出アフリカ説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 20:57 UTC 版)
詳細は「アフリカ単一起源説」を参照 クリス・ストリンガーとピーター・アンドリューズによって発展した出アフリカ説によれば、分子系統解析の進展(いわゆるミトコンドリア・イブやY染色体アダムなど)によって、現代のホモ・サピエンスは14 - 20万年前に共通の祖先を持つことがわかり、ホモ・サピエンスは7万から5万年前にアフリカから外へ移住し始め、結局ヨーロッパとアジアで既存のヒト属と置き換わった。出アフリカ説はミトコンドリアDNAを用いた最近の研究によっても支持された。133種類のミトコンドリアDNAを用いた系統樹の分析の結果、彼らは人類が(のちにミトコンドリア・イブと呼ばれる)アフリカ女性の子孫であると結論した。ただしミトコンドリア・イブは全人類の「ミトコンドリアDNAの」祖先であり、人類がただ一人の女性あるいは夫婦のみに由来するという意味でも、この女性が最初のホモ・サピエンスという意味でもない。 ミトコンドリアDNAの分析では、現代人の共通祖先の分岐年代は14万3000年前±1万8000年であり、ヨーロッパ人と日本人の共通祖先の分岐年代は、7万年前±1万3000年であると推定された。 「ジェノグラフィック・プロジェクト」も参照 出アフリカの回数が一度であったか、複数回であったかには議論があるが、ユーラシアとオセアニアの住民はみな共通したミトコンドリアDNAの系統に属していることは、複数回出アフリカ説に対する重要な反証である。ほとんどの研究は、一度だけの出アフリカが、アフリカ以外の全人類の起源となった可能性を示唆する。 出アフリカのルートも複数説あるが、近年[いつ?]、遺伝学的、言語学的、考古学的な証拠の支持を得ているのは、およそ7万年前にアフリカ東部の突端であるいわゆるアフリカの角からアラビア半島に渡った、「南方出アフリカ説」である。
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