きゅうやくせいしょ〔キウヤクセイシヨ〕【旧約聖書】
旧約聖書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/18 00:14 UTC 版)
旧約聖書(きゅうやくせいしょ、英語: Old Testament)は、ユダヤ教およびキリスト教の正典である。「旧約聖書」は『新約聖書』も正典とするキリスト教による呼び方で、ユダヤ教では「旧約聖書」と呼ばず、正式の名は『律法(トーラー)、預言書(ネビイーム)と諸書(ケスビーム)』で[1][注 1]、日常的にはその頭文字をとって『タナハ』あるいは読誦を意味する「ミクラー」と呼ぶ[2]。『旧約聖書』は原則としてヘブライ語で記載され、一部にアラム語で記載されている。
注釈
- ^ 「新約聖書」が無かった時代のイエスの聖書に対する言及として『ルカ福音書』24章44節に「(前略)モーセの律法と預言書と詩篇とに、わたしについて書いてあることは、(後略)」(『口語訳聖書』)とある。
- ^ イスラム教は「タウラー」(トーラー)などについてユダヤ教徒などによる改竄を主張している[3]。
- ^ 詩篇は前300年頃にはおおよそ編纂されていたとされてきたが、今なお定説を見ない。『新版 総説 旧約聖書』 日本キリスト教団出版局、2007年、ISBN 978-4-8184-0637-7、p.427-428 などを参照。
- ^ ヴァチカン写本(AD350年)はマカバイ記1、2を含まず、エズラ記(ギリシア語)を含んでいる。シナイ写本(AD350年)はバルク書を含まず、マカバイ記4を含んでいる。アレクサンドリヤ写本(AD450年)はエズラ記とマカバイ4を含んでいる。(尾山令仁『聖書の権威』羊群社)
- ^ ヘブライ聖書における神観念は、初期には拝一神教であった。(岩波キリスト教辞典P869 拝一神教の項目 山我哲雄)( サム上26:19、士11:24、出20:2)
- ^ この段階ではまだ拝一神教として信仰されており、創造神(唯一神)には変わっていなかった。次のソロモン王の時代になると、他の神々への崇拝が行われるようになった。講談社現代新書加藤隆著『一神教の誕生』P54~P57
- ^ ダビデ王は十戒を刻んだ石板の入った契約の箱をエルサレムに安置したとされる。(岩波キリスト教辞典P158 エルサレムの項目 黒川知文)
- ^ このことから、後に聖書となる文書集と神殿との位置づけが変わっていったとされる。講談社現代新書加藤隆著『一神教の誕生』P86)
- ^ ユダヤ教にとっては、『聖書』は唯一の正典であり、現在も行動を律する文字通りの法である。民族の歴史を伝え、イスラエルの地を民族の故地とする精神的な基盤を与え、行為と歴史の両面において文化的な一体性を与える書でもある。
- ^ ・他の神々が、あなたのためにわたしの面前にあってはならない。〔岩波書店2000年旧約聖書(ヘブライ聖書訳)〈Ⅱ〉出エジプト記 20:3〕・あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない。(聖書 [口語]日本聖書協会、1955年旧約聖書出エジプト記20:3。)
- ^ また、カトリック教会において使用される十戒には、偶像崇拝の禁止の項目がない。モーセの十戒を参照
出典
- ^ 「旧約聖書」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』ブリタニカ・ジャパン、コトバンク。2023年3月15日閲覧。
- ^ 「世界大百科事典内のタナハの言及」『世界大百科事典』平凡社、コトバンク。2023年3月15日閲覧。
- ^ a b “諸啓典への信仰”. IslamReligion.com. 2018年11月7日閲覧。
- ^ 和田幹男『私たちにとって聖書とは何なのか-現代カトリック聖書霊感論序説』女子パウロ会 p.137
- ^ 山我哲雄著 『聖書時代史 旧約篇』 岩波書店〈岩波現代文庫〉 2003年、ISBN 4-00-600098-7、pp.III-Vなど
- ^ 加藤隆著 『旧約聖書の誕生』 筑摩書房、2008年、ISBN 978-4-480-84717-1、pp.61-64
- ^ 新約聖書、ルカ24:44、ヨハネ7:23
- ^ 尾山令仁著『聖書の権威』日本プロテスタント聖書信仰同盟 (再版:羊群社) p.100
- ^ 森川甫『フランス・プロテスタント-苦難と栄光の歩み』
- ^ 岡田稔『キリストの教会』小峯書店
- ^ 中央神学校史編集委員会『中央神学校の回想-日本プロテスタント史の一資料として』
- ^ 中村敏 『日本における福音派の歴史』いのちのことば社 p.41
