ルネット
ルネット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 21:05 UTC 版)
預言者ゼカリヤとクマエのシビュラ。 預言者ミカとエリュトライのシビュラ。 外装上部のルネットにはキリスト誕生の預言者が描かれている。どのパネルにも銘文が記された帯や巻物のようなものが浮かんでおり、描かれている人物が誰なのかが各パネルの下部に記されている。最左端のルネットには『旧約聖書』に登場する預言者ゼカリヤ (en:Zechariah (Hebrew prophet))、最右端のルネットには『旧約聖書』に登場する預言者ミカ (en:Micah (prophet)) が描かれている。ゼカリヤのパネルには『ゼカリヤ書』(9:9) の「シオンの娘よ、大いに喜べ、見よ、あなたの王はあなたの所に来る (EXAULT SATIS FILIA SYON JUBILA ECCE REX TUUS VENTI)」という銘がある。ミカのパネルには『ミカ書』(9:9)「イスラエルを治める者があなたのうちからわたしのために出る (EX TE EGRED DIETUR QUI SIT DIMINATOR IN ISRAEL) という銘がある。 中央のルネットの左右には古代の巫女たるシビュラが描かれており、左のルネットのフレームには「クマエのシビュラ」右のルネットのフレームには「エリュトライのシビュラ」という銘文が記されている。しかしながら、クマエのシビュラの銘帯には古代ローマの詩人ウェルギリウスの『アエネーイス』(VI, 50)の「いと高き神の御心に満たされてそなたは不滅の言葉を口にする (NIL MORTALE SONAS AFFLATA ES NUMINE CELSO)」というエリュトライのシビュラの預言が記されている。そしてエリュトライのシビュラの銘帯には聖アウグスティヌスの『神の国』(X VIII, 23) の「いと気高き王が光臨されて、地を裁くために肉の中に現存する (REX ALTISSIMUS ADVENIET PER SECULA FUTURUS SCILICET IN CARNE)」というクマエのシビュラの預言が記されている。つまりフレームに記された人物と、銘帯に記された預言を語った人物とが相反しているということになる。フレームに記されている人物名が制作当時のものなのか、後世になってから他者によって書き足されたものなのかが分かっていないこともあって、この矛盾については判断することができない。本稿ではフレームの銘に従って、中央ルネットの左がクマエのシビュラ、右がエリュトライのシビュラとしている。 ゼカリヤとミカは、背後の帯に記された自身の預言の成就が受胎告知で果たされることを見届けるために画面の下へ視線を落としている。白色の衣服を着用したクマエのシビュラは空を見つめており、毛皮の袖飾りがついた緑色の衣服を着用したエリュトライのシビュラはマリアへ目を向け、受胎するマリアの心情を理解するかのように片手を子宮の位置においている。美術史家フォルカー・ヘルツナーは20世紀半ばに、このエリュトライのシビュラとヤンが仕えていたブルゴーニュ公フィリップ3世の公妃イザベル・ド・ポルテュガルとの風貌の類似性を指摘した。とくにヤンが1428年から1429年にかけて描いた『イザベル・ド・ポルテュガルの肖像 (en:Portrait of Isabella of Portugal (van Eyck))』(模写のみが現存)とよく似ているとしている。ヘルツナーはシビュラのパネルの帯に記されている銘文には二重の意味が隠されており、キリスト到来の預言だけではなく、フィリップ3世の長男アントニ(1430年 - 1432年)が幼少期を無事に過ごすことを願う意味もこめられていたとしている。このヘルツナーの説を否定する美術史家もおり、当時は幼児死亡率が極めて高く、悲運につながりかねないような含意は、出生後ではなく出生前の歓喜の意として使われるのが普通だったと指摘している。
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「ルネット」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女はブルネットのセクシーな女性だ。
- 窓の上にルネットが4つある。
- 彼は伝説的なジャズコルネット奏者だ。
- ブルネットの美人
- ブルネット(髪、皮膚または目について使用されます)
- コルネットに似ているがより広い穴のあいた金管楽器
- 陳腐な低音コルネット
- トランペットやコルネットを演奏するバンドやオーケストラのセクション
- トランペットやコルネットを演奏する音楽家
- スペースケーブルネットという,通信衛星を利用したCATVの番組供給ネットワーク
- ブルネットである女性
- コルネットという楽器
- 光技術やディジタル技術を使って個別のネットワークをディジタルネットワークとして統一するシステム
- 51分に稲本潤一選手がゴールネットに高めのシュートを決めると,横浜国際総合競技場の6万6000人が沸いた。
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