (1981). “The semantics of praise”. New Directions in Attribution Research 3: 97–115.
- ↑ 右京, 澤口、昌三, 渋谷「「ほめ」に関する心理学的研究の動向」『目白大学心理学研究』第(10)巻、2017年10月20日、99頁、 ISSN 1349-7103。
関連項目
外部リンク
| 褒めに関する 図書館収蔵著作物 |
賞賛
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「システィーナ礼拝堂壁画修復」の記事における「賞賛」の解説
主祭壇画背面のフレスコ壁画『最後の審判』。修復前の状態。 修復後の『最後の審判』。 修復作業が順次終了していくたびにローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が長い演説を行った。1999年12月に壁面のフレスコ画修復が終了し、すべての修復作業が完了したときには次のように演説している。 システィーナ礼拝堂以上に雄弁に聖書世界を視覚化しているものを見出すことは難しい。光輝に満ちた絵画をよみがえらせてくれた修復作業に感謝したい。これらの絵画作品を鑑賞することは世界中の人々が等しく喜びとするだろう。このうえない名作絵画というだけでなく、キリスト教徒の日々の生活の糧という役割をも果たしている。 — ヨハネ・パウロ2世 当時のヴァチカン市国行政庁長官のエドムンド・カシミール・ショーカ枢機卿 (en:Edmund Szoka) は「この修復作業と作業に当たった熟練した専門家たちが、制作当時のままにこれらの絵画作品を鑑賞する機会を我々にもたらしてくれた」と語っている。 ヴァチカン美術館の館長を務めたカルロ・ピエトランジェリは「暗い部屋の窓を開いたとたんに、光があふれ出した」と一連の修復作業を評している。この記述はヴァザーリの『画家・彫刻家・建築家列伝』の一節を思い起こさせる。 ほかの作品とは比べ物にならない……。この天井画はまさに芸術の導き手であり、あらゆる画家にとって計り知れない恩恵を与えてくれる。何世紀にもわたって暗闇に沈んでいた世界に再び光をもたらしてくれた絵画だ。 — ジョルジョ・ヴァザーリ ピエトランジェリは、天井画全体の修復に先立つルネット部分の修復が終わったときに出版された、自著『システィーナ礼拝堂』の序文でルネットの修復作業について記している。勇気を持って修復作業を開始した人々を賞賛し、修復作業中に礼拝堂を訪れて価値ある助言をした経験豊富な専門家だけでなく、修復作業自体に批判的だった人々にも感謝の念を示している。さらにピエトランジェリは、批判的な人々の存在が修復作業の詳細な記録を残すことにつながったとし、このような記録が修復作業の評価となり、修復前後の状態に興味をもつ人々の一助になるだろうとしている。 キュレータのファブリツィオ・マンチネッリは、18世紀のフランス人天文学者ジェローム・ラランドがシスティーナ礼拝堂を見学したときの手記を紹介している。ラランドの手記には、当時のシスティーナ礼拝堂天井画の色合いがモノトーンのようで「くすんだ赤色と灰色に見える」となっていた。マンチネッリは修復作業によって色彩感覚あふれる「新たなミケランジェロ」が発見されたとして、「美術史上の彼(ミケランジェロ)の地位をさらに高める新たな特性」だと記している。さらにマンチネッリは、システィーナ礼拝堂天井画を鑑賞する感受性豊かな人々であれば、それまでの天井画とは全く異なる色彩を見せつけていることが分かるだろうとしている
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「賞賛」の例文・使い方・用例・文例
- みんな彼女を賞賛しているが,彼女はいばったところをみせない
- あなたの努力は賞賛されるべきだ
- あなたの行為は賞賛に価する
- 彼は彼女に賞賛のことばを投げかけた
- 賞賛はいっそう勉強する刺激となる
- 彼らはそのピアニストの完璧なテクニックを賞賛した
- 賞賛のことば
- 彼の行為は賞賛に値する
- さまざまな事業:Powersさんは、センターの青少年バスケットボールプログラムがBrookville Inquirer の記事内で最近、賞賛されたと知らせた。
- 業績を賞賛すること。
- ブーイングを浴びたのに彼は賞賛に値する態度で観客に感謝した。
- 彼は映画『シカゴ』で見せたフーフィングダンスで賞賛を集めた。
- 全ての賞賛の言葉にとても感謝します。
- かわりにフランス人によってそれは賞賛された。
- 私は今までの彼の努力を賞賛したい
- 彼によって撮られた写真が世界中で賞賛された。
- あなたの決心を賞賛しない人は誰もいない。
- 彼は賞賛の言葉にしか耳を傾けない。
- 特定の企業を賞賛する書き込みや、逆にライバル企業を貶める書き込みが多い2ch。
- 勇敢な人々の英雄的行為を読んで、尊敬と賞賛の気持ちを抱かない人があろうか。
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