- ^ マーティン・ロイドジョンズ『旧約聖書から福音を語る』いのちのことば社
- ^ “旧約聖書と新約聖書に分かれており、価格はそれぞれ1,350円と756円になります。”. www.seisho.or.jp. 新日本聖書刊行会 (2019年1月16日). 2020年7月11日閲覧。
- ^ 尾山令仁著『聖書の権威』日本プロテスタント聖書信仰同盟
- ^ 『新聖書辞典』いのちのことば社
- ^ 尾山令仁『キリスト者の和解と一致』地引網出版
- ^ R.E.フリードマン著(松本英昭訳) 『旧約聖書を推理する』 海青社、1989年、ISBN 4-906165-28-1、序章部で四資料仮説の要約史が読める
- ^ 月本昭男『創世記注解』日本基督教団出版
- ^ 和田幹男著『私たちにとって聖書とは何なのか』p.189-190
- ^ The Council of Trent(英語)
- ^ A.E.マクグラス著(高柳俊一訳) 『宗教改革の思想』 教文館、2000年、ISBN 4-7642-7194-X p.194
- ^ 尾山令仁『聖書の権威』
- ^ アリスター・マクグラス『キリスト教神学入門』p.224教文館
- ^ 尾山令仁『聖書の権威』羊群社
- ^ 『ウェストミンスター信仰告白講解』新教出版社
- ^ 宇田進『現代福音主義神学』いのちのことば社
- ^ “正教会版ロシア語訳旧新約聖書”. www.nisso.net. 2019年1月10日閲覧。
- ^ 講談社現代新書加藤隆著『一神教の誕生』P49
- ^ 講談社現代新書加藤隆著『一神教の誕生』P50
- ^ 岩波書店2000年旧約聖書〈Ⅱ〉出エジプト記 レビ記、(出エジプト記の解説、木幡藤子、P402)
- ^ 講談社現代新書加藤隆著『一神教の誕生』P52
- ^ 講談社現代新書加藤隆著『一神教の誕生』P72
- ^ 講談社現代新書加藤隆著『一神教の誕生』P60
- ^ 岩波キリスト教辞典P869 拝一神教の項目 山我哲雄
- ^ 岩波キリスト教辞典P1037 捕囚の項目 宮本久雄
- ^ 前田徹・川崎康司『歴史の現在 古代オリエント』山川出版社、2000年p.151-152
- ^ 講談社現代新書加藤隆著『一神教の誕生』P82
- ^ 講談社現代新書加藤隆著『一神教の誕生』P88~P90
- ^ 『旧約聖書人名事典』ジョアン・コメイ著、東洋書林、1996年、93-97項
- ^ 講談社現代新書加藤隆著『一神教の誕生』P118
- ^ 創世記#ヘブライ語聖書における創世記の成立・編集について参照
- ^ 講談社現代新書加藤隆著『一神教の誕生』P160~P168
- ^ 岩波書店2004年新約聖書補注、用語解説P24
- ^ 岩波書店2004年新約聖書補注、用語解説P41
- ^ 使徒行伝7-55
- ^ 講談社現代新書加藤隆著『一神教の誕生』P222
- ^ 岩波キリスト教辞典P274 旧約聖書の項目 関根清三
- ^ 日本聖書協会、聖書を知る
「旧約聖書」の例文・使い方・用例・文例
- ビヒモスは旧約聖書に出てくる神話上の獣である。
- 旧約聖書の一節を読む.
- ヘブライ語聖書 《旧約聖書》.
- 第 1 日課 《旧約聖書の一部》.
- 旧約聖書を拒絶し、イエスの人間としての神の肉体化を否定した、2世紀と3世紀のキリスト教の異教
- 旧約聖書に基づいた信念と慣習、そして新約聖書で表現されたキリストの教えと、救世主としてのキリストの役割を強調した一神教の体制
- 1940年代後半に死海の近くの洞窟で発見された(旧約聖書をほとんどすべて含む)巻物の集まり
- 旧約聖書の最初の本:創造について述べている
- 旧約聖書の第2:についてモーセによって率いられたエジプトの奴隷制度からのイスラエル人の出発を語る
- 旧約聖書の第三書
- 旧約聖書の第四書
- 旧約聖書の第五書
- モーセの死後どのようにヨシュアがイスラエルの子孫をカナン(約束の土地)に導いたかを記述する旧約聖書の一書
- 士師として知られている指導者たちのもとのイスラエルの歴史を語る旧約聖書の一書
- ユダヤ人ではないが、ユダヤ人と結婚し、夫の死後義母ナオミと暮らしたルツの物語を伝える旧約聖書の一書
- 旧約聖書のソールとデヴィッドについて伝えられている2冊の本の第一
- サウルとダビデについて書かれた2冊の旧約聖書の2冊目
- ユダとイスラエルの王様の履歴を語っている2冊の旧約聖書の第一
- ユダとイスラエルの王の歴史を述べている2冊の旧約聖書の本の第二
- 王を補足したと考えられるI歴代志とII歴代志の旧約聖書の旧名
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