出エジプト記とは? わかりやすく解説

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しゅつエジプトき【出エジプト記】

読み方:しゅつえじぷとき

Exodus旧約聖書中の一書モーセ五書の一。エジプト居留したイスラエル人モーセ率いられて、圧政エジプトから脱出しシナイ山に至るまでを記す。モーセ与えられ十戒後半述べられる


しゅつエジプトき 【出エジプト記】

Exodusラテン)『旧約聖書』中の第二書。モーセ五書の一。モーセイスラエル民族を率えてエジプト脱出シナイ山に至るまでを記す。モーセの十戒はこの書にある。全体として苦難からの解放の自由、神の戒めへの服従自由など、聖書特質としての自由を教えており、ユダヤ教キリスト教で、救済の範型として重んじられてきた。

出エジプト記

作者横田順弥

収載図書殺意狂詩曲(ラプソディー)
出版社光文社
刊行年月1986.10
シリーズ名カッパ・ノベルス

収載図書とっぴトッピング
出版社光風出版
刊行年月1988.10
シリーズ名アルゴ文庫


出エジプト記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/01 09:55 UTC 版)

出エジプト記』(出埃及記[1]、しゅつエジプトき、ヘブライ語: שמות英語: Exodus)は、旧約聖書の2番目の書であり[2]、『創世記』の後を受け、モーセが虐げられていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語を中心に描かれている。モーセ五書(トーラー)のひとつ[3]であり、ユダヤ教では本文冒頭より2番目の単語から『シェモース』(Shemot)と呼ぶ[注釈 1]。全40章から成る。

構成

エジプト脱出とシナイ山での契約が二つの大きなテーマとなっている。キリスト教において旧約聖書という時、「旧約」すなわち古い契約というのはこのシナイにおける神と民との契約のことをさしている。

  • エジプト脱出
    • ヤコブ後のエジプトにおけるユダヤ人の状況(1章)
    • モーセの物語(2章 - 4章)
"エジプト第七の災い"、ジョン・マーティン、1824年
"エジプト最後の災い" エラストゥス・ソールズベリー・フィールド
  • 神と民の契約
    • 十戒の授与(20章)[注釈 2]
    • 契約の書(20章 - 23章)
    • 契約の締結(24章)
    • 幕屋建設指示とその規定(25章 - 28章)[注釈 3]
    • 儀式と安息日の規定(29章 - 31章)
    • 金の子牛(32章 - 33章)
    • 戒めの再授与(34章)[注釈 4]
    • 安息日と幕屋の規定(35章 - 39章)
    • 幕屋の建設(40章)

成立

『出エジプト記』はエジプト脱出の物語に後から契約の内容と細かい規定が組み合わされて完成したと考えられている。長年J資料、E資料、P資料及び申命記からの影響から出エジプト記が成立したと考えられてきたが、近年になり様々な説が出されるようになり、学問的同意は得られていない。フレットハイムは基本的な出エジプト記のストーリーは王国時代以前に成立し、J資料やE資料などが付け加えられて様々な時代の伝承が組み合わされて出エジプト記が成立したとする。[4]

内容 

エヒイェ・アシェル・エヒイェ

モーセは飼っていた羊の群れを追ってホレブ山にたどり着いた。そこで燃え尽きない柴を目に留め、不思議に思っていると、神からの呼びかけがあったという(モーセの召命)。イスラエルの民をエジプトから導き出すよう神から命ぜられたモーセは、自分自身を誰から遣わされた者としてイスラエルの民に紹介すればよいか、と神に問う。すると、

神はモーセに語りかけて言われた、「わたしは私は有るという者である(エヒイェ・アシェル・エヒイェ)」[注釈 5]。さらに言われた、「イスラエルの子らにこう告げよ、『私は有る(エヒイェ)[注釈 6]がわたしをあなたがたのもとに遣わした』、と」。 — 出エジプト記3章14節[5]

この「エヒイェ」のギリシャ語訳「エゴー・エイミ」[注釈 7]は、新約聖書ヨハネによる福音書などでイエスによって用いられることになる[6]

魔女

22章18節にある「呪術を使う女はこれを生かしておいてはならない」という部分が『欽定訳聖書』では「魔女」(witch) と訳され[7]、この『聖書』が広く読まれたことで、魔女狩りの『聖書』における根拠とみなされることになった。

脚注

注釈

  1. ^ 冒頭の語を題名とするやり方をインキピットと呼ぶ。
  2. ^ 十戒そのものは20:2-17
  3. ^ 「幕屋」とは神が必要に応じて降りてくるテントのことで、後のエルサレム神殿の原型とも言える。
  4. ^ 「モーセの角」の誤訳の原因となった箇所は34:29-30
  5. ^ ’ehyeh ’ăšer ’ehyeh (I AM that I AM) ギリシャ語七十人訳聖書:ἐγώ εἰμι ὁ Ὤν
  6. ^ ’ehyeh (I AM) ギリシャ語七十人訳聖書:ὁ Ὤν
  7. ^ ἐγώ εἰμι (I AM)

出典

  1. ^ 出埃及記 : 旧約聖書.国立国会図書館
  2. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「出エジプト記」の解説”. コトバンク. 2022年1月30日閲覧。
  3. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「出エジプト記」の解説”. コトバンク. 2022年1月30日閲覧。
  4. ^ T.E.フレットハイム 著、小友聡 訳『出エジプト記』日本基督教団出版局〈現代聖書注解〉、1995年、27頁。 
  5. ^ Exod. 3:14.
  6. ^ ヨハネによる福音書8章58節「アーメン、アーメン(まことにまことに)、私はあなたがたに言う、アブラハムが生まれる前から「私はある」。」
  7. ^ 『欽定訳聖書』22章18節(Wikisource)

関連項目

外部リンク

ナイル川とシナイ半島

出エジプト記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/19 09:23 UTC 版)

聖絶」の記事における「出エジプト記」の解説

出エジプト記22:20異教祭儀禁じられており、全く滅ぼすこと、聖絶命じられているが、これはもともとのろいの下におくという意味である。

※この「出エジプト記」の解説は、「聖絶」の解説の一部です。
「出エジプト記」を含む「聖絶」の記事については、「聖絶」の概要を参照ください。

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