ルネットとは? わかりやすく解説

ルネット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 09:23 UTC 版)

ルネット:lunette)は、壁面の半円形の部分を指し、開口部()になっている場合もある。フランス語で「小さな月」を意味する。アーチの土台となっている柱の上に水平なコーニスを差し渡したとき、その上のアーチとの間にルネットができる。ドアの上に半円形のアーチを形成したときの壁面または窓がルネットとなる。主玄関の上の窪んでいて装飾されたルネットは、ティンパヌムと呼ばれることがある。




「ルネット」の続きの解説一覧

ルネット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 21:05 UTC 版)

ヘントの祭壇画」の記事における「ルネット」の解説

預言者ゼカリヤクマエシビュラ預言者ミカエリュトライのシビュラ外装上部のルネットにはキリスト誕生預言者描かれている。どのパネルにも銘文記された帯や巻物のようなものが浮かんでおり、描かれている人物が誰なのかが各パネル下部記されている。最左端のルネットには『旧約聖書』に登場する預言者ゼカリヤ (en:Zechariah (Hebrew prophet))、最右端のルネットには『旧約聖書』に登場する預言者ミカ (en:Micah (prophet)) が描かれている。ゼカリヤパネルには『ゼカリヤ書』(9:9) の「シオン娘よ大い喜べ見よ、あなたの王はあなたの所に来る (EXAULT SATIS FILIA SYON JUBILA ECCE REX TUUS VENTI)」という銘がある。ミカパネルには『ミカ書』(9:9)「イスラエル治める者があなたのうちからわたしのために出る (EX TE EGRED DIETUR QUI SIT DIMINATOR IN ISRAEL) という銘がある。 中央のルネットの左右に古代巫女たるシビュラ描かれており、左のルネットのフレームには「クマエシビュラ」右のルネットのフレームには「エリュトライのシビュラ」という銘文記されている。しかしながらクマエシビュラ銘帯には古代ローマ詩人ウェルギリウス『アエネーイス』(VI, 50)の「いと高き神の御心満たされてそなたは不滅言葉を口にする (NIL MORTALE SONAS AFFLATA ES NUMINE CELSO)」というエリュトライのシビュラ預言記されている。そしてエリュトライのシビュラ銘帯には聖アウグスティヌスの『神の国』(X VIII, 23) の「いと気高き王が光臨されて、地を裁くために肉の中に現存する (REX ALTISSIMUS ADVENIET PER SECULA FUTURUS SCILICET IN CARNE)」というクマエシビュラ預言記されている。つまりフレーム記され人物と、銘帯記され預言語った人物とが相反しているということになる。フレーム記されている人物名制作当時のものなのか、後世になってから他者によって書き足されたものなのかが分かっていないこともあって、この矛盾については判断することができない本稿ではフレームの銘に従って中央ルネットの左がクマエシビュラ、右がエリュトライのシビュラとしている。 ゼカリヤミカは、背後の帯に記され自身預言成就受胎告知果たされることを見届けるために画面の下へ視線落としている。白色衣服着用したクマエシビュラは空を見つめており、毛皮の袖飾りがついた緑色衣服着用したエリュトライのシビュラマリア目を向け受胎するマリア心情理解するかのように片手子宮位置においている。美術史家フォルカー・ヘルツナーは20世紀半ばに、このエリュトライのシビュラヤン仕えていたブルゴーニュ公フィリップ3世公妃イザベル・ド・ポルテュガルとの風貌類似性指摘した。とくにヤン1428年から1429年にかけて描いたイザベル・ド・ポルテュガル肖像 (en:Portrait of Isabella of Portugal (van Eyck))』(模写のみが現存)とよく似ているとしている。ヘルツナーはシビュラパネルの帯に記されている銘文には二重の意味が隠されており、キリスト到来預言だけではなくフィリップ3世長男アントニ1430年 - 1432年)が幼少期無事に過ごすことを願う意味もこめられていたとしている。このヘルツナーの説を否定する美術史家もおり、当時幼児死亡率極めて高く悲運つながりかねないような含意は、出生後ではなく出生前の歓喜の意として使われるのが普通だった指摘している。

※この「ルネット」の解説は、「ヘントの祭壇画」の解説の一部です。
「ルネット」を含む「ヘントの祭壇画」の記事については、「ヘントの祭壇画」の概要を参照ください。

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